東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

高校入試問題H31(1)〔開成高〕

2019-02-15 14:26:33 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、平成31年度開成高入試問題を取り上げます。

問題は、
「正二十面体のサイコロがあり、各面には1から20までの数がいずれか一つずつ書かれていて、1の書かれた面、2の書かれた面、・・・、20の書かれた面はすべて1面ずつあるとする。また、このサイコロを投げたとき、どの面が出ることも同様に確からしいものとする。

(1) このサイコロを2回投げて、出た面に書かれた数の和が6の倍数となる確率を求め、結果のみを答えよ。

(2) このサイコロを3回投げて、出た面に書かれた数を5で割った余りを順にa、b、cとする。ただし、5で割り切れるとき、余りは0とする。
  (ⅰ) 3数の積abcが0となる確率を求めよ。
  (ⅱ) abc/6 が整数となる確率を求めよ。」
です。

1回目に投げたサイコロの目の数をm、2回目の目の数をnとすると、
2≦m+n≦40
が成り立ち、これを満たすm+nで6の倍数になるのは、
m+n=6,12,18,24,30,36
の場合になります。

そこで、これらのそれぞれの場合について調べていきましょう。

● m+n=6 の場合
これを満たすm、nの組合せ(m,n)は、
(1,5)、(2,4)、(3,3)の並び替えで、5通りです。〔(3,3)の並び替えは(3,3)なので1通りになります〕

● m+n=12 の場合
これを満たすm、nの組合せ(m,n)は、
(1,11)、(2,10)、・・・、(5,7)、(6,6)の並び替えで、11通りです。

● m+n=18 の場合
これを満たすm、nの組合せ(m,n)は、
(1,17)、(2,16)、・・・、(8,10)、(9,9)の並び替えで、17通りです。

● m+n=24 の場合
これを満たすm、nの組合せ(m,n)は、
(4,20)、(5,19)、・・・、(11,13)、(12,12)の並び替えで、17通りです。

● m+n=30 の場合
これを満たすm、nの組合せ(m,n)は、
(10,20)、(11,19)、・・・、(14,16)、(15,15)の並び替えで、11通りです。

● m+n=36 の場合
これを満たすm、nの組合せ(m,n)は、
(16,20)、(17,19)、(18,18)の並び替えで、5通りです。

したがって、m+nが6の倍数になる場合の数は 5+11+17+17+11+5=66(通り)で、すべての場合の数は20×20=400(通り)なので、その確率は 66/400= 33/200 で、これが(1)の答えです。

次に(2)です。

3数の積abcが0になる事象は、3数の積abcが0にならない事象の余事象なので、ここは3数の積が0にならない確率を計算して、それを1から減じることにしましょう。

まず、1、2、3回目に投げたサイコロの目をそれぞれA、B、Cとすると、abc≠0となるのは、A、B、Cのいずれも5の倍数(5、10、15、20)にならない場合です。

ここで、abc≠0になる場合の数は、(20-4)×(20-4)×(20-4)=16×16×16(通り)で、すべての場合の数は20×20×20(通り)なので、その確率は 16×16×16/20×20×20=4×4×4/5×5×5=64/125です。

したがって、abc=0になる確率は 1-64/125= 61/125 で、これが(ⅰ)の答えです。

最後の(ⅱ)です。

0≦a,b,c≦4 から、0≦abc≦64 が成り立ち、この範囲で abc/6 が整数になるのは、
abc=0,6,12,18,24,30,36,42,48,54,60
の場合です。

ところが、0≦a,b,c≦4に対して、30=2×3×、42=2×3×、54=2×3×、60=3×4× であることから、これらの数はa、b、cの積になりません。

したがって、abc/6 が整数になるのは、
abc=0,6,12,18,24,36,48
の場合になります。

そこで、これらのそれぞれの場合について調べていきましょう。

● abc=0 の場合
(ⅰ)の答えで、その確率は61/125です。

● abc=6 の場合
これを満たすa、b、cの組合せ(a,b,c)は、
(1,2,3)の並べ替えで、このときa=1、b=2、c=3になるA、B、Cはいずれも4通りなので、この場合の数は 4×4×4×6=64×6(通り)です。

● abc=12 の場合
これを満たすa、b、cの組合せ(a,b,c)は、
(1,3,4)と(2,2,3)の並べ替えで、このときa=1、b=3、c=4、または、a=2、b=2、c=3になるA、B、Cはいずれも4通りなので、それぞれ場合の数は 4×4×4×6=64×6(通り)と4×4×4×3=64×3(通り)になり、これらを合わせた場合の数は 64×9(通り)です。

● abc=18 の場合
これを満たすa、b、cの組合せ(a,b,c)は、
(2,3,3)の並べ替えで、このときa=2、b=3、c=3になるA、B、Cはいずれも4通りなので、この場合の数は 4×4×4×3=64×3(通り)です。

● abc=24 の場合
これを満たすa、b、cの組合せ(a,b,c)は、
(2,3,4)の並べ替えで、このときa=2、b=3、c=4になるA、B、Cはいずれも4通りなので、この場合の数は 4×4×4×6=64×6(通り)です。

● abc=36 の場合
これを満たすa、b、cの組合せ(a,b,c)は、
(3,3,4)の並べ替えで、このときa=3、b=3、c=4になるA、B、Cはいずれも4通りなので、この場合の数は 4×4×4×3=64×3(通り)です。

● abc=48 の場合
これを満たすa、b、cの組合せ(a,b,c)は、
(3,4,4)の並べ替えで、このときa=3、b=4、c=4になるA、B、Cはいずれも4通りなので、この場合の数は 4×4×4×3=64×3(通り)です。

これらをまとめると、abc=6、12、18、24、36、48 になる場合の数の合計は 64×(6+9+3+6+3+3)=64×30(通り)で、すべての場合の数は20×20×20なので、その確率は 64×30/20×20×20=30/125 です。

したがって、abc/6 が整数になる確率は、(abc=0の確率)+(abc=6,12,・・・,48の確率)=61/125+30/125= 91/125 で、これが(ⅱ)の答えです。


簡単な問題です。

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