ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

卓球 10代なのにもっている精神力と高い技術

2018-12-17 21:29:58 | スポーツ
昨日の午後からは、BSでバドミントンやら卓球やらのワールドツアーファイナルやグランドファイナルの決勝戦を生放送していた。

日中を中心に放送されたバドミントンでは、残念ながら、タカマツペアが女子ダブルスで優勝しただけにとどまった。
シングルスの女子奥原も、男子桃田も、ストレートで敗れてしまい、優勝はならなかった。

夜の放送となった、卓球は、バドミントンほど期待していなかった。
男子シングルスと女子ダブルスが決勝に進出したが、決勝の対戦相手がいずれも世界一の実力国中国の選手たちだったからだ。
男子シングルスの張本はまだ15歳だから、まだ精神的にも技術的にも優勝には早いだろう。
でも、女子ダブルスの伊藤美誠・早田ひななら、何度か優勝経験があるからいい試合するだろうな、とは思っていた。

男子シングルスは、途中から試合を見たが、そのときはゲームカウント1-1だった。
張本が対戦していた中国の林高遠は、準決勝で日本の水谷に勝っていた。
強いボールを時折打ち込み、簡単に得点を許さず、接戦となっていた。
第3ゲームから、11-9で3ゲームを連取した張本が、優勝の栄冠を勝ち取った。

すごいと思ったのは、接戦を制することができる精神力だった。
第2ゲームは13-15で落としている。
だから、また落とすかもしれない、というネガティブな思考に陥ってもおかしくない。
現に、今年はリードしながら負けた試合も見かけ、大事なところで弱気になってしまう若さが見られたりもした。
ところが、この試合は、後は取られたらジュースになるというところで、大事な1本を相手に渡さないという精神的な強さが見られるようになった。
この精神的な成長は、なかなかすごいと思う。

そして、それを支えた技術は多いのだけれど、特にチキータには驚いた。
かつて私が卓球をしていた時には、チキータなんて技はなかった。
手首を中心にバナナのような動きをする技だからその名が付いたという。
私たちの時代には、バックハンド・ドライブはあったが、それは台よりもっと体に近いところに来なければできなくて難しい技だった。
それなのに、台上で同様にこすり上げて回転をつけて相手コートに入れるなんて、そんなさらに難しい技が、卓球界でできて当たり前になるなんて、思いもしなかった。
そのチキータを駆使しているのが、張本。
9-9で迎えた最後の場面で、どんなサーブが来るかわからないなかで、レシーブにこのチキータを連発。
2本いずれもノータッチで抜き、勝利を手にした。
精神力と、技術。
それを兼ね備えていないと優勝はできないのだと、思い知った。

そのことは、女子ダブルスでも起こった。
伊藤美誠・早田ひな組が優勝したが、3ゲーム、11-9,13-11,12-10である。
まさに接戦。
そこを勝ち抜くのだから、精神力の強さは並みではない。
中国選手たちのボールは、非常に強く威力があるから取りづらい。
だが、日本の選手たちには、ふところの広さ・深さがあった。
競ったところで、今まで見たことのない技術が出てくるのである。
相手は、想定外のことが起こるので、対応できなくなる。
そんな場面を何度も見た。

以前なら、揺るがぬ精神力をもち最後に奥の手が出るのは、中国選手だった。
それが、今はこうして日本の10代の選手たちがもっているということに、すごさと時代の変化を感じた。

彼らは、向上心があるから、きっともっと強くなる。
頼もしさと末恐ろしさも感じた、卓球の2018グランドファイナルであった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする