龍の声

龍の声は、天の声

「蒙古の歌」

2024-03-11 06:34:48 | 日本

今から50年ほど前に、大先輩よりよくこの歌をきかされた。
遥かな蒙古の大草原を馬で走る姿を浮かべ、伊達準之助や小日向白郎に思いを寄せ、夢にまで見た懐かしい歌である。曲もいいが、また歌詞もいい。じっくと味わって欲しい。


「蒙古の歌」(もうこほうろうのうた)

一、俺も行くから君も行け
  狭い日本にゃ住みあいた
  海の彼方にゃ支那がある
  支那にゃ四億の民が待つ

二、俺には父も母もなく
  生れ故郷に家もなし
  馴れに馴れたる山あれど
  別れを惜しむ者もなし

三、嗚呼いたわしの恋人や
  幼き頃のも
  に住めるや今はたゞ
  夢路に姿辿るのみ

四、昨日は東今日は西
  流れ流れし浮草の
  果しなき野に唯独り
  月を仰いだ草枕

五、国を出る時や玉の肌
  今じゃ槍傷刀傷
  これぞ誠のじゃと
  微笑む顔に針の

六、長白山の朝風に
  剣をかざして俯し見れば
  北満州の大平野
  俺の住家にゃまだ狭い

七、を出てから十余年
  今じゃ満州の大馬賊
  亜細亜の間から
  繰り出す手下五千人

八、今日のの城外に
  木だまに響くいななきも
  駒のを忍ばせて
  明日は襲はん奉天府

九、長髪清くなびかせば
  風は荒野に砂をき
  パットく電光に
  今日得しは幾万ぞ

十、繰り出す槍の穂先より
  竜が血を吐く黒竜江
  月は雲間をでて
  ゴビの砂漠を照すなり