今日も損切り!徒然なる列車

損切続きの人生ですが、そんな事は忘れて鉄道旅や鉄道模型とかの話、日常生活での発見や思い浮かんだ話とか書いてみます。

31年前の北海道旅行17

2008-07-29 21:46:36 | 鉄道旅行
1705、再び列車は根室標津へ向けて発車。まわりはやや低い林に変わり、こんもりした丘陵地帯には放牧場が広がっている。川北を過ぎ次は根室標津というところで、隣のBOXにいた四人組の女の子が通りかかった車掌に運転室に入れてもらってはしゃいでいる。運転手も一緒になってふざけているのか、制限速度を超えているのではないかと思われるくらいのえらいスピードでとばしている。ローカル線だからできるのだろうが、ちょっとやりすぎではないか。
   
 根室標津1734着。かなりの客が改札に殺到。若い観光客が多い。私はゆっくり最後から出て待合ベンチへ。入場券を買い、スタンプを押し、YHハンドブックを片手にリュックを背負い駅を出ると、「今日、泊まるとこ決めた?」と言い寄ってくる男がいる。「うん」と私が返事すると、「ユース?標津町YH?ハガキ?」と聞いてくる。私は、声をかけてきた最初の言葉からして、こいつはてっきり旅館か民宿の客引きだと思い、この男の言うことを振り切っていこうとすると、横のほうで、「標津YHへ行くなら荷物を積んでやる」と言うオッサンの声がして、見るとYHの車の横にそのオッサンがいる。この様子を見てさっきの男が、「信用しなくちゃ」と言ってゲラゲラ笑う。どうやらこの男はYHのアルバイトらしい。それなら始めからそう言ってくれ。とりあえずリュックをオッサンの車に載せてもらい、道を教えてもらって、カメラを肩から提げるだけの軽い装備でYHへ向かった。
 空はどんよりと雲が低く垂れこめ、静まりかえった町は、どこか最果てを感じさせる。薄手のセーターとジャンパーを着込んでいてもまだ涼しい。YHまでは結構距離がある。YHに向かう一本道を歩いていると、前の方に数人の女の子と一人の男の姿が見える。女の方はさっき運転室に入れてもらってはしゃいでいたヤツらだ。私はてっきりこの連中もYHへ行くものと思い、後方を歩いて行けば目指すYHにたどりつけると思い込んでいた。しばらくして彼らは道を右にそれた。私は、そのあたりがYHかなと期待してその場に着くと、なんと旅館であった。仕方なく、さらに一本道を進む。前方で少々道がカーブしていることもあって誰も人の歩く姿が見えない。YHも見当たらない。次第にさっき駅前でリュックを渡した車が気になりだす。さっきから気をつけて見ているのだが一向に通らないのである。リュックを盗まれたのではとか、車が先にYHに着かないとリュックに入れた会員証が出せないなどと不安な気持ちで歩く。さっきは道がカーブして見えなかったが、そのカーブを中程まで進むとYHの看板が目に入ってきた。やっと着いたと思い、その看板付近まで来てため息。YHはさらに左前方の高台にあり、直線ではなく、回り道をして上らねばならない。
 入り口の受付には、私の乗ってきた列車で来たと思われる人々で混雑している。リュックが入り口の床の上に置いてあるのを見つけてホッとしたが、それにしてもここにいる人々やリュックを運んだ車はいったいどこから来たのだろう。私は最後に受付で金を払い、部屋を教えてもらった。