A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

memorandum 257 ものの良さがわかるということ

2016-02-23 23:23:48 | ことば
 ものの良さがわかるということは明治以来だんだんむずかしくなってきている。現代は他人の短所はわかっても長所はなかなかわからない、そんな風潮が支配している時代なのだから、学問の良さ、芸術の良さもなかなかわからない。しかし、そこを骨を折ってやってもらわねば、心の芽のいきいきとした子は決して育たない。教育というのは、ものの良さが本当にわかるようにするのが第一義ではなかろうか。
岡潔『情緒と日本人』PHP研究所、2008年、140頁。

「他人の短所はわかっても長所はなかなかわからない」風潮というのは、ますます強くなっているように思う。心の芽は日々摘み取られている。だから、学問や芸術も育たない。