東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

容積問題[筑波大附属駒場中]

2018-02-17 11:13:21 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、2018年筑波大附属駒場中入試に出題された容積問題を取り上げます。

問題は、
「幅80cm、奥行き10cm、高さ55cmの直方体の水槽が水平に置かれています。この水槽は、図1のように、底面に垂直な2つの仕切りによって、3つの区画に分けられています。仕切りの高さはそれぞれ50cmで、区画の幅は左の区画が30cm、中央の区画が20cm、右の区画が30cmです。なお、それぞれの区画の底面は長方形です。
 
 左の区画の上に蛇口Aがあり、蛇口Aから水槽に入る水の量は、毎分1.6Lです。また、右の区画の上に蛇口Bがあり、蛇口Bから1分あたりに水槽に入る水の量は、5分ごとに変化します。図2のグラフは、水を入れ始めてからの時間と、蛇口Bから1分あたりに入る水の量の関係を表しています。
 
 水槽と仕切りの暑さは考えないものとして、次の問いに答えなさい。

(1) 水槽が空の状態から蛇口Aだけを使って水を入れます。水を入れ始めてから20分後のそれぞれの区画の水の高さは何cmですか。

(2)水槽が空の状態から蛇口A、蛇口Bの両方を使って水を入れます。2つの蛇口から同時に水を入れ始めるとき、
  (ア) 左の区画と右の区画の水の高さが 初めて同じになる のは、水を入れ始めてから何分後ですか。
  (イ) 水を入れ始めてから10分後、中央の区画の水の高さは何cmですか。
  (ウ) 水槽から水があふれ始めるのは、水を入れ始めてから何分後ですか。」




です。

早速(1)から取り掛かりましょう。

蛇口Aから毎分1.6Lの水が水槽に入るので、20分間では、
1.6×20=32(L)=32000(cm3)
の水が水槽に入ります。

この水は、まず左の区画を満たし、その後、溢れた水が、中央の区画、さらに右の区画を満たしていきます。

ここで、
(左の区画の容積) =30×10×50=15000(cm3)=15(L)
(中央の区画の容積)=20×10×50=10000(cm3)=10(L)
(右の区画の容積) =30×10×50=15000(cm3)=15(L)
なので、32L の水は、左の区画に15L、中央の区画に10L、右の区画に7L 配分されます。

したがって、左の区画の水の高さは 50cm、中央の区画の水の高さは 50cm、右の区画の水の高さは 7000/(30×10)=70/3cm でこれが答えです。

続いて(2)の(ア)です。

それぞれの区画に入る水の量をを調べると、
 5分後 : 左の区画 1.6× 5= 8(L)/ 右の区画 2×5 =10(L)
10分後 :      1.6×10=16(L)/      2×10=20(L)
で、10分後には右の区画の水はあふれていて、それまで左に区画の水の高さは右の区画の水の高さより低い状態が続きます。

つまり、2つの区画の水の高さが同じになるのは、左の区画の水の高さが50cmになるときで、そのときの水の量は15Lです。

したがって、毎分1.6Lで15Lにする時間 15÷1.6=150/16=75/8(分)から、75/8分後 が答えです。

(イ)です。

10分間に水槽に入る水の量は、蛇口Aから 1.6×10=16(L)、蛇口Bから 2×5+1.5×5=17.5(L)です。

つまり、左側の区画から中央の区画に 16-15=1(L)の水があふれ出し、右側の区画から中央の区画に 17.5-15=2.5(L)の水があふれ出すことになり、中央の区画には合わせて1+2.5=3.5(L)の水が入ります。

ここで、中央の区画の底面積は、20×10=200(cm2)なので、3.5(L)が中央の区画に入ったときの水の高さは、3500÷200=35/2(cm)で、これが答えです。

最後の(ウ)です。

水槽の容積は、80×10×55=44000(cm3)=44(L)です。

ここで、水槽に入った水の量を5分ごとに調べていくと、
 5分後 : (1.6+2)×5     =18  (L)
10分後 : 18+(1.6+1.5)×5=33.5(L)
15分後 : 33.5+(1.6+1)×5=46.5(L)
で、10分以降15分以前に水槽から水があふれれ出すことが判ります。

そして10分後の水槽の水の量は33.5Lであることから、この時点で 44-33.5=10.5(L)の余裕があります。

この10.5Lの余裕に毎分(1.6+1)=2.6(L)の水を入れていくと、10.5÷2.6=105/26(分)でそれは一杯になります。

したがって、水槽から水があふれ始めるのは 10+105/26=365/26(分)から、365/26分後 が答えです。


簡単な問題です。

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