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Skype でロシア語を勉強してみる (9)

2014-12-19 22:36:56 | ロシア関連
早速ですが、「Skype でロシア語を勉強してみる (8)」の続きを。

今回ご紹介するのはロシア民話『アリョーヌシュカとイヴァーヌシュカ』。この物語、ヴィクトルさんから聞くまで私はまったく知らなかったのですが、どうやら『グリム童話』の中でも「兄と妹」というタイトルで収録されているようです。今回の原文はこちらです。


アリョーヌシュカとイヴァーヌシュカ

昔々あるところにおじいさんとおばあさんがいました。二人にはアリョーヌシュカという娘とイヴァーヌシュカという息子がいました。

やがておじいさんとおばあさんは死んでしまい、アリョーヌシュカとイヴァーヌシュカは取り残されてしまいました。

ある日アリョーヌシュカは弟と一緒に働きに出かけました。広い野原を遠くまで歩いたので、イヴァーヌシュカは水が飲みたくなりました。
「アリョーヌシュカねえさん、喉が乾いたよ!」
するとアリョーヌシュカは
「井戸に着くまで我慢して。」と言いました。

彼らは歩き続けました。お日様は高く昇り、おまけに井戸はずっと先で、二人は暑さにやられ、汗だくでした。すると蹄に水が溜まっている牛(これ、意味がよくわからないのですが、本当にこう書かれているのです)が現れました。
「アリョーヌシュカねえさん、牛の蹄の水を飲んでもいい?」
とイヴァーヌシュカは姉に尋ねました。
「ダメよ、イヴァーヌシュカ。それを飲むと子牛になってしまうわ」
とアリョーヌシュカは答えました。イヴァーヌシュカは姉に従い、二人は歩き続けました。

お日様は高く昇り、おまけに井戸はずっと先で、二人は暑さにやられ、汗だくでした。すると蹄に水が溜まっている馬が現れました。
「アリョーヌシュカねえさん、馬の蹄の水を飲んでもいい?」
とイヴァーヌシュカは姉に尋ねました。
「ダメよ、イヴァーヌシュカ。それを飲むと子馬になってしまうわ」
とアリョーヌシュカは答えました。イヴァーヌシュカはため息をつき、二人は再び歩き続けました。

お日様は高く昇り、おまけに井戸はずっと先で、二人は暑さにやられ、汗だくでした。すると蹄に水が溜まっているヤギが現れました。
「アリョーヌシュカねえさん、もう我慢できない。ヤギの蹄の水を飲むよ!」
とイヴァーヌシュカは言いました。
「ダメよ、イヴァーヌシュカ。それを飲むと子ヤギになってしまうわ」
とアリョーヌシュカは言いましたが、イヴァーヌシュカは姉の言うことを聞きませんでした。イヴァーヌシュカがヤギの蹄の水を飲むと、彼は子ヤギになってしまいました。アリョーヌシュカはイヴァーヌシュカの名前を呼びましたが、ヤギになってしまった弟が彼女の後を追いかけるだけでした。

アリョーヌシュカは干し草に腰掛け、泣き出しました。子ヤギになったイヴァーヌシュカは彼女の横で飛び跳ねるしかありませんでした。その時ある商人が通りがかり、尋ねました。
「きれいなお嬢さん、なんで泣いているんだい?」
アリョーヌシュカは自分の身に起こった不幸を説明しました。すると商人は
「さあ、私と結婚しておくれ。お前に金色、銀色で飾られたドレスを着せてあげよう。そして弟の子ヤギと一緒に暮らそう。」
と言いました。

アリョーヌシュカはあれこれ考えた末、商人と結婚しました。

それから彼らは幸せに暮らしました。子ヤギは彼らとともに暮らし、アリョーヌシュカのお皿から飲んだり食べたりしました。

商人が出かけていたある日、突然魔女がやって来ました。彼女は窓からアリョーヌシュカを誘い、川で水浴びをするようやさしく呼びかけました。
魔女に導かれてアリョーヌシュカは川にやって来ました。すると魔女はアリョーヌシュカの首に石を巻きつけ、川に投げ込んだのです。

そして魔女はアリョーヌシュカのドレスを着て、商人の家に戻ってきました。誰も彼女が魔女だとは気がつきませんでした。やがて商人が帰ってきましたが、彼も彼女が魔女だとは気がつかなかったのです。

しかし、子ヤギのイヴァーヌシュカには何が起こったかわかっていました。彼はすっかり元気をなくし、飲むことも食べることもできなくなりました。朝晩アリョーヌシュカが沈められた川の岸を歩き、こう叫びました。
「アリョーヌシュカ、僕のお姉さん! 川岸に泳いで来て!」

魔女はこのことを知り、商人に子ヤギを殺すよう頼みました。
商人は子ヤギをかわいがっていたので、殺したくありませんでした。でも、魔女があまりにもしつこく頼むので、
「わかった。子ヤギを殺そう」
と同意しました。
そして、火をおこして、鍋を熱し、鉄を火にかけ、ナイフを研ぐよう魔女に頼みました。

子ヤギは自分がもう長く生きられないと知って、商人にこう言いました。
「死ぬ前に川に行かせてください。水を飲んで体の中をきれいにします。」
「わかったよ。行きなさい」
と商人は言いました。

子ヤギは川に走って行きました。そして岸に立って悲痛な声で叫びました。
「アリョーヌシュカ、僕のお姉さん! 川岸に泳いで来て!
炎は舞い上がり、鉄が熱せられ、ナイフが研がれてる
僕を殺そうとしているんだ!」

アリョーヌシュカは川からこう答えました。
「私の弟、イヴァーヌシュカよ!
石の重みで私の体は川の底、水草は足に巻き付いて、胸は黄色い土に埋もれているの!」

魔女は子ヤギを探したのですが、見つけられなかったので、川に使いを送りました。
「子ヤギを見つけてここに連れてきなさい」

召使は川に行き、子ヤギが岸で走り回っているのを見ました。子ヤギはまた悲痛な声で叫びました。
「アリョーヌシュカ、僕のお姉さん! 川岸に泳いで来て!
炎は舞い上がり、鉄が熱せられ、ナイフが研がれてる
僕を殺そうとしているんだ!」

すると川から声が聞こえました。
「私の弟、イヴァーヌシュカよ!
石の重みで私の体は川の底、水草は足に巻き付いて、胸は黄色い土に埋もれているの!」

召使は家へと走り、川で聞いたことを商人に伝えました。人々は集まって川に向かい、絹の網を投げてアリョーヌシュカを引っ張りあげた。彼女の首から石をはずして、彼女を泉の水で清め、美しいドレスを着せました。アリョーヌシュカは生き返り、それまで以上に美しくなりました。

子ヤギがうれしさのあまり3回宙返りすると、魔法がとけて、元のイヴァーヌシュカに戻ることができました。魔女は馬のしっぽに縛りつけられ、野原を引き回しにされました。
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