![]() | 生活の設計佐川 光晴新潮社このアイテムの詳細を見る |
【一口紹介】
◆内容(「BOOK」データベースより)◆
ぼくが屠畜場で毎日ナイフを持って働いている理由?よし、説明してみよう!キツイ仕事ゆえ、午前中で終業だから、共働きの妻にも幼い息子にも都合がいい。ぼくの体質にも最適なんだ。しかし…各紙誌で話題、爽快な新潮新人賞受賞作。
◆内容(「MARC」データベースより)◆
私は「埼玉県営と畜場」の作業員。ぼくが屠畜場で働いている理由? キツイ仕事ゆえ、午前中で終業だから。共働きの妻にも幼い息子にも都合がいい。しかし…。著者自らの体験に基づく、デビュー作。新潮新人賞受賞。
【読んだ理由】
著者の「牛を屠る」を読んで。
【印象に残った一行】
そして、妻はその翌年の教員採用試験に合格し、ちょうど定年となる両親と入れ替わるかたちで正規の教員となったわけで、期せずしてこの上ないはなむけとなったのだが、長年の労をねぎらうために終業式の晩に花束をももって実家にかけつけた妻と私を見たときの妻の父親の複雑な表情をわたしは忘れることができない。また、私はそれと同じ顔を、結婚六年目の一昨年にようやく生まれた子供を抱いた私と妻が実家の玄関に出迎えられた時にもやはり見たような気がした。それは、「なにもかもが上手くいっている、何もかもが上手くいっているが、キミは一体なんなんだ?」といいたいものの、それをいった途端にそのなにもかもがなくなってしまうのではないかと感じて不安になり、そうして不安にさらされている自分に気づいていらだっている表情とでもいえるのだろうが、それをそう読み取ることで愉快になれるはずもなく、わたしはそのたびに甚平を着て廊下から庭を眺めていたときのことを思い出した。
【コメント】
主人公の私が屠畜場で働く理由が縷々書いてあるが、最後まで、私には読みとれなった。

