毎年、冬の峠を超し、早春の陽射しがちょっぴり感じられるこの時期になると、必ず思い浮かんでくる童謡がある。
相馬御風 作詞、弘田龍太郎 作曲の 「春よ来い」だ。
今年も、コピペ、リメイク。
昭和20年代、30年代、幼少期を北陸の山村で過ごした人間、雪に閉ざされた長く厳しい冬から やっと春めいてくる時期、故郷を離れて60数年経っても、あの頃の春を待つ暮らしの情景を思い出してしまう爺さんである。
「みいちゃん」という子供の視点で、春を待ちわびる人々の心情を、短い詩に込めた童謡。
歌詞に登場する「みいちゃん」は、作詞者相馬御風の長女文子がモデルとされている。
「じょじょ」は、草履のこと。
「おんも」は、家の外のこと。屋外のことだ。
作詞者の相馬御風は、新潟県糸魚川市出身、早稲田大学校歌、「都の西北」の作詞者としても知られている詩人。
「春よ来い」は、大正時代後期、児童向雑誌「金の鳥」に発表された詩なのだそうだが、すっかり春を歌った童謡の代表的存在になっている。
雪国の暮らしも、当時とは随分違ってしまっていると思うが、春を待つ心情は変わっていないはずで、これからもずっと歌い継がれて欲しい童謡のひとつであると思っている。
今は帰る家も無くなっている故郷の、雪解け、せせらぎ、丸木橋・・・、
幼少時代の、春を待ちわびる情景を想い浮かべさせてくれる童謡になっているのだ。
「春よ来い」 (YouTubeから共有)