そらまめ日記・猫と暮らす会(猫とクラス会)

静岡県浜松市を拠点に、人と猫とが上手に暮らせることを願い
共生をテーマに自分なりの言葉で日々を綴っています

おばあちゃんちのぽんた君

2021-11-21 01:55:22 | 高齢者(おばあちゃん)の多頭飼育
ぽんた君が天に還っていったのは10月29日のことでした。


金木犀の香りがたちこめる美しい季節です。



ぽんた君のおうちは元々多頭飼育で周囲からは問題のあるお家とされてました。


餌をあげるだけだと増える一方だけど、腰の悪いおばあちゃんは


お腹がすいて庭に集まる猫たちへの餌やりをやめることができませんでした。


手術する費用も莫大、連れて行こうにも車も無い。


昔の人で、誰かを頼ることができない。


ないないづくしの果てが・・・気の毒だと思っていた猫たちを


もっともっとかわいそうな状態に追い込んで、負のループにはまり込んで


そこから抜け出すには相当な労力や、知識や、連携が必要でした。


でも、ある日何とかしてあげたいからと相談してくださった方がいて


踏み込むことができました。


いちばん最初の写真。
たぶん写真を撮ってもらったのも
はじめてのことだったと思います。


ぽんた君を見送ったことで残りは3匹です。


おばあちゃんが生きているうちに、残りの子たちが看取れたらいいと


願っています。


尽力してくれたスタッフさんとおばあちゃんの間にも


信頼関係が生まれて、何かあれば連絡をくれるようになっています。


悲惨な状況のお宅でしたが・・・ずいぶん変わりました。


数が減ってからは、愛情もたくさんかけてもらえています。


そこしか知らない猫たちは、ここがすべてでおばあちゃんがすべてです。


そして、高齢のおばあちゃんにとってもこの子たちがすべてです。


定期が満期になったときに、お金を返金してくれたり


スタッフさんが行くと必ずお菓子とかお土産を持たせてくれます。


どこかで歯車が狂ったことで、止められなくなった繁殖。


優しいおばあちゃんの人生のどこかに生まれたひずみが


猫にごはんをあげる行為に繋がってしまったんですね。


きっと淋しくてたまらなかった気持ちを、集まってくる猫たちが


埋めていたのかもしれません。


でも、だったらなおのこと・・・自分の気持ちを癒してくれる相手を


嫌われ者扱いされたり、困った存在にしてはいけないと思うのです。


ぽんた君は多頭の1匹じゃなくて、かけがえのないおばあちゃんの猫として


旅立つことができました。


周囲に責められても、自分の猫じゃないとか野良だから関係ないとか


そういう逃げ口上だけはひとことも言わなかったおばあちゃん。


きっと・・・ぽんた君は幸せだったのかなって思います。



今頃は、先に旅立った仲間と再会を果たしているんだろうな。


こちらの過去記事はカテゴリーの
高齢者(おばあちゃん)の多頭飼育に掲載しています。

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おばあちゃんとみゆきちゃんと

2021-03-12 09:53:29 | 高齢者(おばあちゃん)の多頭飼育
多頭の相談が入り、この場所は残すところあと5匹です。


譲渡を視野に入れてはいないので、おばあちゃんが最後まで


お世話できるのかが大きなカギです。


その中の1匹、みゆきちゃんと名づけた女の子が3月9日11:40


天に還っていったと担当スタッフさんを通して連絡をもらいました。



元々この場所を心配して相談してきてくれたIさんが


斎場会館まで同行してくれることになりました。


みゆきちゃんは、舌ベロも出ていて初めからかなり心配していた子でした。


前回、スタッフさんたちがお邪魔したときも、すでにあまりいい状態とは


言えなかったようですが、おばあちゃんは最期まで


しっかりお世話したいと言っていたそうです。



みゆきちゃんを看取れて、おばあちゃんもほっとしたと思います。


そして、大好きなおばあちゃんに看取ってもらえて


みゆきちゃんにもいちばんいいことだっと思います。


安心できる人のそばで、安心できる家の中で逝けるのは


幸せなことだろうと思います。



ただ、やはりできることなら増やしてほしくなかったし


それも繰り返し繁殖していたわけなので、そこはいけないことなのです。


自身の具合が良くない、病院に行く足がない、夫婦仲がよくない


ないことを数えたらきりはありませんが、それでも


もっと早い段階で誰かに相談はできなかったのかなと悲しくなります。


それができてない、つまり取り残されたような状況で起きる悲劇。


根っこは深いとため息が出ます。


さて、後ともに暮らす4匹の猫たち。


この数なら、おばあちゃんががんばって長生きして、もしくは


娘さんがご飯をあげに行くとか・・・。


周囲が手を差し伸べれば何とかなるところまできています。


みゆきちゃんどうか安らかにね



そちらには仲間たちもたくさんいますから、淋しくないかな。




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その後の多頭のおばあちゃん

2021-01-27 08:42:33 | 高齢者(おばあちゃん)の多頭飼育
2018年の4月に初めて現地調査をしてから2年9カ月。


担当してくれたスタッフさんたち


時間ができると現場のおばあちゃん宅を訪問してくれています。


今回は家庭内別居のおじいちゃんの虐待(おばあちゃんへの暴力)で


お巡りさんにきてもらうことになったリアルな話が出てきていました。


コロナ禍で思うような外出ができなくなったり


年を重ねるごとの体力気力の衰えなどが、配偶者への暴力に


繋がるのでしょうか。


暴力は何の解決にもならないのに・・・。


人生の残りの時間を苛立ちで過ごすのは、本人にも苦痛だし


野蛮な行為の犠牲になる人間は、ただただ恐ろしいだけだと思います。


このところ、犬や猫への虐待行為かと思われる事件も


頻繁に耳にしたり目にします。


鬱々とした心を、誰かを傷つける行為で穴埋めしようとしても


埋めることにはならないのですが・・・淋しい話です。


相談のあった当時は、20匹の猫たちが室内で所狭しと暮らしていました。


現在おばあちゃんは、譲渡の対象にしなかった5匹の猫たちと


それなりに過ごせているようです。



みゆきちゃん、ぽんた君、まさき君、まり君、こうせい君。


よだれが止まらずワクチン接種もできなかったみゆきちゃんも


がんばっています。



おばあちゃんが、この子たちをしっかり看取れればいいのですが。



通常、猫たちに少しでも長生きしてほしいと考えるのですが


この状況では長生きがいいとばかりも言えず


長生きしてねと願うのは高齢のおばあちゃんの方に・・・・です。



もう少し頭数が減れば、結婚した娘さんなり最初に相談してきたIさんが


ご飯をあげに通ってもらうこともできるのかなと考えています。


いずれにしても、自己完結できない数に増やしたり抱えてしまうと


犠牲になるのは猫たちです。


周囲も苦しむことになってしまいます。


手術の費用を惜しむ人や、知識のない人、連れて行く手段の無い人は


やはり動物に関わってほしくないと言わざるをえません。


それでも、何とかここまでやってきましたから


おばあちゃんには、どうか最後までがんばってほしいと思います。


ずっと気にかけてくれてるスタッフさんにも、頭が下がります。


そして、昨年この現場から五郎丸君、しょう君を迎えてくれた里親さんから


お便りがきました。



グレーのしょう君は大声で泣く、泣き猫でした。


しかも強烈パンチがとんでくる子でした。


ご夫婦ともに頭から流血しながらがんばってくださったエピソードも


今ではなつかしい笑い話です。


この多頭の場所から、幸せな家猫生活を過ごしている子がたくさんいて、


それはそれぞれの里親さんたちのおかげです。


この場所のようにある程度の目処が立っていてさえ、


まだまだ今後の行く末を案じなければいけません。


わかっていないだけで、こうした現場はいたるところにあると思います。


水面下の見えない問題(多頭飼育)に、どう対処できるのか大きな課題です。
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五郎丸君しょう君♡おめでとう

2020-02-25 10:34:42 | 高齢者(おばあちゃん)の多頭飼育
このブログにも何度か紹介してきた多頭飼育のおばあちゃんの猫たち


譲渡できるのではと思う子たちを順番に里親さんに繋げてきました。


ホームページにずっと載っていた五郎丸君としょう君。


なんと、その2匹のうちどちらかを迎えたいと、声がかかりました。


声をかけてくれたのは、これまで猫と暮らす会から3匹の猫たち、


黒猫のアル君、黒白のスプーキー君、長毛のニケちゃんを


お譲りしてきたお宅です。


いろんな子たちが次々に決まっていく中で


この2匹がいつまでも消えずに残っているのがどうしても気になって・・・。


猫を飼う理由は人それぞれですが、そんなありがたい理由で


もし縁が結ばれるのなら、2匹にとっては宝くじに当たるくらいすごいことです。


猫愛にあふれて、1匹1匹の個性も尊重し、猫そのもののことも


よく理解してくださっている奥様と、そんな奥様の影響で


猫が大好きになったご主人。


このお宅に行けたらどんなに幸せだろうと思いました。


問題は・・・先に行った3匹との相性です。


トライアル期間も、通常より長く設け、2匹とも連れて行ってもらい


相性を見ていただくことになりました。



しょう君が、泣き猫で・・・・たぶん耐えられないんじゃないかと思っていました。


泣き猫といっても、そりゃあ半端ないです。


雄叫び?遠吠え?悲鳴?


おばあちゃんのところでは泣くことはありませんが、場所が変わったり


車に乗ったり、ケージに入るとすごいんです。


わたしもですが、ずっと担当してくれたMちゃんAちゃんにも


もし返ってくるようならとスタンバイしてもらっていました。


でも、その雄叫びも1週間でなんとなくクリアできた模様。



こちらのお宅でなければ、絶対に我慢できなかったと思います。


そこから、徐々に気持ちを許しはじめたしょう君。


ニケちゃんとは、大丈夫みたいでした。


ほとんどお任せ状態のフォロー期間でした。




最後は、本当に大丈夫なのかを今一度ご夫婦でしっかりと話し合って


気持を固めてからお返事をいただきました。



どちらか1匹をというお話だったのですが、結局2匹とも


迎えてくださるという【神様はやっぱりいた】と思えるような嬉しい展開。



これには、本当に泣けました。



割と早い段階から2匹とも迎えられたらいいと思ってくださっていたのですが


それでも、慎重に将来を見ていこうと最後の最後まで


きっちり考えてくださいました。


あとから聞いた話ですが、途中でしょう君の猫パンチをくらって


ご夫婦ともども頭から出血。


ご主人が、ふたりとも流血してたねって笑ってくださってました。


そこまでがんばっていただき、もはや感謝の言葉以外出てきません。


頭の皮膚は切れやすいから、しょう君が悪いわけじゃないのよ~の


女神発言に、これまたひれ伏すばかりでした。


長い間、こういう活動をしていて、たまに頭が下がるような里親さんたちに


お会いすることがあります。


縁遠いと思われた2匹は、オスですがシンデレラでした。


かぼちゃの馬車に乗ってお城に行かなければ王子様に会うことは


ありませんでした。


もしかしたらとホームページに載せておいたことが、


かぼちゃの馬車と同じ幸せ行きの切符だったんですね。


お名前もそのまま五郎丸君としょう君です。


避妊去勢の手術が済んだあとも、毎月おばあちゃんのところに


様子を見に通っていたスタッフMちゃん。


彼女の想いも大きな役割を果たしてくれました。


魔法使いのお姉さんですね。


あきらめなければ、願いは叶うものだと、あらためて思うことができた譲渡です。


優しい心でわたしたちの活動を見守ってくださってる方がいらっしゃることに


ありがとうの気持ちを忘れずに過ごしたいと思います。





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ひとみちゃん☆またね

2019-12-29 06:55:00 | 高齢者(おばあちゃん)の多頭飼育


猫と暮らす会が関わってから1年半が過ぎました。


おばあちゃんと暮らしている猫たちは8匹までに減りましたが


12月26日、その中の1匹


ひとみちゃんが天に還っていきました。


21日の土曜日に、担当スタッフのMちゃんがおばあちゃん宅を


訪ねたばかりでした。



前回より痩せて、あまりよくないですと報告ももらっていました。



関わったときから、ひとみちゃんだけ手術することができませんでした。


発育不良の小柄な身体でしたし、舌ベロもいつも出ていて


思わしくない状態でした。


お薬も飲んでもらったりしたのですが、回復には至りませんでした。


この子も、お産を経験したことがあるそうですから


繁殖制限をしていない場所は、どれほど悲惨なことが続いていたのかと


考えただけでぞっとします。


ただ、おばあちゃんは猫たちのことが大好きでかわいがっているのです。


車がないから、足腰が思うようにならないから病院に連れて行けないと


そういうことだったんでしょうか。


誰かの手を借りることに抵抗のある年代、もしくは性格なんでしょうか。


でも、1年半前の状態を振り返れば、かわいがるということと並行して


果たさないとならない責任が絶対にあることがわかります。


ご近所の、ずっとおばあちゃんの家の問題を何とかしたいと思い


わたしたちに相談してきたIさんが、


ひとみちゃんを斎場会館に連れて行ってくれました。


残りの7匹のためにも、おばあちゃんには元気でいてもらいたいと思います。


ひとみちゃん、よくがんばりました。



おばあちゃんに看取ってもらえたことは、ひとみちゃんにとって


大切で幸せなことだったと思います。


安らかにね。



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ゆりちゃん☆すすむ君☆子猫たち☆またね

2019-09-15 02:15:48 | 高齢者(おばあちゃん)の多頭飼育
先週のことですが、スタッフさんがずっとケアしているおばあちゃん宅の


ゆりちゃんという女の子が天に還っていきました。




繁殖し、おばあちゃんの心と体も不調をきたし


おじいちゃんとも家庭内別居。


それでも猫たちを見捨てることができず途方に暮れながらも


なすすべも見つからず、負のスパイラルに陥っていたお宅です。


全ての猫に手術をし、里親募集できる子たちは新しいお家を探しました。


高齢のおばあちゃんの生きがいでもある猫たち。


できたらおばあちゃんの元気なうちに、見送れたらいいと思っていました。


9月5日に看取ることができたゆりちゃんですが


斎場に連れて行くことができず、翌日Mちゃんが行ってくれました。


ここのお宅に関わる前に亡くなったススム君と子猫たちも


すでに骨になって箱に埋めてあった?そうですが、


そちらも今回いっしょに火葬することができました。


借家で埋葬もできず、火葬場に行くこともできず・・・・。


でも、これでようやくみんなの魂も浄化されるのではと思います。




なんだかなぁ~なリアルな話ですが少しほっとしました。


おばあちゃんが元気なうちに、見送れたことはとてもいいことだと思います。


猫の爆発的な繁殖力。


気が付いたときには恐ろしい結果になってしまいます。


手術さえきちんとしておけば・・・・防げる問題はたくさんあるのです。



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まさき君発見!ジュン君探してます

2018-08-28 06:43:22 | 高齢者(おばあちゃん)の多頭飼育
昨日27日、まさき君を見つけて保護してくれた方から


館山寺の浜松市動物愛護教育センターに連絡をいただきました。


目の前の道路を、赤信号でテケテケ渡っていたそうです。


耳カットあるしカラーゴムもしてるし、きっと誰かがお世話してる子だろうと


自宅の倉庫に閉じ込めておいてくれました。


ありがたいことです。


当事者のおばあちゃんに電話したのですが、そんな遠くには行ってないよと電話を切られてしまいました。


動いてもらえそうなスタッフさんに連絡したところ、すぐに対応してくれて


写真も送ってもらいました。




薄汚れてはいましたが、こちらが手術時に結んだカラーゴムがあり


まちがいないと判断。


連れて帰ってもらいました。



夕方、担当スタッフさん宅に移動し、本日おばあちゃん宅にお返ししに行く予定です。



片目が涙目のため薬を飲ませて目薬もさしてもらっています。


**********************************************************************


ジュン君も無事に自宅に帰ることができました。



 紫のカラーゴムをしています。


いなくなったのが南区安松町ですが、まさき君の発見は中区天神町。


約2.5キロ離れています。


直線でも2キロ強。


室内のみで飼うようにしてもらっていたのですが、ご近所からの苦情がある前は


外にも出ていたそうですから、案外移動距離は幅があるかもしれません。


本日、会のスタッフさんたちがジュン君の捜査範囲を広げてチラシを貼ったり


ポスティングしてくれる予定です。


ご近所以外のみなさまも、拡散お願いできたら大変ありがたいです。



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開帳肢(かいちょうし)の子猫

2018-08-10 20:53:04 | 高齢者(おばあちゃん)の多頭飼育
とあるお宅のおばあちゃんが何匹か猫を飼っていたのですが


手術を怠ったことで繁殖してしまい、毎年生まれては死んでいく・・・を繰り返していたのです。


今年の4月の終わりごろ、おばあちゃんのご近所のIさんが相談してこられました。


まじめで一生懸命な話しぶりに、それではいっしょにがんばりましょうと話が進みました。


当事者のおばあちゃんは、このままじゃいけないという意識はあるし、そこにいる猫たちは大変可愛がっていました。


どうしていいのか、どこから手をつけたらいいのか、途方にくれていたんでしょう。


暮らす会のスタッフMちゃんとAKARIちゃんに、現地調査、個体識別、ノミダニの駆除を頼みました。


もちろん一番の話は、今後どうしていったらいいのかです。


Iさんとともにおばあちゃんにわかりやすく手順を説明してきてもらいました。


全部で20匹です。


順を追って手術に入りました。


おばあちゃんもお金が入ったら手術代金は必ず返すからと言ってくれました。


先生とも打ち合わせをし、連れていける日にち、頭数の打ち合わせをしました。


急がないとまた次の繁殖を迎えてしまいます。


理解のある先生で、この頭数を気持ちよく引き受けてくださいました。


また、譲渡できる大きさの子猫たちもいましたから、順番に連れ出してきました。


で、すべて順調かと思っていたのですが、Mちゃんが連れてきたキャリーの中の子猫の様子が


あきらかにおかしいのです。


『え?うそ~?』


両手両足が開いて、そう・・・まさにお魚のヒラキみたいな状態でした。


すぐに受診すると、先生が


『これってウサギによくある開帳肢だろうね、猫では初めてだよ。』


とおっしゃいました。


『治りますか??』の問いに、テーピングしてとにかく様子をみるしかないと。


頑張ってテーピングするんですが、うまくいかずすぐに取れちゃうんです。




当時、わが家には100グラム台の子猫たちがわらわらとおりました。


生死もわからないミルク飲みたちのお世話。


でもってこの開帳肢の子のテーピング作業は、時間的に無理がある・・・と判断しました。


ネットでウサギの開帳肢を調べたところ、小さいうちが勝負だと乗っていました。


わたしの手元にいるよりは・・・・、頭の中でこの子のお世話ができるのは・・・。


いろいろ思いめぐらしてスタッフMEGUさんに電話。


事情を説明し、そのときの動画や写真を送ってテーピングに専念してほしいことを伝えました。


移動してすぐに、この子は【つくし】と名づけたと連絡をもらいました。


まっすぐな足になりますようにと祈りを込めて、お子さんがつけてくれたのだそうです。


MEGUさんのお家で、お子さん含めみんなが【つくし】のために時間をさいてくれました。


そして、なんと約1週間で【つくし】は歩ける、いえ小走りできるほどになったのです。


早めのテーピング、取れたらすぐに巻き付ける・・・。


きちんとお世話してもらったおかげです。


テーピングのやり方を、丁寧に説明してくださった先生にも本当に感謝でいっぱいです。


そして、それからさらに数日過ぎたころには、まったく普通の猫と変わらないくらいになっていました。


これなら、普通に譲渡ができると喜んだのも束の間。


次に移動してお世話になったTさん宅で、【つくし】の離乳が他の子よりかなり遅れているとの報告。


なぜだか普通にフードの切り替えがうまくできなくて、


斜めに立てかけなければご飯を自力で食べることができないのです。


しかも、食べられるフードが結構高価なもので、これを里親さんに指定し続けることになったら


きっと誰にも譲れないであろうという、新たな問題が・・・。


先生方も、理由がわからないので根気よくとおっしゃるのです。


見た目も抜群、性格も抜群。


でも、しっかり他の子猫のように普通のフードを食べられなければ、新しいお家を探すことなどできません。


しばらくTさんががんばってくれたので、環境を変えればうまくいくのではと、またMEGUさん宅に移動しました。


すべて手探りでしたが、成長とともにフードの問題もクリアし、ようやくデビューすることができました。


そして、なんとなんと運命の出逢いがあったのです。






みんながあきらめることなくがんばったおかげで、嬉しい結果に繋がりました。


様々な病気がありますが、丁寧に考えて対処していけば、道は開けるのもですね。


おばあちゃんのお家の猫たちの手術も無事に済んで、毎月のように薬剤をつけに、そして状況を確認しに


スタッフさんたちは通ってくれています。


大人猫たちも、秋が深まったころ・・・譲渡していけたらと考えています。

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