日本のメディアは自らの偏向を自ら暴露したという事ではないか。
2017年8月2日、香港紙「明報」が伝えたが、中国IT大手テンセントのSNS「QQ」上で利用者と交流するAI(人工知能)キャラクター「ベビーQ」が、ユーザーからの質問に興味深い内容の回答をしたのである。その内容は中国共産党に対する批判であったため、中国政府はもちろん中国国内で大きな問題話題となり、同社は急きょサービスを停止したという。
さてその内容がなんと、「ベビーQ」にユーザーが、「共産党万歳」という質問を書き込むと、「ベビーQ」の回答が「こんな腐敗して無能な政治のために万歳できるのか」であり、また、習近平国家主席が政治スローガンとしている「中国の夢」について、「あなたの『中国の夢』は何?」と質問すると、「わたしの『中国の夢』は米国へ移民する事」と回答したのであった。ほかにも「中国を愛しているか」という質問に対しては、「愛していない」と回答したというのである。
私はこのニュースを最初に日本のテレビ放送で知ったのであるが、日本のメディアが報道した上記の内容自体については、非常に興味深く思ったのであるが、それだけでに終わらず、それと同時に思った事が、日本のテレビ放送(アナウンサーたち)を含むメディアが、なぜ「安倍政権万歳」という質問をしたらどんな回答をするだろう、という事に思考を働かせ、そのような意味の一言を発したり付け加える事ができないのだろうかという事であった。安倍政権に対する自らの客観的な判断能力が欠けているのか、安倍政権の圧力により客観的な判断をする事ができなくなっているのか。いずれにしてもメディアの使命を果たせていない。
残念ながら、日本のメディアは、現在それほどまでに偏向している、という事を期せずして自ら暴露したという事になるだろう。皮肉を言えば、メディア・リテラシーが欠けた偏狭な思考に基づいた判断をし報道しているという事でもあるだろう。メディアはあらゆる事に対して偏見先入観をもって判断理解しない事、真実を明らかにし報道する事を使命としなければならない。
(2017年8月10日投稿)