今の相談の中には妊娠猫の相談とか
子どもを産んで子育て真っ最中のママと子猫の相談がとても多いです。
基本的に、妊娠していても避妊手術はできますので
わたしたちは産ませて里親探しの選択肢はありません。
どんなに産ませたいと思っても、絶対にしないと決めて活動しています。
かわいそうだと思わないはずはありません。
心が傷んだり、泣いてしまうことだってもちろんあります。
なぜ、そんなことをしないかと言うと、答えは簡単です。
これから産ませて、わざわざ産ませて里親さんを探していくのなら
いらないよって処分に連れてこられたおちびさんたちを、
1匹でも多く助けてあげたいからです。
ママのお腹にいるうちは、神様の領域だと考えての活動です。
そこは人間と多数産んで繁殖していく猫とは違うんだと
その異なる種をしっかり理解すれば、ぶれることなどないはずです。
そのかわり、たとえ初乳すら飲んでいないおちびさんでも、すでに産まれて
たどりついたときは、それこそ全力で育てる方向で動きます。
4月はじめに自身も赤ちゃんを産んだのに、その子たちは死産やら
すぐ死んでしまって、でも自分の姉妹猫の産んだ赤ちゃんに
おっぱいをあげていた子がいます。
このママとなった姉妹たちも、初めての出産で若いママたちです。
子どもを亡くしたママは、とてもいい子だったので
新たに飼い主さんを探そうと保護し、避妊手術に臨みました。
5月半ばのことです。
なんとびっくり
お腹にはすでに次の赤ちゃんを宿していました。
その間わずか1か月半です。
子どもを亡くして、すぐに発情が来て、妊娠した計算になります。
子育て中にもかかわらず、妊娠がわかるケースはよくあることですが
今回も同じです。
赤ちゃんはスタッフさんがお花で飾って斎場会館に連れて行ってくれました。
ママの子宮の中に何匹いたのかまではわかりませんが
わたしたちは報告を聞いて、心の中で冥福を祈ります。
そして、何が何でもママを幸せにしたいって思いが強くなるのです。
もう繁殖することのないママ猫は、ママではなく
まだ若い女の子の顔に戻ります。
ここから、これから・・・きっといい縁が待ってると思います。
産ませないことを続けるというのは、痛みも伴うことがしばしばです。
いくらきれいごとを並べてみても、
自分だけは関わった猫に赤ちゃんを産ませる、産ませたいという人は、
やっぱり広く全体を見てなどいないと感じます。
こういう人に、困ったときだけ相談されても
何のアドバイスもできないです。
たくさんの子猫たちが拾われたり、見つけられても
みなさんが助けてくれるわけではないし、助けたいわけでもないことを
多くの人に知ってもらいたいと思います。
注)猫の出産ですが、未熟児で生まれることや、
奇形児が生まれてしまうケース、里親探しがうまくいかないケース
一度に7匹8匹産むこともあります。
また、難産で命を落とすこともあります。
母猫だからと言って、しっかり飼育してくれるとも限らず
飼育放棄してしまう猫もいます。
母猫が何らかのキャリアを保有していれば、子猫が感染していることも
あります。
すべてのことを考えても、ただかわいそうだからと出産させることには
高いリスクを伴います。