昭和の全日本プロレス

全日の旗揚げからG馬場三回忌追悼興行までの記録です。当ブログの記事や画像を、ブログ等にそのまま転載する行為は禁止します。

「プロレス・夢のオールスター戦」開催まで

2012年09月15日 20時00分08秒 | '79全日本プロレス
5月21日東京スポーツ新聞社は、「東京スポーツ新聞社創立二十周年記念事業」として、日本のプロレス3団体が同じリングで激突する「プロレス・夢のオールスター戦」(仮称)を企画、正式に3団体へ出場を要請。3団体共に趣旨に賛同し、前向きに検討する事を約束した。
東京スポーツ本山良太郎社長のコメント
「3団体に要請したばかりで、これから先の事は3団体の回答次第。しかし、これをやろうとする東スポの熱意、努力は、プロレスファンのみなさんにわかっていただきたい。すんなり実現するとは思わないが、東京スポーツとしては実現に全力をあげて取り組んでいきたい。」

プロレス夢のオールスター戦発表記者会見
6月14日午後0時20分から東京プリンスホテル「雪の間」で、全日本プロレス・馬場社長、新日本プロレス・猪木社長、国際プロレス・吉原社長と東京スポーツの本山良太郎社長、高橋典義編集総長の話し合いが行われた。しかし馬場代表の会場到着が予定より遅れた為(馬場代表が山形から乗った飛行機が悪天候により約50分遅れた為)、すぐに記者会見の予定時間となり、結論が出ないまま記者会見へ。
午後0時43分から東京プリンスホテル「紅梅の間」で、「プロレス夢のオールスター戦発表会」が行われ、高橋典義編集総長より「別室の会談で8月26日に三団体が一緒のリングに上がるという点で合意に達しましたが、カードの点はまだ結論が出ませんでした。」と報告があり質疑応答へ。メインの対戦カードについては、馬場ー猪木戦、馬場、猪木組が候補として上がったものの全日と新日の過去のいきさつによる溝が深く意見がかみ合わずに記者会見終了。
会見後、「雪の間」に戻り話し合いがもたれたが、馬場は後楽園大会と試合後のデストロイヤーさよならパーティー、猪木はパキスタン遠征の準備があり、再び深夜に会談を行うという事で、10分程度で話し合いを終え一旦解散。
馬場のコメント
「5、6年前のわだかまりを解消するためには、もっとひざを突き合わせての話し合いが必要。いろいろあったから。」
猪木のコメント
「諸問題を解決すべく努力したい。話し合いに入れるところまで解決できれば、あとは代理人でも用は済むのだから、とにかく今夜だ。」

6月15日午前1時頃から3時過ぎまで東京プリンスホテルの一室で昼間と同じく馬場・猪木・吉原・本山の4者会談が行われたが、昼間の話し合い同様に過去のいきさつをめぐって平行線をたどり結論が出ず、馬場代表は東京スポーツの本山社長に一任して話し合いを終えた。
午前8時過ぎ、成田空港で記者に囲まれた猪木代表は、今後の話し合いを二階堂コミッショナーに一任すると発表。

7月4日午後、東京・千代田区永田町の衆議院議員会館内で、二階堂コミッショナーと東京スポーツの本山社長、高橋編集総長の会談が行われ、二階堂氏が「二人(馬場・猪木)がいがみ合っていては日本プロレス界の発展の為にならず、日本プロレス界の発展の為にも二人のタッグを見せて欲しい。」という発言を受けて、本山社長がタッグ実現に向けて努力する事を約束した。
すぐさま両団体へ経過を報告し、馬場・猪木ともにこの案を了承。正式にメインでの馬場・猪木組のタッグマッチが決定した。
対戦相手チームについては、ハガキによるファン投票(第1~第3希望チームを書いて投票)で決定する事も発表された。
馬場のコメント
「東スポの本山代表にゲタを預けた以上、その結論には従う。これから相手の事やいろいろ問題もあるが、細かい事はゆっくり話し合いたいね。」
猪木のコメント
「私と馬場さんが組めば、いろんな意味で世間は注目するだろう。プロレスを世間に再認識してもらう絶好のチャンス。相手チームが誰になるか楽しみだが、私は馬場さんと最高のタッグファイトをお見せすることを約束します。」

7月17日東京スポーツは、7月14日到着分までのファン投票の集計を行い、結果を両団体に伝え了承を得て、馬場・猪木組の対戦チームをアブドーラ・ザ・ブッチャー、タイガー・ジェット・シン組とする事を発表した。
馬場のコメント
「ファンの望むものがベストだとはわかっているが、私としてはファンクスとやりたかったな。しかし決まった以上は、猪木と力を合わせて全力で戦う。」
猪木のコメント
「ファン投票の結果は、ファンがそれを望んだ事であり喜んで戦う。しかしブッチャーとシンとは大変なチームだ。これからじっくり馬場さんと話し合う。」
ブッチャーのコメント
「シンとはデトロイトで一度タッグを組んだ事がある。暴れる事では最高のパートナーといえるな。相手の猪木とは8年前に一度やった事がある記憶が…」
シンのコメント
「ついさっき新日のフロントから連絡が入り、ブッチャーとのタッグで猪木・馬場と戦う事を聞いた。OKだ。奴とは一度タッグを組んだ事がある。ブッチャーと大暴れをやってやるぜ。」

ファン投票結果(応募総数68448通、無効316通)
1、アブドーラ・ザ・ブッチャー、タイガー・ジェット・シン組 41193票
2、ドリー・ファンク・ジュニア、テリー・ファンク組 40876票
3、ジャンボ鶴田、藤波辰巳組 34405票
4、アブドーラ・ザ・ブッチャー、アンドレ・ザ・ジャイアント組 12145票
5、ハーリー・レイス、ボブ・バックランド組 11971票

6、アブドーラ・ザ・ブッチャー、ザ・シーク組 9681票
7、ハーリー・レイス、ニック・ボックウインクル組 8637票
8、ジャンボ鶴田、坂口征二組 7214票
9、アンドレ・ザ・ジャイアント、ボブ・バックランド組 6885票
10、ビル・ロビンソン、バーン・ガニア組 5612票

11、ドリー・ファンク・ジュニア、アンドレ・ザ・ジャイアント組 4993票
12、ビル・ロビンソン、ミル・マスカラス組 3466票
13、ジャンボ鶴田、ミル・マスカラス組 3008票
14、ニック・ボックウインクル、ボブ・バックランド組 2865票
15、ハーリー・レイス、ジャック・ブリスコ組 2710票

16、坂口征二、ラッシャー木村組 2609票
17、タイガー・ジェット・シン、上田馬之助組 2487票
18、アンドレ・ザ・ジャイアント、ダスティ・ローデス組 2116票
19、坂口征二、藤波辰巳組 1879票
20、アンドレ・ザ・ジャイアント、ザ・シーク組 1433票

21、ハーリー・レイス、アンドレ・ザ・ジャイアント組 1284票
22、ハーリー・レイス、ドリー・ファンク・ジュニア組 1276票
23、ビル・ロビンソン、ボブ・バックランド組 1194票
24、ボブ・バックランド、ダスティ・ローデス組 1047票
25、ドリー・ファンク・ジュニア、ビル・ロビンソン組 1045票

26、ディック・マードック、ダスティ・ローデス組 985票
27、アンドレ・ザ・ジャイアント、ミル・マスカラス組 910票
28、タイガー・ジェット・シン、ザ・シーク組 883票
29、ミル・マスカラス、ボブ・バックランド組 816票
30、大木金太郎、キム・ドク組 565票

7月25日午前10時から東京・銀座の東急ホテル「真砂の間」で馬場、猪木、吉原の会談が行われ、会談後の記者会見で以下の通り発表された。
・メインの馬場・猪木対ブッチャー・シンの試合は時間無制限1本勝負で行う。
・第2弾のカードとして鶴田・マスカラス・藤波組対斎藤・高千穂・戸口組、木村対小林、坂口対羽田の3試合が決定。
・審判委員長に吉原功国際代表を任命。
鶴田のコメント
「藤波君とは一度組んでやってみたいと思ってた。マスカラスが入るので面白いチームになりそう。アマレスの先輩である斎藤さんにどんとぶつかってみたい。」
戸口のコメント
「鶴田と組んだばかりで、また別れるのは心残りだが、リングに上がればそんな事は忘れる。徹底的に痛めつけてやりますよ。マスカラス・藤波を狙い撃ちにする。」
藤波のコメント
「マスカラスと勝負したかったが、鶴田さんとのチームも一度実現してみたかった。相手は凄い人ばかりだから、思い切りやるだけですよ。」
斎藤のコメント
「戸口と組むんですか。まぁ高千穂とはフロリダでタイトルを取ったし、何とかなるんじゃないですか。鶴田とガンとやってみたいですね。」
木村のコメント
「小林さんが(国際を)出て行った後は、小林さんの試合を見ていないし関心も無かった。しかし決まった以上は、必ず勝つように頑張る。」
小林のコメント
「昔を思い出したらいろいろある。プロとして無心に戦うだけだ。この舞台にふさわしいファイトをしたい。」
坂口のコメント
「羽田のファイトは日プロ時代に見ているが、成長したらしいから思いっきり来いと羽田に言ってやってください。」
羽田のコメント
「坂口さんとやるとは思ってもみなかった。とにかく力一杯ぶつかります。」

8月1日「プロレス・夢のオールスター戦」実行委員会よりオールスター戦の全カードが発表された。

8月5日「プロレス・夢のオールスター戦」のレフリーが決定し、吉原功審判委員長から発表された。
レフリーは各団体のメインレフリーであるジョー樋口(全日本)、ミスター高橋(新日本)、遠藤光男(国際)の3名が交互に務める。
ジョー樋口のコメント
「決まったルールにのっとり公平なレフリングをやる。妥協は許さんつもりだ。」
ミスター高橋のコメント
「最高のカードを裁く係にあずかり光栄に思ってる。権威あるレフリングをやる。」
遠藤光男のコメント
「一身を賭けても厳格な姿勢で臨む。」
またリングアナとタイムキーパーは原軍治(全日本)と倍賞鉄夫(新日本)が務め、リングは新日本プロレス所有のリングを使用する事が決定した。


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