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「ドイツと日本を結ぶもの-日独修好150年の歴史-」を見に行ってきた (2)

2015-09-01 08:44:45 | ドイツ関連
早速ですが、「「ドイツと日本を結ぶもの-日独修好150年の歴史-」を見に行ってきた (1)」の続きを。

企画展示室Bに移動する途中で見たのは現在、ドイツ日本間で姉妹都市提携を結んでいる都市名の一覧。私が想像した以上に多かったです。また、ドイツ日本間の民間交流団体のリストもあり、例えばアーヘン(ベルギー、オランダ国境に近接している都市)には2つも交流団体があって、日本とドイツ間の民間交流は私の予想以上に盛んなことがわかりました。ドイツのハンブルク市オッテンゼン地区と東京の向島、大阪の平野の交流の様子のビデオも興味深かったですが、もう少し最近の交流も見てみたかったです。

企画展示室Bに入って最初に見たのは「両大戦下の日独関係」というテーマの展示。第一次世界大戦で日本とドイツは交戦国となり、青島などからドイツ人の捕虜を日本に収容していました。ここでは収容所にいたドイツ人が制作した作品や、収容所で行われたコンサートや演劇のパンフレットが展示されており、個人的にはこれらが「ドイツと日本を結ぶもの-日独修好150年の歴史-」の中で最も印象的でした。心残りは時間がなくて収容所に関する映像を観ることができなかったこと。これを観るためにもう一度博物館へ行くか本気で悩んでいます。

展示では触れられていませんでしたが、ドイツ人捕虜の中には有名なお菓子会社、ユーハイムの創立者であるカール・ユーハイムもいて、彼はドイツ人捕虜が作った作品の展示即売会で日本で初めてバウムクーヘンを作ったと言われています。また、神戸の有名なパン屋さん、フロインドリーブの前身である有限会社ジャーマンホームベーカリーを開店させたハインリヒ・フロインドリーブも元捕虜です。彼らが日本に留まってくれなかったら、日本のバウムクーヘンやパンは今ほど美味しくなかったかもしれませんね。あと、これも展示では触れられていませんでしたが、徳島県鳴門市の板東俘虜収容所を舞台にした「バルトの楽園(がくえん)」という映画もあります。興味がある方はご覧ください。

「両大戦下の日独関係」ではナチズムに関する展示もありました。私が最も衝撃を受けたのはヒトラー・ユーゲント(ナチス・ドイツ下での青少年団体)の来日時の映像で、鉤十字の旗のもとに日独の子どもたちの交流が行われたことが悲しかったです。彼らを歓待する歌「万歳ヒットラー・ユーゲント」の作詞が北原白秋だったことにも驚きました。

次の展示のテーマは「戦後の日本とドイツ」。ここではバイエルン州ヴュルツブルクと長崎市の復興について紹介されていました。また、日本とドイツが外交関係を復活させた後の二国間の交流についても知ることができます。

エピローグとして紹介されていたのは宮古島とドイツの交流について。1873年7月に宮古島の沖合で挫傷したドイツ商船の乗組員を島の人々が救助し、それに対してドイツ皇帝ヴィルヘルム1世が1876年に島に博愛記念碑を建てたとのことで、宮古島は日独友好の象徴となったのだそうです。

上記以外にも来館者用図書室ではドイツ関連図書が、「たいけんれきはく」ではシュタイフ社のテディベアやドイツのおもちゃが用意されていたようなのですが、時間の関係で私はどちらも体験することができませんでした。そもそもメインの展示自体も思っていたほどじっくり時間をかけて見られなかったので、ミュージアムショップで図録「ドイツと日本を結ぶもの-日独修好150年の歴史-」(2,000円)を購入しました。復習がてら自宅でゆっくり楽しみたいと思います。



結局私が館内にいられたのは2時間半ほど。もっと時間があれば4時間は楽しめたのではないかと思います。というわけで、これから展示をご覧になる方は時間に余裕をもって見学されると良いと思います。また、国立歴史民俗博物館での展示が終わった後も、以下のスケジュールで展示が巡回されるそうなので、お近くにお住まいの方でドイツに興味がある方はぜひ足をお運びください。

2015年9月19日~11月29日 長崎歴史文化博物館
2015年12月9日~2016年1月24日 鳴門市ドイツ館 (徳島県)
2016年2月3日~4月10日 横浜開港資料館 (神奈川県)

最後にミュージアムショップで私が購入した絵葉書2枚をご覧いただきたいと思います。まずは「ベルリンの日本人」というタイトルの挿絵。1862年8月3日にドイツの風刺漫画雑誌『クラダラダッチュ』に掲載されたもので、幕府がヨーロッパへ派遣した竹内使節団が描かれているようです。キャプションには、「〔ドイツ人と日本人が〕民謡「俺たちゃ素敵な人間さ!」に合わせつつ、ゲンツダルメン広場〔ベルリン中心部〕でお互いに感嘆し合う」と書かれているそうです。



以下は板東俘虜収容所で1918年3月8日から18日に行われた俘虜作品展覧会で販売されていた絵葉書(が絵葉書になったもの)。実際に展示されていたものは捕虜がドイツの母親宛に送ったものだそうです。



長くなりましたが、以上で「ドイツと日本を結ぶもの-日独修好150年の歴史- „Was Deutschland und Japan verbindet: 150 Jahre Freundschaft zwischen Deutschland und Japan“」のレポを終わらせていただきます。最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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