生きる力になれば

ペンネーム良寛地蔵。70代のブログです。言葉で生きる力になればと綴って15年が過ぎました。

私は亀

2016-09-13 00:54:11 | 日々の暮らし
お釈迦様が説いた話の中には物語になっているものもたくさんあります。

長いので省略して紹介します。

「ご恩」という恩の字は、「原因」の因に心と書きます。

「原因を思いやる心」のことを恩といいます。

昔のインドで一人の男が大きな亀を釣って、背中にぶら下げて田舎道を歩いていました。

情け深い人が通りかかって、かわいそうにと思い、その亀を買い取って放してやりました。

ある晩、枕元でがさごそと音がします。
目を覚ますと亀がいます。

私はあなたに助けて頂いた亀です。

ご恩返しにまいりました。

まもなく雨が降りだします。

雨は激しく降り止みません。

洪水となり、人も牛も馬もみんな押し流されて死んでしまいます。

この家も水の底に沈んでしまいます。

舟を用意しておいて下さい。

ご縁のある方々を乗せて、助かって下さい。

と告げると立ち去っていきました。

案の定、夕刻から雨になり、暴風雨となり川はあふれて洪水となりました。

急いで舟に乗り山の方をめざして漕いでいくと、大きな亀が流されています。

「私は先日お訪ねした亀です。乗せて下さい」

「あなたのおかげで助かりました」
といって乗せてやりました。

しばらく行くと、大きな蛇が
「助けてくれ!」と叫んでいます。

怖いので知らん顔していると
亀が「助けてやってください」というのでこわごわ引き上げました。

次は狐が流されています。

「あれも助けてやってください」
というので救い上げました。

こんどは人間が流されています。

「あの人を乗せてはいけません。
動物は恩を知っていますが人間は恩を知りません」
と反対するのを聞かず乗せてやりました。

その後、蛇は墓穴から金銀財宝をお礼にと差し出しました。

それを知ったあの男は財宝を半分くれと言ってきました。

断ると男は王様に、墓どろぼうがいると密告したので、捕まり牢獄に入れられてしまいました。

亀と狐と蛇は相談しました。

不吉の前兆と数百匹の狐が一斉に鳴き騒ぎました。

罪のない人が牢獄につながれている。
その人を釈放しないと、病気で療養中のお姫さまの命が危ないと。

王様はすぐに釈放し、密告者を終身刑にしました。

亀は人の心を見抜いていたのです。

恩の分かる人間かどうかを。

人を救う為には

亀の心になることです。 


「私は亀」

人の世のご恩は忘れません。

今日の導きになれば



合掌
コメント
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