サッカーJ2リーグ第32節。
ホームFC岐阜戦。
沈みがちな気持ちを明るくしてくれるような試合を見せてほしい。
しかし、だ。
今回の一戦は、J3への降格圏のすぐ上での勝ち点をめぐる戦い。
アルビレックス新潟は、黒星続きで6連敗し、前節引き分けて連敗を止めたものの、7戦連続未勝利の有様。
直近の11試合で、1勝8敗2引き分け。
対するに、FC岐阜は、現在8連敗中で、直近11試合でなんと1勝10敗。
こういう戦いを称して、「裏天王山の戦い」と言う人も多くいた。
果たして、どんな試合になるか。
試合が始まると、岐阜も新潟も相手ボールに対する寄せが速い。
そして、相手の守備の裏をとろうとする動きが鋭い。
岐阜も、連敗中とは思えない鋭い出足で、前半の始まりは、どっちに転ぶか分からない展開だった。
しかし、今日の新潟の選手たちの動きは違う!
速い相手の動きについていっている。
球際に厳しく行っている。
複数でプレスをかけている。
だから、相手のパスコースを消すと同時に、厳しくボールを奪いに行っている。
勝利へのすばらしい気迫が感じられた。
このような動きは、練習から厳しく追求していないとできないものだ。
こういうサッカーを見たかったのだ。
ただ、3月までは、前半はこのようなよい動きを見せながら、先制されて負ける試合もたくさん見てきた。
先取点がほしい!
そう思っていたら、17分過ぎ、河田が先制ゴール。
そこから、一気に新潟が押し込む形が増えた。
1点じゃダメ、追加点がほしい。
そう思っていたら、35分、河田が追加点を決める。
2点は危ない点差と言うから、前半のうちにもう1点ほしい。
そう思っていたら、河田が3点目を決めた。
すごい。河田、前半だけでハットトリックだ。
今日は、河田がフィニッシャーになってはいるが、そこまで攻め込む形が作れているからだ。
チーム全員で守備に、攻撃にかかわっているのがよくわかった。
後半も、このままで、さらに追加点を、と祈る。
すると、後半開始早々、5分も過ぎた頃、攻め込んだ新潟が、最後にシュートを決めたのは、戸嶋祥郎だった。
筑波大出のルーキーが、やっと初得点を決めた。
そして、ここまで様々な貢献を果たしていたのが、大ベテランとなった田中達也だった。
自ら動き、チャンスを作り、ピンチではボール奪取にこだわってまとわりつく。
すばらしい動きだった。
大差となったこともあり、ケガから復帰の小川と交替する。
5点目を決めたのは、その小川だった。
まだ、試合は後半の半分にさしかかっていたところだが、ここで勝負は完全に決まった。
あとは、相手をゼロでおさえるだけ。
試合終了。
5-0で完勝。
最高の気分であった。
攻守にわたって、積極的な選手たち。
最後まで走りぬく、こういう姿を見たかった。
ヒーローインタビューには、ハットトリックの河田と初得点の戸嶋。
新潟の応援をしていた場内の観衆たちは、皆、心から喜んでいた。
抱き合っている人たちだっていた。
3月以来のホームでの勝利だからね。
さて、今日のような積極的な試合をこれからも見せてほしいな。
そうすれば、こんな順位にいるはずはなかったのになあ。
まあ、今夜は、勝利の余韻にしっかり浸りながら眠ろう。