こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
今日は十五夜で、近所のスーパーマーケットで、すすきを買っているお客さんがいました。今は空一面雲ですが、夜には少し雲が切れて、月が顔を出すといいですね。秋晴れはまだ先のようです。
さて、今回は2001年日本数学オリンピック予選に出題された図形問題を取り上げます。
問題は、
「縦の長さが8、横の長さが7の長方形の中に、5つの合同な正方形が下図のように詰めこまれている。正方形の一辺の長さを求めよ。」
です。
▲問題図
長方形の縦と横の長さが与えられているので、2つの変数を使ってそれらの長さを表すことができれば、2元連立方程式を解くことで答えにたどり着けそうです。
そこで正方形の一辺を斜辺とする直角三角形を、長方形の縦と横方向に並べることにしましょう。
まず、図1のようなx、y軸に対して傾いた正方形ABCDを考えます。
▲図1.傾いた正方形ABCDを考えます
ここで、正方形の頂点AとCからy軸に平行な直線と、頂点BとDからx軸に平行な直線を引き、それらの交点をE、F、G、Hとすると、
∠AFB=∠BGC=∠CHD=∠DEA=90°
です。
次に、CHの延長と辺ADとの交点を I とすると、BC//ADで平行線の錯角は等しいので、
∠BCG=∠DIC
です。
さらに、AF//ICで平行線の同位角は等しいので、
∠DIC=∠DAE
です。
一方、∠DAB=∠BCD=90°なので、
∠BAF=90°-∠DAE(●)
∠DCH=90°-∠BCG(●)
です。
さらに、△ABFと△CDGの内角の和から
∠ABF=180°-90°-∠BAF
=90°-(90°-∠DAE(●))
=∠DAE(●)
∠CDH=180°-90°-∠DCH
=90°-(90°-∠BCG(●))
=∠BCG(●)
になり、
∠ABF=∠BCG=∠CDH=∠DAE=●が成り立ちます。
したがって、△ABF、△BCG、△CDH、△DAEは、斜辺と一つの鋭角が等しい直角三角形なので、これらは合同になります。
ここで、これらの直角三角形の斜辺を除いた、長い辺の長さをa、短い辺の長さをbとします。
続いて、図3のように、この直角三角形を問題図の縦方向に並べます。
▲図3.直角三角形を縦方向に並べました図3から
3a+2b=8 (1)
が成り立ちます。
次に、図4のように、横方向に並べます。
▲図4.直角三角形を横方向に並べました
図4から
3a+b=7 (2)
が成り立ちます。
ここで、(1)(2)を解くと、
a=2
b=1
で、求める正方形の一辺の長さは、直角三角形の斜辺になるので、三平方の定理から
(正方形の一辺の長さ)=√(a^2+b^2)
=√(4+1)
=√5
で、これが答えです。
楽しい問題でした。
今日は十五夜で、近所のスーパーマーケットで、すすきを買っているお客さんがいました。今は空一面雲ですが、夜には少し雲が切れて、月が顔を出すといいですね。秋晴れはまだ先のようです。
さて、今回は2001年日本数学オリンピック予選に出題された図形問題を取り上げます。
問題は、
「縦の長さが8、横の長さが7の長方形の中に、5つの合同な正方形が下図のように詰めこまれている。正方形の一辺の長さを求めよ。」
です。
▲問題図
長方形の縦と横の長さが与えられているので、2つの変数を使ってそれらの長さを表すことができれば、2元連立方程式を解くことで答えにたどり着けそうです。
そこで正方形の一辺を斜辺とする直角三角形を、長方形の縦と横方向に並べることにしましょう。
まず、図1のようなx、y軸に対して傾いた正方形ABCDを考えます。
▲図1.傾いた正方形ABCDを考えます
ここで、正方形の頂点AとCからy軸に平行な直線と、頂点BとDからx軸に平行な直線を引き、それらの交点をE、F、G、Hとすると、
∠AFB=∠BGC=∠CHD=∠DEA=90°
です。
次に、CHの延長と辺ADとの交点を I とすると、BC//ADで平行線の錯角は等しいので、
∠BCG=∠DIC
です。
さらに、AF//ICで平行線の同位角は等しいので、
∠DIC=∠DAE
です。
一方、∠DAB=∠BCD=90°なので、
∠BAF=90°-∠DAE(●)
∠DCH=90°-∠BCG(●)
です。
さらに、△ABFと△CDGの内角の和から
∠ABF=180°-90°-∠BAF
=90°-(90°-∠DAE(●))
=∠DAE(●)
∠CDH=180°-90°-∠DCH
=90°-(90°-∠BCG(●))
=∠BCG(●)
になり、
∠ABF=∠BCG=∠CDH=∠DAE=●が成り立ちます。
したがって、△ABF、△BCG、△CDH、△DAEは、斜辺と一つの鋭角が等しい直角三角形なので、これらは合同になります。
ここで、これらの直角三角形の斜辺を除いた、長い辺の長さをa、短い辺の長さをbとします。
続いて、図3のように、この直角三角形を問題図の縦方向に並べます。
▲図3.直角三角形を縦方向に並べました
3a+2b=8 (1)
が成り立ちます。
次に、図4のように、横方向に並べます。
▲図4.直角三角形を横方向に並べました
図4から
3a+b=7 (2)
が成り立ちます。
ここで、(1)(2)を解くと、
a=2
b=1
で、求める正方形の一辺の長さは、直角三角形の斜辺になるので、三平方の定理から
(正方形の一辺の長さ)=√(a^2+b^2)
=√(4+1)
=√5
で、これが答えです。
楽しい問題でした。