東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

中学生でも解ける東大大学院入試問題(101)

2015-01-28 13:25:52 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

強い北風が吹いていて寒い日になりました。明日以降はもっと寒くなり、明後日は雪になるかもしれないようです。受験生の皆さんは暖かくして勉強してください。

さて、今回は平成25年度東大大学院新領域科学研究科海洋技術環境学の入試問題です。

問題は、
「23100枚の同じ大きさの正方形の板がある。これらをすべて使い、重ねることなく、隙間なく敷き詰めて、縦M枚、横N枚の長方形を作るものとする。長方形の縦の長さが、横の長さより大きく、横の長さの2倍より小さい場合、MとNの組み合わせをすべて求めよ。
(参考:√23100=151.9868...)」
です。

まず、問題に書かれている条件を立式しましょう。

MN=23100    (1) 
2N>M>N      (2)
(M、Nは正の整数)
です。

(1)を見ると素因数分解したくなるので、
MN=2^2×3×5^2×7×11  (3)   (2^2は2の2乗を表します)
として、(2)(3)でMまたはNを絞り込む方針でいきましょう。(但し、M、Nの因数をすべて書き出しても、3×2×3×2×2=72通りなのですべての場合を調べる方法もあります)

初めに、(2)にNを掛けて、
2N^2>MN>N^2
から、(3)を代入して、
2N^2>2^2×3×5^2×7×11>N^2   (4)
を得ます。

ここで、(4)の右側の不等式から、
N^2<2^2×3×5^2×7×11
で、問題にある(参考:√23100=151.9868...)を使って、
N≦151
となります。

次に、(4)の左側の不等式から、
2N^2>2^2×3×5^2×7×11
で、
√2N≧152
から
N≧108
です。

したがって、
108<N≦152    (5)
とNを絞り込むことができました。

あとは、23100の因数[2,2,3,5,5,7,11]を適当に組み合わせたNで(5)を満たすものを見つければOKです。

そこでNの因数の個数を調べてみましょう。

Nの因数が1個のとき、
2≦N≦11
なので、(5)を満たすNはありません。

Nの因数が2個のとき、
4≦N≦77
なので、(5)を満たすNはありません。

Nの因数が3個のとき、
12≦N≦385
なので、(5)を満たすNがある可能性があります。

Nの因数が4個のとき、
60≦N≦1925
なので、(5)を満たすNがある可能性があります。

Nの因数が5個のとき、
300≦N≦5775
なので、(5)を満たすNはありません。

Nの因数が6または7個のときは、それぞれ
2100≦N11550
および
N=23100
なので、(5)を満たすNはありません。

つまり、Nの因数は、3または4個となります。

そこで、まずNの因数が3個のときを調べます。

因数に11があるとき、(5)から
10≦N/11≦13   (6)
となり、残りの因数[2,2,3,5,5,7]のなかの2つの組み合わせで(6)を満たすのは、(2,5)の組み合わせだけで、Nは、2×5×11=110です。

次に、因数に7があるとき、(5)から
16≦N/7≦21    (7)
となり、残りの因数[2,2,3,5,5,11]のなかの2つの組み合わせで(7)を満たすものはありません。

因数に5、3または2があるときは、それぞれ
22≦N/5≦30  残りの因数[2,2,3,5,7,11]→(2,11)
36≦N/3≦50  残りの因数[2,2,5,5,7,11]→なし
54≦N/2≦76  残りの因数[2,3,5,5,7,11]→(5,11)
で、(5,2,11)(2,5,11)が条件を満たしますが、これらは前のNと同じです。

したがって、Nの因数が3個のとき、条件を満たすN(M)は、110(M=210)となります。

次にNの因数が4個のときを調べるのですが、その代わりにMの因数が3個のときを調べましょう。

(5)からMの変域は、
152≦M≦213   (8)
になります。

まず、Mの因数に11があるとき、(8)から
14≦M/11≦19   (9)
となり、残りの因数[2,2,3,5,5,7]のなかの2つの組み合わせで(9)を満たすのは、(2,7)と(3,5)の2組で、それぞれ、2×7×11=154、および、3×5×11=165 となります。

次に因数に7があるとき、(8)から
22≦M/7≦30    (10)
となり、残りの因数[2,2,3,5,5,11]のなかの2つの組み合わせで(10)を満たすのは、(2,11)(5,5)ですが、前者は前のMと同じなので、新たなMは、5×5×7=175 となります。

さらに因数に5、3または2があるとき、それぞれ、
31≦M/5≦42   残りの因数[2,2,3,5,7,11]→(3,11)(5,7)
51≦M/3≦71   残りの因数[2,2,5,5,7,11]→(5,11)
76≦M/2≦106  残りの因数[2,3,5,5,7,11]→(7,11) 
となりますが、これらはすべて前のMと同じです。

したがって、Mの因数が3個のとき、つまり、Nの因数が4個のとき、条件を満たすM(N)は、154(N=150)、165(N=140)、175(N=132)の3通りになります。

以上をまとめると、条件を満たすM、Nの組み合わせ(M,N)は、
(210,110)(175,132)(165,140)(154,150)の4通りで、これらの組み合わせが答えになります。

少し力ずくと言った感じがしますが、スマートな解答があれば教えてください。