6月16日 NHK『ラジオ朝一番』から
☆☆☆ ビジネス展望 ☆☆☆
『前向きな言葉を使おう』 遠藤 功 さん
大震災から3カ月以上が経過したにもかかわらず、
被災地の復興はなかなか進まない。
福島原発も深刻な状況が続いている。
駒ヶ根市の副市長さんからいただいたメールを紹介したい。
「こういう状況だからこそ
常に前向きな言葉を使うことを皆が意識しなければいけない。
『何々しないとできない ではなく 何々すればできる』
『何々が悪い ではなく 何々を直せば大丈夫だね』
『何々せざるを得ない ではなく 今はこれがベストだと思う』
こういう言葉の使い方一つによって全体の雰囲気が変わってしまう。」
昨年、政治も経済も低迷・停滞している状況に対し
『閉塞感』という言葉がよく使われた。
セコムの創業者の飯田さんは、
「本当はそう感じていない人まで、この言葉を使ってしまっているのではないか。
そうしているうちに、日本全体のムードは次第に暗くなってしまった。
だからネガティブな言葉は使わない方がい。」
と言葉の使い方について同様の指摘をされていた。
政治家やメディアの方々は言葉を扱うのが仕事だから
一般の人に比べたらよりそういう意識を強く持っていただきたい。
一昨年に民主党が事業仕分けを行ったとき、
「世界一になる理由は何があるのか? 2位ではだめなのか」
という発言が話題になった。
無駄を省くという目的には賛同であるが、
この言い方は受け手の気持ちへの配慮がされた言葉ではない。
例えば
「いま財政状況が苦しいので、予算の圧縮に協力してもらいたい。
でもその中でぜひ世界一を目指してほしい」
というふうに言えば、受け止め方も全く違ったものになったはずである。
菅首相は昨年、『最小不幸社会』という言葉を発したが、
内容は別として、最小とか不幸という言葉では
どうも前向きな言葉として、世間の人は受け取りにくいと思う。
これから被災地の復興や日本の再生に取り組むにあたって、
もちろん現実を真正面から直視する必要はあるわけだが
政治家やメディアの方々には、
意識的に前向きな言葉を発することを心掛けていただきたい。
##この文章は私の覚えとして放送を要約したものです。##
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