goo blog サービス終了のお知らせ 

東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

日本数学オリンピックの簡単な問題(101-1)

2016-11-29 13:31:51 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

時折、強めの北風が吹きますが、それほど冷たくはなく、晴れて過ごしやすい日になりました。明日も同じような天気で、明後日は高気圧と入れ替わりに前線を伴った低気圧が近づいてくるので、雨模様になるようです。

さて、今回は2015年数学オリンピック予選に出題された数の問題を取り上げます。

問題は、
「正の整数a、b、cが次の4つの条件をみたすとする:
●a、b、cの最大公約数は1である。
●a、b+cの最大公約数は1より大きい。
●b、c+aの最大公約数は1より大きい。
●c、a+bの最大公約数は1より大きい。
このとき、a+b+cのとりうる最小の値を求めよ。」
です。

早速、取り掛かりましょう。

4つの条件は、
(1)a、b、cの最大公約数は1である。   →a、b、cのいずれか1組以上が互いに素
(2)a、b+cの最大公約数は1より大きい。 →a、b+cの最大公約数をG1とすると、a+b+cはG1の倍数(G1≧2)
(3)b、c+aの最大公約数は1より大きい。 →b、c+aの最大公約数をG2とすると、a+b+cはG2の倍数(G2≧2)
(4)c、a+bの最大公約数は1より大きい。 →c、a+bの最大公約数をG3とすると、a+b+cはG3の倍数(G3≧2)
と言い換えることができます。

ここで、G1、G2の最大公約数g(≧2)が存在したとすると、
(2)から、
a=kG1=k’g       [1]
b+c=lG1=l’g     [2]
で、(3)から、
b=mG2=m’g       [3]
になります。ここで、k、k’、l、l’、m、m’は正の整数です。

このとき、[1]と[3]から、gはaとbを割り切り、さらにgがbを割り切ることと[2]から、gはcを割り切ることになり、これは(1)に反します。

したがって、G1とG2は互いに素になります。

これはG2とG3、G3とG1についても同様で、G1、G2、G3は互いに素になります。

すると、(2)(3)(4)から、a+b+cはG1×G2×G3の倍数になり、
a+b+c≧G1×G2×G3≧2×3×5=30
が成り立ちます。

一方、a=2、b=3、c=25 の組合せは、(1)(2)(3)(4)をみたすので、a+b+cのとりうる最小の値は30になります。


簡単な問題です。

最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
質問です。 (通りすがり)
2020-10-02 13:34:25
「a、b、cのいずれか1組以上が互いに素ではなくなり、(1)に反します。」
とありますが、
「(1)a,b,cの最大公約数は1である」ことは、
例えば、(a,b,c)=(2,3,4)はOKではないでしょうか。とすれば、上記の記述は(1)に反していないと思うのですが、いかがでしょうか。 
a,b,cのどの2つも互いに素である、あるいは、対ごとに素である、とは別ものですよね?
返信する
誤答でした (東久留米の学習塾塾長)
2020-10-02 14:37:59
通りすがり様

ご指摘の通り、間違えていました。早急に訂正して再度upさせて頂きます。

ありがとうございました。
返信する
ありがとうございます (通りすがり)
2020-10-02 14:56:06
良かったです。
私はまだ解けておりません。
是非、ご教授ください。
返信する

コメントを投稿