日本男道記

ある日本男子の生き様

憲問第十四の四十六

2017年02月14日 | 論語を読む

【漢文】
闕黨童子將命矣、或問之曰、益者與、子曰、吾見其居於位也、見其與先生竝行也、非求益者也、欲速成者也。

【書き下し文】
闕党(けっとう)の童子(どうじ)、命(めい)を将(おこ)なう。或(あ)る人これを問いて曰わく、益者(えきしゃ)か。子曰わく、吾(われ)其の位に居るを見る。其の先生と竝(なら)び行くを見る。益を求むる者に非(あら)ざるなり。速(すみ)やかに成らんと欲する者なり。

【現代語訳】
闕(けつ)の村の少年が孔子の家の来客の取次ぎをしていた。
ある人が孔子に、「あの少年には見込みがありますか?」と尋ねると、孔子は、
「私はあの子が大人に混じって座っているのを見ましたし、先輩と並んで歩いているのも見ました。彼は自分を向上させたいのではなく、早く大人の仲間入りをしたいだけなのです。」と答えられました。

【English】
A boy from Que Tang served Confucius an errand. Someone asked about the boy, "Is he promising?" Confucius replied, "I saw the boy was sitting with adults and walking with seniors. He does not want to improve himself. He just wants to become an adult as soon as possible."

『論語』とは
読んで字の如く「論じ語る」、孔子と弟子達や要人達との間に交された対話録。
『論語』は私たちの生き方の原点を見つめた思索の宝庫であり、人間性を磨く叡智が凝縮した永遠の古典。
読めば読むほど胸に深く沁み込む簡潔な言葉の数々。
『孟子』『大学』『中庸』と併せて儒教における「四書」の一つに数えられる。
全20編(学而第一~堯曰第二十) 構成され、編の名称は各編の最初の二文字を採ったものであり内容上の意味はない。
したがって、学而第一から順に読む必要はなくどこから読んでもかまわない。


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