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調布の軽飛行機パイパーの墜落事故原因は整備不良 不点火シリンダーがエンジンブレーキになったか

2015年08月28日 09時20分40秒 | トラブル
 調布の墜落事故については生き残った人の証言が得られるにも拘らず、原因がいまだに報道されていない。現在、エンジンを製造した米ライカミング社にエンジンを送り協力して調査中だがフライトレコーダーも無く、長期化する見通しらしい。



 私が注目したのは事故直後、テレビ朝日のインタビューにこたえた中学生の証言。「いつもよりエンジンが大きく、不思議な音がした」「持ち直したと思ったが爆発音がした後、高度を下げ墜落した」。特に爆発音、不思議な音。

 いつもより大きな音とは目一杯スロットルを開かせている事を示す。「爆発音」がしたのは未点火でガソリンが排気管に排出され、そこで自然発火(爆発)したためだ。昔の車は良く有った。更に「不思議な音」となると、可能性が高いのが6つのシリンダーのうちどれかが不点火のケース。これ以外のケースが思いつかない。

 不点火のシリンダーは爆発すべきところを爆発しないから、空気とガソリンを吸い込んで排気するだけの単なるブレーキになり、普段は有り得ないような音が出る。いわゆるエンジンブレーキだね。回転数を上げると(上がりにくいが)音も振動もひどくなる。これは簡単に実験できる。ガソリンエンジンの一つのシリンダーだけ、プラグに繋ぐケーブルを外したらよい。



 恐らくバタバタなどの音が混じり、回転数を上げると比例してブレーキ力が強まり、他のシリンダーの負担になる。振動が増え、不安定となり、異様な音になる。通常のエンジンでは聞く事が出来ない周波数が混じる。この異常な音は中学生だけでなく、他の人も証言している。

 不点火のシリンダーは1個。1気筒がアウトで気筒数が5気筒になっており、実質は4.5気筒ぐらいになるから出力は75%程度に落ちる。もし2個なら実質3気筒ぐらいと半減するので、この場合の離陸は不可能。

 経営が苦しかったようだから、どのような整備状況だったか気になるところだが、一番可能性が有るのは①プラグケーブルが抜けていた、②スタート後の振動などで抜けた、或いは③ケーブルの断線やショート。

 流石に日本国内だからプラグが入っていなかったなどは考えられない。プラグの不良は有るかもしれないが、定期的に交換していれば考えにくい。昔はカーボンなどが点火部周りに付着し、ワイヤーブラシでこすったり洗浄した。しかし、不点火までは劣化しない。



 全体に影響する原因として、電圧不足はエンジンが回れば解消する。点火タイミング不良がひどい場合は最初から離陸が難しい(少しであれば問題ない)。しかし、特定のシリンダー不点火に繋がるケースは見当たらない。

 事故機は6気筒のしょぼいエンジン(400万円未満?で全体価格1.4億円の2.9%)だが、負荷が空気だから条件が変わっても回転を妨げるほどのものではなく、軽々と規定回転数まで上がる。報道されているような過積載、気温の高さは殆ど問題にならない。ただ、今回指摘したようなブレーキシリンダーが発生すれば話は別だ。

 様々なトラブルの中で、実は比率が高いのは人為的なミスである。考えられないようなミスが事故を招く。出発直後のエンジントラブル(99%)だから、整備不良である事の疑いの余地が無い。

●パイパー・エアクラフト(Piper Aircraft, Inc.):アメリカの軽飛行機メーカー
調布に墜落したパイパーはPA-46(Piper PA-46)-350P
マリブー・ミラージュ(Malibu Mirage)

全長:8.81 m
全幅:13.11 m
全高:3.44 m
翼面積:16.26 m2
全備空虚重量:1,416 kg
最大離陸重量:1,968 kg
エンジン:テキストロン・ライカミング TIO-540-AE2A 水平6気筒ピストンエンジン(350hp) × 1
最大水平速度:407 km/h
証明認定高度:7,620 m
航続距離:1,953 km(最大燃料時)
乗客:最大5名
乗員:1名
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