東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

ジュニア数学オリンピックの簡単な問題(62)

2016-09-05 12:11:13 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

天気予報が外れて、晴れのいい天気になりました。これから雲が多くなるようですが、明日も晴れ間が見られ、雨がふるのは明後日以降になるようです。

さて、今回は2015年ジュニア数学オリンピック予選に出題された図形問題を取り上げます。

問題は、
「平面上に5点A、B、C、D、Oがある。このうちA、B、C、Dはこの順に同一直線上に並んでいて、Oはこの直線上にはない。OA=16、OB=10、OC=9、OD=12、∠AOB=∠CODが成り立つとき、BC/ADの値を求めよ。ただし、XYで線分XYの長さを表すものとする。」
です。

早速、図1のように問題の図を描きましょう。


▲図1.問題の図を描きました

ここでは、以前取り上げた(ジュニア数学オリンピックの簡単な問題(46))ように、1つの角の角度が等しい三角形の面積比は、その角を成す2辺の積の比になることを利用するのがよいでしょう。図2は、以前の記事から転載したものです。


▲図2.1つの角の角度が等しい三角形の面積比は、その角を成す2辺の積の比になります

すると、△OABと△OCDで、
(△OABの面積):(△OCDの面積)=16×10:9×12
                   =40:27
です。

ここで、△OABと△OCDの底辺をそれぞれABおよびCDとした場合、2つの三角形の高さは同じになるので、2つの三角形の面積比はそれぞれの三角形の底辺の長さの比になります。

つまり、
AB:CD=40:27        (1)    
が成り立ちます。

続いて、△OACと△OBDで、
∠AOC=∠AOB+∠BOC
∠BOD=∠BOC+∠COD
ですが、∠AOB=∠CODなので、
∠AOC=∠BOD
です。

これから
(△OACの面積):(△OBDの面積)=16×9:10×12
                   =6:5
で、先ほどと同様に、
AC:BD=6:5          (2)
が成り立ちます。

あとは、(1)(2)からBC/ADを求めればお仕舞いです。

まず、(2)から
AC/BD=(AB+BC)/(BC+CD)=6/5
で、これを整理して、
5(AB+BC)=6(BC+CD)
BC=5AB-6CD         (3)
です。

次に(1)から
AB/CD=40/27
AB=40/27・CD         (4)
で、(4)を(3)に代入して、
BC=5・40/27・CD-6CD
  =38/27・CD         (5) 
です。

ここで、AD=AB+BC+CDに、(4)(5)を代入すると、
AD=40/27・CD+38/27・CD+CD
  =105/27・CD
ですから、
BC/AD=(38/27・CD)/(105/27・CD)
     =38/105
で、これが答えです。

    
1つの角の角度が等しい三角形の面積比が、その角を成す2辺の積の比になることを知っていれば簡単な問題でした。