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東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

日本数学オリンピックの簡単な問題(16)

2016-06-17 12:45:57 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

天気予報が外れて、青空に小さい雲の塊がぽつぽつ見られるような夏空になりました。東久留米は、気温30℃、湿度82%と蒸し暑く、この週末も同じような天気が続くようです。水分補給を十分にして熱中症に気をつけましょう。

さて、今回は2009年日本数学オリンピック予選に出題された整数問題を取り上げます。

問題は、
「次の2つの式をみたす正の整数の組(a,b,c)をすべて求めよ。ただし、3つの数の並ぶ順番が異なる組は区別する。
  ab+c=13
  a+bc=23  」
です。

早速、取り掛かりましょう。

整数問題を解くテクニックの一つに、未知数を含む式を因数分解して、それらの因数が整数の約数であることを利用する方法がありますが、ここでは、これが使えそうです。

まず、
ab+c=13                  (1)
a+bc=23                  (2)
とします。

(1)の左辺も(2)の左辺も因数分解できないので、(1)と(2)の辺々の和と差を作ってみましょう。

和は、
ab+c+a+bc=36
で、左辺を整理すると、
a(b+1)+c(b+1)=(a+c)(b+1)
と上手く因数分解できました。

したがって、
(a+c)(b+1)=36            (3)
です。

差は、
a+bc-ab-c=10
で、左辺を整理すると、
a(1-b)-c(1-b)=(a-c)(1-b)
と、これも上手く因数分解できました。

したがって、
(a-c)(1-b)=10            (4)
です。

ここまでくればあとは簡単で、(3)と(4)の右辺の36と10の約数を調べればお仕舞いです。36と10では後者のほうが約数が少ないので、ここでは(4)から手をつけましょう。

10の約数は、±1、±2、±5、±10なので、(4)から
a-c=±1, 1-b=±10
a-c=±2, 1-b=±5
a-c=±5, 1-b=±2
a-c=±10,1-b=±1
(複号同順)
です。

ここで、bは正の整数なので、
a-c=-1, b=11             (5)
a-c=-2, b=6         
a-c=-5, b=3              (6)
a-c=-10,b=2              (7)
です。

そこで、これらのbの値を(3)に代入して、
(a+c)(11+1)=36⇒a+c=3     (8)
(a+c)(6+1)=36 ⇒a+c=36/7   (9)
(a+c)(3+1)=36 ⇒a+c=9     (10)
(a+c)(2+1)=36 ⇒a+c=12    (11)
です。ここで、aとcは正の整数なので、(9)は不適です。

そこで、(5)と(8)、(6)と(10)、(7)と(11)を組み合わせてa、cを計算すると、
(5)と(8)から、 a=1、c=2
(6)と(10)から、a=2、c=7
(7)と(11)から、a=1、c=11
で、a、b、cの組合せ(a,b,c)は、(1,11,2)、(2,3,7)、(1,2,11)で、これが答えです。


他にもいろいろな解き方がありそうです。興味のある人は調べてみてください。

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