ラウラの命を危機を救った1機のVFー1・・・・・・
その姿を見たラウラは何も言葉が出ないまんま見つめていた。
自分の命を救ってくれた救世主の姿に・・・・・・
救世主のVFー1バルキリーはJ型と呼ばれるタイプの頭部を持ち
ゴーグルのカメラは赤く光っており・・・・・
見た感じ何かの威圧感があり、ラウラはある種の怖さを感じた
そうこうしているうちにそのVFー1から通信が入ってきた
吉野大樹「危なかったなルーキー」
ラウラ「吉野大尉!?久しぶりです」
吉野大樹「ラウラか、久しぶりだな!あと大樹な」
そのバルキリーのパイロットは大樹であった。
大樹はラウラの姿を見るとフレンドリーに話しかけ・・・・
ラウラの方は驚きつつと久しぶりに大樹に会え嬉しく笑顔が出た。
まさかこんなところに会えるとは・・・・・
吉野大樹「だがここは戦場だ、気を引き締めろ!神楽ついてきてるか?」
神楽賢二郎「勿論です大尉。」
吉野大樹「よし・・・・ラウラ、俺たちが援護するからクラビウス基地まで戻れ!」
余韻に浸る間もなくラウラは大樹からクラビウス基地に帰還するように言われた。
大樹は副官である神楽を引き連れレミア達と戦い・・・・
ラウラを逃がしハウンド小隊で挟撃する考えで作戦を建てた。
それにラウラの機体がかなり損傷しており・・・・
以後、戦闘を継続できるだけの力は残されていない・・・・
早めに撤退してもらって、思う存分に戦わせてもらう
レミアの駆るファントムⅢを睨みながら決心した。
ラウラ「相手は相手は強敵です、その機体じゃ・・・・・」
吉野大樹「安心しろ!今の世代と同じような性能になるようにアップデートしているから大丈夫だ!」
ラウラ「でも・・・・私以外の僚機は・・・・・」
吉野大樹「分かってるだから・・・・俺を信用しろ!ラウラ!」
今までの戦闘からラウラはこのまま戦ったら大樹達も全滅させられると危惧したが・・・
大樹はニッと笑って、安心し信用しろと言われてしまった。
何故そこまで自信があるのか?
旧式機体であるVFー1バルキリーでレミアの最新試作機ファントムⅢに不利だし
レミアの腕前もあり一瞬で壊滅させられてしまう・・・・
折角再会したのに、逃がされ今生の別れになるような事になるなんて
ラウラはもう一度引き留めようとするが・・・・
その時亜樹から通信が入った。
早瀬亜樹『ベルタリア曹長、吉野大尉の命令に従い撤退を・・・・』
ラウラ「しかし・・・・」
早瀬亜樹『このままでは足手まといになるだけです。ここは火星の英雄で知られる吉野大尉に任せて撤退を!』
ラウラ「足手まとい・・・・・」
大樹を助けるべく戦場に残りたいラウラの心をうち壊すかのように・・・
亜樹から足手まといになるから戦場から退避するように言われた。
軍人としてのプライドが強かったラウラは足手まといと言う言葉が物凄く痛かった。
ゼントラーディ軍や海兵隊ではエースとして活躍してた事もあり足手まといは辛く痛い言葉
腹が立ち声を出そうかと思った程、屈辱的な言葉だった。
しかし
今の自分の様子を見たら誰もがそう言わざる状況でしかなかった。
ラウラは今の自分の姿を見て惨めで足手まといと言われても仕方がない姿に・・・
思わず悔しさから涙を浮かべた・・・・・
涙を浮かべ泣きそうになったが、ある言葉が引っ掛かる・・・・
【火星の英雄】
亜樹は大樹の事を火星の英雄と言った。
一体何の意味だろうか?
意を決して亜樹に質問しようとした
ラウラ「火星の英雄って大樹の事?」
早瀬亜樹「そうよ、三年前の火星で発生したマーズウォーズ事件で活躍したエース中のエース。アンサーズ中隊副隊長が吉野大尉」
ラウラ「知らなかった・・・・いや忘れてたのかな・・・・」
ラウラは亜樹に火星の英雄について質問した。
亜樹は大樹が2018年に火星で発生した反統合ゲリラによる事件
マーズウォーズ事件で活躍したエースパイロットであると返答し・・・・
アンサーズ中隊の副隊長であると答えた。
ラウラ「マーズウォーズ事件話に聞いてたけど、まさか大樹がそんなに凄いパイロットだったとは」
それを聞いたラウラは驚きのあまりポカーンと唖然とした。
大樹がそこまで凄いパイロットだったとは・・・・
自身より戦闘経験は少ないのに数多くの武功をあげ・・・
名声を持っているのに、製造されてから数多くの戦場に出たラウラは何もない
劣等感を覚えるような感じがした・・・・・
そうこうしているうちに・・・・・
吉野大樹「ラウラ!早く基地に帰還しろ!死にたいのか!」
ラウラ「わ・・・・分かりました!」
吉野大樹「自身の姿を見ろ!戦場に出るには重傷だ!死にたくないなら早く帰還しろ!」
強い口調でラウラは大樹から早く帰還するように注意された。
余りにも大樹の強い口調に思わずラウラはビクッとし震えた。
モニター越しに出た今の大樹の表情はまるで鬼のように恐ろしく・・・
今まで数多くの戦場で戦ってきたラウラでも耐えるにきつい
大樹からの勧告に従いラウラはクラビウス基地に帰還した。
吉野大樹「本腰を入れるぞ!神楽!」
神楽賢二郎「ハッ!」
ラウラがクラビウス基地に帰還した姿を見た大樹は神楽を引き連れ・・・・
入れ替わるかのように戦場に突貫した。
行く手には2機Svー53が迫っており・・・・
ドックファイトに突入する寸前になっていた。
その時
本多義輝『こちらハウンドリーダー、各チーム右翼左翼展開完了、側面より突入する』
吉野大樹「よし、ミサイルとガンポッドで一斉攻撃開始!」
本多義輝『了解!オールウェポンズ・ファイア!』
二つの別ルートから進行していた義輝率いるハウンド小隊が到着。
大樹は到着するとミサイルとガンポッドの火器による一斉攻撃を指示。
指示に従い義輝率いるハウンド小隊はミサイルと銃弾の雨を降らした。
ミサイルと銃弾の雨は交互に重なるかのようにSvー53の編隊とレミアを襲った
「回避不能…がぁ」
「避け・・・」
精鋭揃いのゲラムの私兵が駆るSvー53と言えども呆気なく蜂の巣になった。
一つのミサイルを避けても当たり・・・
一つの銃弾の雨を避けても当たると言った地獄が彼らを襲い・・・・
それに耐えきれず宇宙の藻屑と消えた。
ただ
レミア「僚機は全滅、だがあたしは違う!」
吉野大樹「こいつは厄介な奴だな、各機は援護。こいつは俺が相手する!」
レミアとその乗機VFーXー8ファントムⅢは違った。
地獄のような銃弾とミサイルの雨を突破し・・・・
指揮官機である大樹を狙い突貫、バトロイド形態で至近距離射撃を仕掛け・・・
大樹は回避に成功するが、レミアは避けた所を予測してたかのように・・・・
ファントムⅢの頭部レーザーを大樹が避けた地点に向け照射した。
当たると見込んでいた攻撃であったが、大樹はとっさの判断で回避され・・・・
更に神楽や義輝らの僚機からの支援攻撃を喰らう・・・
レミア「チッ」
支援攻撃を喰らったレミアは一度距離を取るため後退した。
さっき殲滅した可変戦闘機部隊とは違いかなり腕のいい部隊であり・・・
深追いしすぎると返り討ちにあってしまう・・・・・
一度見極め、反撃し全滅させゲラムからの任務遂行せねば・・・・
レミアはそう考え、一度大樹達を見極めるためある程度の距離を取り・・・・
反撃の機会を伺った?
神楽賢二郎「吉野大尉!」
吉野大樹「神楽並びにハウンド小隊、直接やり合うな!こいつは他の奴らとは違うぞ!支援に徹しろ!」
本多義輝「他の奴らとは違う?強奪された機体からなのか?」
吉野大樹「違うぞ!奴のパイロットの腕前だ!神楽はハウンド小隊の指揮下に入り、俺を援護しろ!」
神楽賢二郎「了解」
レミアからの強襲を受けた大樹は神楽やハウンド小隊に支援に徹するように命じ
自身でレミアとのドックファイトに専念する事にした。
今まで数多くの戦場で戦ってきた大樹はレミアの腕前に危機感を覚えていた。
まともにやり合ったら命がいくつあっても足りないと・・・・
神楽やハウンド小隊がまともにやり合ったら確実に全滅するし・・・
全滅した後で自身がやられてしまう・・・・
判断を誤ったら・・・・・
危機感を胸に神楽やハウンド小隊らに支援を任せた大樹はレミアに向けて突撃し・・・
支援を元にした戦術と自身の腕前によるレミア撃墜を遂行しようとしていた。
レミア「あのVFー1部隊が動きがいいな、それに指揮官はかなりの戦術を持った人物と見た。連携は強敵か・・・」
一方、レミアは大樹達の見極めを完了し反撃に移ろうとしていた。
大樹達アンサーズ中隊が精鋭部隊であり・・・・
それを率いる大樹が優れた戦術を持つ有能な指揮官である事・・・・
優れた連携が出来ており、舐めたら返り討ちにあってしまう・・・
それを考えた上で、連携を断って最終的に指揮官である大樹を仕留めようと目論んだ。
レミア「見えたぞ!もらった!」
エラ「きゃあ!」
本多義輝「ハウンド2!?」
狙われたのはハウンド2ことエラのVFー1Pバルキリーだった。
エラは見た目が白髪のセミロングでどんくさい可愛らしく・・・・
性格的にも可変戦闘機パイロットらしからぬ大人しいが特徴の少女だった。
そうした性格が動きに反映されどんくさく見えレミアに狙われた。
レミアはどんくさい動きが目立つエラに狙いをつけガンポッドによる掃射を浴びせた
エラ「ひっ殺される、まだ私にはやりたい事があったのに~」
攻撃を受けたエラは泣き出してしまった。
まさか真っ先に自身が狙われるとは思ってもなかったらしく・・・
攻撃の仕方もあってか、一気に自身に死の恐怖が襲ってきた。
それに耐えきれず、エラの涙腺が崩壊し泣いてしまった
レミアは気にせずこのまま討ち取れば自身の策が成功すると確信し・・
ガンポッドを掃射を強めたが・・・・・
エラ「嫌だぁぁぁぁぁ」
レミア「ラック!?こいつ回避しやがったどころか、反撃が的確!くそっ」
エラの防衛本能が働いたのか、エラの攻撃をことごとく回避し・・・
回避しながらエラに向けてガンポッドとミサイルを発射した。
レミアは驚きながらも、回避しミサイルを迎撃したが・・・・
恐怖による防衛本能が働いたエラの攻撃の的確性が高まり・・・・
回避する事が段々と難しくなり、攻撃の強さが弱まった。
まさかここまでだとは
隙を見てエラを撃墜しようと、回避行動に専念しつつ・・・
攻撃し続けるが・・・・・
吉野大樹「ハウンドらしいハウンドに食いつた隙が命取りだな!」
レミア「チッ」
吉野大樹「徹底的にやらせてもらうぞ!」
大樹が背後を取りガンポッドでレミアに向けて銃撃を食らわせた。
多少被弾しつつなんとか回避に成功したレミアだが・・・・
神楽やハウンド小隊などの僚機による集中攻撃を受け更に被弾率が上がり小破した
なんとか集中攻撃の雨を抜ける事が出来たレミアは反撃に移ろうとしたが・・・
ゲラム『もういい作戦は失敗した撤退しろ!』
レミア「しかし、敵はまだ」
ゲラム『これ以上、の損失いやファントムⅢを失うわけにはいかん。撤退だ!』
レミア「くっ了解した」
ゲラムから撤退命令が出された。
既に目的は失敗しておりこれ以上の戦闘宙域にいる必要はない
ファントムⅢまで損失すれば得するどころか大赤字でしかなくなる
そう考えたゲラムはファントムⅢを守るべくレミアに撤退命令を出した。
レミアは不満そうにしてはいたが、渋々従い・・・・
そのままゲラムのいる母艦へ撤退していった。
アリサ「敵撤退、追撃の許可を!」
吉野大樹「やめておけ、いくら手負いだとしても返り討ちに遭うぞ」
アリサ「しかし・・・・・」
吉野大樹「任務完了だ、撤退するぞ。」
ハウンド小隊隊員アリサが撤退するレミアに対し追撃許可を求めたが・・・
大樹は追撃を許可せず、アルタミラが寄港しているクラビウス基地に帰還命令を出した。
撤退と同時にクラビウス基地から出撃した救援艇団の光が見えたが・・・・
大樹は目もくれず、そのまま部下達と共に基地へ急いだ。