勝った~!!
アルビレックス新潟、待ちに待った、ホーム戦初勝利。
なんてったって、ここまでホームで8試合、勝利を見せてもらうことがなかった。
分け、分け、分け、負け、分け、負け、負け、分け…。
すべてに「け」が付く「『け』だらけの分け&負け」。
おまけに、昨シーズンからのホーム戦勝利なしは12試合連続に伸びていた。
今日の試合は、昨シーズンの9月にホームで勝った湘南ベルマーレが相手。
実に、その試合以来8か月半、私たちは、新潟がホームで勝つところを見たことがなかった。
今日こそは、と自分も、願をかけた。
試合前の昼食は、勝つようにと「カツ丼」にした。
試合前に、オレンジガーデンに行って、新しいアルビの帽子を買った。
今までかぶっていたものは黒いアルビの帽子だったが、黒は負けのイメージなので色を変えた。
ブルー系にして、アルビカラーの1つである青い色にした。
そして、この試合に至る前に、昨日の試合前インタビューで、キャプテン堀米が、監督や強化部長と話をしに行ったということを知った。
そこに男気を感じた。
キャプテン堀米に敬意を表して、今日来たTシャツは、J2優勝したときに作られた、堀米がシャーレを掲げるシーンのもの。
右のサインは印刷だが、左のサインは、実際に書いてもらったもの。
こちらも勝利に向かって気合を入れた。
先発メンバーには、4日前のルヴァン杯3回戦でフルタイム出場した小見や、82分まで出場した谷口の名前があった。
中3日、疲れも残っているだろうな、と思った。
試合が始まってみると、早々にチャンスを作り出しゴールに迫った。
惜しくもオフサイドにはなったし、そのシュートも枠をとらえていなかったけれども、この試合にかける選手たちの意気込みが伝わってきた。
しかし、途中から互角で、どちらかというと劣勢を感じるような試合となった。
前半19分、谷口が相手GKの位置を見て超ロングシュートを放つが、これもゴールから遠く離れた。
するとその1分後、今度は相手FWが超ロングシュートを放つと、それはGK吉満の手が届かず、すっぽり入ってゴールネットを揺らした。
ああ、新潟またしても先制を許す失点。
どんな試合でも、追いかける試合は非常にしんどい。
2点を挙げるのは簡単ではない。
今日もダメか…とネガティブな思考になりかけたが、一生懸命プレーしている選手たちに失礼だ、と思い返し、Nスタンドの声援に合わせて拍手を送った。
願いが実ったのは、31分。
攻め入ったゴール前でシュートシーンが生まれると、こぼれ球を谷口が決めた。
谷口は、昨季10点取っていたにもかかわらず、これが今年の初ゴールだったはず。
このシーンは、大勢の選手がゴール付近に攻め入っていたからよかった。
そういうシーンこそが、アルビの求めているシーンだったはず。
あとは、ひっくり返すだけ。
だんだんボール支配率も高くなってきた。
しかし、前半はそのままに終わる。
ハーフタイムに、ゲン担ぎで、「勝ちの種」(柿の種)を食べ始めたときだった。
「涼太郎だ。」と叫ぶ声に、手前スタンドの前方を見ると、すぐそこにサングラスをかけた伊藤涼太郎が両手を振りながら歩いていた。
膝に勝ちの種を乗せていたことも忘れて、思わず立ち上がって手を振ってしまった。
Nスタンドだけでなく、場内を1周してあいさつして回るなんて、なんとありがたくうれしい選手なんだろう。
オランダに行って、2年もたつのに…。
ふと気づくと、座席の階段の下には、膝の上に乗せていた柿の種が一部散乱していた。
あちゃ~、「勝ちの種」を落とすなんて…、縁起でもない。
いや、これは伊藤涼太郎が来たからのこと。
きっと彼はアルビに勝ちをもたらす「勝利の男神」なのだ。
彼が来たからには、大丈夫ということにしよう。
さて、後半は、谷口や小見は早めに代えるのかもしれないなと思った。
だが、そうではなく、同じメンバーでの戦いが続いた。
結構危ない場面も多く作られたが、新潟の選手たちがギリギリのところで体を寄せたり飛び込んだりして、ゴールは許さなかった。
そこには、選手たちの気迫が前面に現れていた。
その気迫が実ったのが、71分。
攻め入った奥村のパスが谷口につながり、そこから最後は小見!
右足で放ったボールが、ゴールネットに吸い込まれた。
2-1。
アルビ勝ち越し!
決めたのは、疲れているはずの小見。
しっかり走り込んで決め、ゴール後のパフォーマンスも喜びであふれて、コーナーポストをふっ飛ばしていた。
ここから先が、まだ20分以上あったのでどうなるかと思われた。
危ない場面もあったが、潟ることなくGK吉満中心にチーム全員でよく守り、勝利を手にすることができた。
試合後に選ばれた本日のMOMは、小見。
マイクを手にした小見は、チームを代表しているような、実にしっかりしたコメントを発していた。
家に帰ってからDAZNで、試合後のインタビューを見ると、小見は涙を流していた。
その姿に、選手たちの今まで勝てなくて張りつめた思いしていたことを感じた。
自分のことを「ふがいない」と言いながらも、涙をこぼしながらも、J1残留を含めチームの今後の飛躍を誓っていた。
高卒から入団して5年目、小見は実にしっかりした青年になってきたなあ、とその成長をうれしく思った。
今日の神ユニも小見。
試合後のバンザイや「ハルヲスイング」も、リーグ戦253日ぶり。
今日は、とにかく、選手たちの気迫を感じた。
守りでは、絶対に相手にゴールを許さない。
そういう覚悟が痛いほど感じられた。
攻撃の場面も、今日は弱気に感じることはほとんどなかった。
この勝利があっても、J2降格圏からは抜け出せていない。
よそのチームも必死だ。
でも、もっとやれるチームのはず。
次節は、本来なら前半戦の最終節。
覚悟を決めてがんばる選手たちだから、これからの反転攻勢に期待しよう。
Visca Albirex !!!