それは、本当に突然の出来事でした。
2カ月前に譲渡したコナちゃんが、亡くなってしまったという悲しすぎる電話でした。
まさか・・・の言葉しかなく衝撃を受けたまま、やはり動転した飼い主さんのお話しを聞いていました。
説明をするその声も震えているのがわかりました。
避妊手術を受けたのが23日土曜日。
自宅に戻ってからも元気はなくて、かなり心配はされていたのですが
女の子なら術後じっと痛みに耐えることはよくありますから、様子を見ていたそうです。
翌24日。
ふらつく様子が気になって施術した獣医さんに連絡を取ると、やはり今日は様子を見て
それでも食欲や様子がおかしかったら月曜日、受診をと指示をもらったそうです。
でも、夕方18時40分。
少量ではあるものの口から血を吐いて倒れこみ、コナちゃんはそれきりになってしまったそうです。
わたしが連絡をいただいたのは、それから20分後の午後19時のことでした。
事前の血液検査も問題がなく、無事に手術が済んで
麻酔から目覚めて自宅に戻ってきています。
いろいろ、こちらで考えてもどうにもならないので、施術してもらった獣医さんに
コナちゃんを連れて行ってみることにしたのです。
月曜日の朝いちばんで病院を訪れて、先生とお話しました。
検査の結果、施術時の麻酔の種類、ガーゼの置き忘れの問題などなど
1件のオペ時に記入する書類も見せていただき、
スタッフさんも大勢立ち会っての手術だったと説明を受けました。
先生が、手術の技術的な失敗は考えられないけれど、手術をしたことそのものが原因で
コナちゃんが亡くなったことは事実だし、申し訳なかったと頭を下げて飼い主さんに
向き合っていました。
飼い主さんは、昨日から自分のせいでコナちゃんが死んでしまったのではないかと
思っていらっしゃいました。
ふらっとしたときお腹をぶったんじゃないかとか、
具合が悪そうだったときすぐに受診すればよかったとか・・・。
何かのサインを見逃してしまったんじゃないだろうかとか・・・。
でもそうではなかったことに、ほっとした表情で『気持ちが楽になりました』と
涙目でつぶやいていました。
自分のせいで、あんなに可愛がってた子を逝かせてしまったと思ったら
やりきれません。
その後、飼い主さんの意向もあり、コナちゃんを病院に預け
今一度、わかるものなら原因究明のための開腹手術をしていただくことになりました。
コナちゃんが戻ってくるわけではありませんが
どうしてこうなってしまったのか理解した上で見送れたのなら
これから先、失った悲しみにもしっかり向き合えるのかもしれません。
ひとつづつ、心の中で整理整頓をしていくしかないのですが
でも、突然逝かれるショックがわかるだけに・・・本当につらいです。
コナちゃんは昨年10月の半ば、性格は抜群なのに
体中カビだらけで殺処分に持ち込まれた4兄弟姉妹の1匹です。
お世話していたスタッフさんも、コナちゃんの亡骸に頬をつけて涙していました。
わたしは、よく頑張ったねと何度も体をさすって・・・・そして
もう一度、飼い主さんの元に戻っておいでと念じました。
こんなに早く駆け抜ける風のように旅立っていきましたが
それでも、優しい温かいお宅に縁があり、しかも兄弟のタロ君といっしょでしたから
コナちゃんは幸せだったと思います。
コナちゃん、しばしのお別れだね。
必ずパパとママとタロ君のいる場所に、戻っておいで
今はそう言ってコナちゃんの魂が安らかであることを祈ろうと思います。
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本日、開腹したコナちゃんのお腹の様子を写真で見せてもらいました。
きれいなオペでした。
問題があったのは、肺だったようです。
色が変わっていて、そこが炎症していたと思われますが
左右の色の違いも先天的なものなのかが判明できず、病理に回したそうです。
滅多にないことですが、こういうこともありうることを
念頭に入れて活動していかないといけないと思いました。