わが家には、2020年(R2)1月28日に行政から
引き取りをしてきたりんちゃんというキジトラの女の子がいます。
当時、約1歳だと聞いていましたから、あれから3年半経って
現在、推定4歳半ですね。
そのりんちゃん。
もういつ何時何が起きても不思議はないほど、痩せてふらふらしています。
先天性の心臓疾患で、心臓に穴が2か所開いています。
心臓が徐々に肥大化しているため、巨大食道炎もひどくなっています。
つまり食べたものが胃まで到達せず、手前の肥大化した食道に留まり
何割かは胃まで行くのかなと思いますが、ほとんどを吐き戻してしまいます。
いつもいつもお腹のすいている状態です。
食べては吐き、を繰り返して生きてきました。
粘膜が荒れて、薄い血が混じっていることも少なくありません。
心雑音があることで、りんちゃんは行政の譲渡対象から
外されてしまいました。
たまたま、猫と暮す会で譲渡の決まった里親さんが
もらうつもりでセンターから連れ帰ったキジトラの猫がいたけれど
吐き戻しがあることを職員さんに相談したら、
この子は申し訳ないけどお譲りできませんと言われたそうです。
やむなくあきらめて、うちの会にいらしたわけです。
でもどうなったのか大変気にされていて、その経緯をお話ししてくれました。
思い切って、そういう猫がもしまだいて、連れて帰らせてもらうことが
可能か、こちらに委ねてもらうことはできないかと相談しました。
当時、あっさりオーケーの返事があったわけでも、
すぐにことの経過を教えてもらえたわけでもありませんでした。
譲渡不可能の猫であっても、看取ることが可能な人になら
生存の可能性を・・・という指針に基づいて、検討の結果
引き取らせてもらえることになりました。
お願いしてから、約1週間が過ぎていましたが
ようやく連れて帰ることができました。
その間は、この子がそこにいるのかどうかも、それ以上確かめるすべも
ありませんでした。
受診の結果はやはりあまりよくなくて、かかりつけの先生が
心臓専門医の先生をご紹介くださり、細かく検査をしました。
が、予後はよくないこと、5年生存の見込みは極めて低く
正直1か月後、2か月後に突然死していても不思議はないと
そう伝えられました。
当時は、心臓の方の問題で、チアノーゼとか肺水腫とかで突然死の
可能性を言われていました。
巨大食道炎のため背骨も湾曲していて、
そこもあまりいいことは言われませんでした。
発情も来ていましたが、麻酔を使用することはできないため
避妊手術もできない(できても目が覚めることはない)とのことでした。
生きていることがそれだけで大変なんだと・・・。
そう思うと何とも言えない気持ちでしたが
りんちゃんはとびきりいい性格で可愛い子です。
うちで、いけるとこまでいこうか!
ある日突然亡くなってても、それはそれでもういいか!
今生きていることがすべてだよね。
そう思ってずっと過ごしてきました。
鼻からチューブを入れたことも、食べるときは立って食べさせたり
しばらく立たせておいたり・・・。
いろいろ工夫してきました。
そのりんちゃんが、体重減少とともに
あれほど『こりゃ困った』と思うほど続いた盛りの声も出さなくなり
つまり発情することもなくなり
今は静かに終わりの時を待っている感じです。
でも、わたしの足音が聞こえると、扉の前でふらふらした身体で
待っています。
食べさせても、少しで疲れて横になって大きな息をしています。
あいかわらずの吐き戻しの後もたくさんあります。
食べたくてもお腹いっぱい食べられないのって、
しんどい病気だなぁとしみじみ思います。
高齢の猫たちを看取ってきた経験はたくさんありますが
少しづつフェードアウトしていくのとは違って
まだまだ活力ある瞳で見つめられるときがあります。
まだ若い猫は、高齢猫とは全く違って、いたたまれないです。
点滴も極度に嫌がるのでやめようと決めています。
撫でてあげると気持ちのいい顔をします。
気持ちのいいことをたくさんしてあげることしか、
情けないけど他に思いつきません。
どこまで行けるのかはまったくわかりませんが、
りんちゃん、とってもとっても頑張っています。
こういう病気でも一生懸命生きようとする姿
わたしはたくさんのことをこの子から教えてもらえたし
今も教えられています。
どんな病気でも、わたしの元に来てくれてありがとうの気持ちです。