へんないきもの日記

今日も等身大で…生きてます😁

一度も植民地になったことがない日本

2008-01-28 23:21:36 | 日々雑感
 以前も紹介した「一度も植民地になったことがない日本」という本の中から、またまた興味深い内容を見つけたので2、3書きたい。

 「南蛮菓子」「南蛮渡来」「南蛮人」・・・学校の社会科の授業で初めて耳にした「南蛮」という言葉には不思議な響きがあった。でも、なぜ、「南蛮」なのだろう・・・その謎がこの本には隠されている。

 「南蛮人」とは文字通り「南から来た野蛮な人」である。なぜ、当時の日本人は彼らをそう思ったのか?著者が言うには、毎日風呂に入る習慣が無く(当時から肉食であった彼らは、日本人と違い、今と変わりなく体臭がきつかったに違いない。)、家の中を土足で歩く。食事の際は、刃物(ナイフやフォークのこと)で動物の肉を切る行為は、まさしく蛮族そのものだった・・・

 もっとおもしろい話がある。黒人の奴隷を南蛮人から差し出された織田信長は、家来に命じて風呂場でその体をゴシゴシこすらせたそうな。だが、いくらこすっても黒い色が落ちないので、「ああ、世の中には、こういう人もいるのだ。」と感歎し、他の家来同様、連れて歩いたそうだ。何ともおおらかだ。

 著者が外国に行くと、特に開発途上国の人から「日本のマスターズ・カントリーはどこですか?」と聞かれるそうだ。「マスターズ・カントリー」とは直訳どおり「ご主人様の国」である。著者が言うには、アジア・アフリカで植民地になったことがない国は、タイとエチオピア、そして日本だそうだ。(日本は第二次世界大戦の敗戦で沖縄がアメリカの植民地になった、と私は認識している。また、本土にもGHQが置かれた事自体、私の中では「植民地化」されたという認識なのだが・・・)そういう意味で私は「日本のマスターズ・カントリーは、アメリカです。」と答える。だが、そのアメリカは、もはや日本に興味を示していない。彼らが今、興味を持っているのは中国であろう。

 話は戻るが、南蛮人が日本に来た理由は、キリスト教の布教と同時に当時の日本を植民地化することにあったらしい。だから結果論からするとキリスト教の弾圧は正しい判断であった、という事になる。乱暴な言い方だが・・・もしかすると、つい最近まで「ポルトガル領NAGASAKI」なんて事になっていたかもしれない。

 長い間続いた鎖国とキリスト教弾圧が、結果的には日本を欧米諸国の植民地化から守った・・・と著者は言っている。だが、その代償が広島と長崎の2度に渡る原爆だとしたら、なんと大きな代償であろう・・・結局、当時の欧米列強のような相手に逆らう者は、最終的にこういう目に遭うんだぞ、と息の根を止められたような気がしてならない。長いものに巻かれたくないが、時には巻かれなければいけない事もあるのかもしれない。
コメント
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