心なき者

　「人を殺してみたかった。」「人を殺して死刑になりたかった。」とは最近よくテレビのニュースで耳にする言葉だ。特に後者は単なる愉快犯ではなく自分自身が生きていくことを完全に否定している。しかも１０代２０代の若者が平気でこんな事を言う。もったいない！だったら年齢代わってちょーだい、と言いたい。

　もう一つ気になるニュースは、全国でチューリップの花が折られる事件だ。犯人はチューリップに強烈な恨みをいだいているに違いない・・・
　まさかそんな訳はない。別にチューリップでなくてもいいのだが、今の季節だから、たまたまチューリップなのだ。

　人間には喜怒哀楽がある・・・喜怒哀楽があって当たり前なのだが、ニュースで話題にのぼる彼らには喜怒哀楽がない。ストレートに自分の感情を表現する場がない。もっと正確に言うと、自分と同じ生身の人間に対して面と向かって喜怒哀楽を表現することができない。よく、「あんなにおとなしくて真面目な子だったのに」と言うが、「おとなしくて真面目」にしているから自身の喜怒哀楽を封印しているのではないのか？
　
　「心ない者のしわざ」というが、彼らに「心」はない。もしくは、心をどこかに置き忘れてきてしまったのだ。現代人は忘れ物が多い・・・