きみはいい子 (一般書) | |
クリエーター情報なし | |
ポプラ社 |
【一口紹介】
◆内容紹介◆
ある雨の日の夕方、ある同じ町を舞台に、誰かのたったひとことや、ほんの少しの思いやりが生むかもしれない光を描き出した連作短篇集。
夕方五時までは帰ってくるなと言われ、雨の日も校庭にたたずむ生徒と新任教師との心のふれあいを描く「サンタさんの来ない家」をはじめ、娘に手を上げてしまう母親とママ友との物語、ひとり暮らしが長くなった老女と、家を訪ねてきたある男の子との物語など、胸を打つ作品を五篇収録。
人間の優しさとその優しさが生む光が、どれほど尊くかけがえのないものかをあらためて感じさせる感動作。
【帯より、宮下奈都さんコメント】
読みながら、震えた。ものすごいことが書かれている。
震え、泣き、それでも確かな希望が胸に灯る。人間を信じよう、という気持ちになる。―宮下奈都(作家)
第一回静岡書店大賞 小説部門 受賞
キノベス! 2013 第2位
第二十八回 坪田譲治文学賞 受賞
◆内容(「BOOK」データベースより)◆
夕方五時までは家に帰らせてもらえないこども。
娘に手を上げてしまう母親。求めていた、たったひとつのもの―。
それぞれの家にそれぞれの事情がある。
それでもみんなこの町で、いろんなものを抱えて生きている。心を揺さぶる感動作。
◆著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)◆
中脇/初枝
1974年、徳島県生まれ、高知県育ち。
高知県立中村高等学校在学中に、小説『魚のように』で第二回坊っちゃん文学賞を受賞してデビュー。1996年、筑波大学卒業
【読んだ理由】
新聞の書評。
【印象に残った一行】
自転車で遠出したり、釣りに行ったり、とりもちを雑木林にしかけたり、蛇をつかまえてきて飼ってみたり、爆竹をかえるやとんぼにしかけてみたり、パチンコを作って鳩や雀を撃ったり、畑でチャンバラして、さつまいもの苗をだめにしてしまったり。
【コメント】
親から「いい子」と言って貰えない子どもたち、子どもに「いい子」と言ってあげられない親たち、そして、子どもの頃、親から「いい子」と言って貰えなかった大人たちを描いた、「児童虐待」がテーマの連作短編集。
最近小学校が私の頃と随分違うことに驚いた。例えば、男の子は「君」、女の子は「さん」だったのに、今は全員「さん」だそうだ。
親心は尊いですね。読みながら思い出しました。江戸川柳にみる親心。
【這えば立て 立てば歩めの 親心】
【寝かす子を あやして亭主 叱られる】
【寝ていても 団扇のうごく 親心】
【子の寝冷へ 翌日夫婦 けんくわ也】
【夕立に 取り込んでやる 隣の子】
特に、三つ目の【寝ていても・・・】涙が出ますね。