今朝のNHK『あさいちばん・ビジネス展望』は、
山田久さんが、『労働時間制度の見直し』というテーマで話しをされた。、
労働時間規制の緩和とは
政府が6月に発表した改訂版の成長戦略で、
労働時間規制の緩和を掲げているが、その議論が始まった。
現行の労働時間に関する規制は、
工場の流れ作業の社員も、事務所のデスクワークの社員も、、
労働時間の量に応じて、その成果や出来高が比例的に増える、という事が前提になっている。
しかし、
後者の事務所勤めのホワイトカラーには、必ずしも当てはまらないというのが実情だろう。
つまり、ホワイトカラーの仕事の場合は、労働時間と成果が必ずしも対応しない面が強い。
そこで、『労働時間の長さではなく、労働の成果に応じて賃金を払う』という、
新しい労働時間制度の創設が検討されるようになった。
既にある『裁量労働制』との関連
既に、ホワイトカラーの労働者の一部には、
その人の労働時間の計算を、実際の労働時間ではなく、
”みなし労働時間”によって決めることができるという制度がある。
しかし、この制度は、実際の運用面で難しい点が多く、あまり普及していない。
そこで、改定成長戦略では、
この裁量労働制の活用・促進に向けて、
対象範囲や手続きを見直すとしている。
この見直しで、裁量労働制の使い勝手が良くなってくれば、
それで、経営者側を納得させて、対応できるかもしれない。
労働時間規制の見直しには、働き方の見直しが前提
ただ、”労働時間規制をどう見直すか”については、
その前提となる、働き方をどう見直すかが重要である。
日本の経済構造は、製造業からサービス業へ、ハードからソフトへシフトしている。
そこで、実際、労働時間と成果が対応しない職種が増加している。
しかし、そうかと言って、いきなり労働時間規制を外すと、
社員の働きすぎ(働かせすぎ))の問題が起きて来よう。
なぜなら、仕事内容や勤務地が選べない雇用形態の日本型企業の正社員は、
転職も容易にできず、
成果を出せるまで、実を粉にして働き続けるだろう、からである。
従って、日本の労時間を廻る課題を解決するには、
上述した、仕事内容や勤務地が選べない日本型企業の正社員のような働き方を
見直すことが大前提になる。
欧米の人たちの働き方から学ぶ
具体的にはどう見直したらよいのか?
仕事を自ら選ぶことができて、職務範囲が明確なゆえに、労働時間が自分で管理できる、
そういう欧米型の正社員の働き方を導入するする必要がある。
例を挙げれば、
高い専門性を前提に役割が明確な米国型のプロフェッショナルな職種。
例えば、金融機関のディーラー・アナリストなど。
企業横断的に技能が標準化された、欧州型の熟練技能を誇る職種。
例えば、介護関連の労働者。
米国型、欧州型は共に、
日本型のように、仕事内容が決っていないということはなく、
どこの企業で働いても職務範囲が決っていて、つまり限定社員である。
このような限定社員に対してであれば、
労働時間規制のありかたも当然変わってくる。
成長戦略で労働時間規制の緩和を検討するについては、
日本の労働者がこのような欧米型の働き方に変わって来れば、容易になるだろう。
ただ、欧米型の働き方に習うといっても、
欧米の労働者には、
強い労働組合がバックについて、強力にサポートしている、という事もある。
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