福井利佐blog

切り絵アーティストの日々

「スローレーベル」

2011年10月06日 | 過去のBLOG記事

私も関わらせていただいている横浜ランデヴープロジェクトの
「SLOW LABEL(スローレーベル)」のお披露目が
先日、横浜の「象の鼻テラス」で行われました。

海に面した気持ちよい場所、「象の鼻テラス」。

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横浜って、今、トリエンナーレも行われていますが、
アートに力入れて下さってますよねー。
ここもとてもいい場所なのです。

会場はこんな感じに展示されていました!

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かわいい!!

風船に商品がぶら下がっているのです。

こちらの「スローレーベル」は、
横浜の福祉作業所さんとアーティストで
共同で製品を開発する
全て1点ものの手づくり雑貨ブランドです。


昨今の、他の国に頼んで安価に大量生産する物作りに相反して、
手作りでできるくらいの早さ、
そして1個からの自由なもの作りを目指したプロジェクトです。

障害のある方々は、早く制作するのは難しいわけで
ひとつひとつ、じっくりゆっくり一生懸命作っていきます。

私たち健常者は、できるからと
どんどん早く早く生産していってしまいますが、
無理矢理にでも立ち止まって、
「つくる」ということの根源を見直す必要があります。

そんなことを実現させてくれているプロジェクトです。

新しい試みなので、まだまだこれからなのですが、
ひとつづつ確実に形になってきているのだと思います。


風船の紐も手作りで撚っていったものでした。

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こちらのマークが「スローレーベル」のロゴになります。

私とリワーク神奈川さんとの商品もありました!

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素敵です!!!

幼児用の浴衣です。
私のデザインしたてぬぐいで作られているのです。
その名も「背守り ゆかた」。

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注目すべきはここ!!

背中の「背守り」です。

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お腹のひものところににも入れて下さいました。

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「背守り」とは、こどもの着物の背中部分に入れる
魔除けの刺繍のことです。

大人の着物は布の合わせ目のある「二つ身」の背中ですが、
一枚布で作られた「一つ身」のこどもの着物には「目」がなく、
魔物が背中から忍びこまないようにと、
日本では古くから子どもの成長を願って刺繍していたのです。

洋服になっていき、こうした風習はなくなっていきましたが、
私はこの風習を知って、
自分の子どもにもやりたいと思っていたのです。

刺繍の形は、もっともシンプルなものは縦に何針、
斜めに何針で糸を垂らすだけ、とかなのですが、
決まった方はなく、魔除け的な意味合いのある
幾何学模様や吉祥文様だったりと様々なのです。

明治の初め頃には、
教科書やお裁縫の本には掲載されていたくらい
ポピュラーなものだったのです。

今回このプロジェクトでは、
ほぼ個人的な趣味から「てぬぐいで浴衣」とか
「背守り」とか言い出していたのですが(笑)、
なんと、リワーク神奈川さんの中に
元和裁の先生がいらっしゃって、
子供用のゆかたの作り方も知っているし、
(最初は産着がいいといっていたのですが、
 もちろんそれも知っていらっしゃいました。)

そして、なんと「背守り」も
やったことがあるというではありませんですか!

最初は私が決めた形を刺繍してもらおうと思っていたのですが、
ご本人が昔、縫った形が何種類かある中で
なぜか体が覚えている形があるというので
(針を通す順番があるらしい)、
そちらでお願いすることになりました。

それが上記の形になります。

背守りは「魔除け」ということで、
赤色が多く使われ、
形も菱形や麻の葉もようなど尖った形のものが多いのです。

それらが、上手い具合に取り込まれているものでした。

すばらしいですー。

うれしいですー!!!!



この日は、今回のプロジェクトの
ディレクター来栖さんを中心に
トークイベント的にお披露目されていきました。

わかりづらいのですが、真ん中の女性です。

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右は、スパイラルで今回の企画担当 松田さん。

私も説明させて頂きました。

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風船に囲まれていい感じ。

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他にも、様々なアーティストと作業所の制品が紹介されていて
かわいいものがいっぱいです。

まだまだ開発(制作)途中のものばかりですが、
経過を報告しました。

朝日新聞さんから取材を受けさせていただきました。

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製品と一緒に。(これ誌面に載ったのかな?)

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リワーク神奈川の所長さん。

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本当に素晴らしい方で、こういう方の人柄があって
作業所って成り立っているのだなあと毎回感心させられます。

リワーク神奈川さんは病気や怪我などで
中途障害の方々の作業所です。

こちらはこの日にお目見えした、男児用。

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袖が短く、背守りが「青」色です。

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男の子にだって着てもらいたいですものねー。



前回のブログでもお話ししたように、
この元和裁の先生、
今回の企画まで和裁を「封印」していたのです。

もう昔のようにできないからと諦めてしまっていたのです。

しかし、こちらに関わっていただくようになってから
グングンと表情も明るくなり、
なんと、動かなかった左手も少し布が掴めたりと、
思わぬリハビリ効果もでて、
すごくハッピーなことになってきているのです。

所長さんも
「もちろん普通のリハビリも10年以上やっていますが、
こうした本人の好きなことをすることによっての
運動機能の回復には驚かされます。」
とおっしゃっていました。

感動~!

すごいなあ。

いやあ、中途障害って私にも起こりうることだし、
私の両親とか、いつ誰がなってもおかしくないことで、
常に「現実」として毎回受け止めて関わらせていただきました。

こうして、施設だけでなく第三者の力の介入で
新しい風が入っていくのはとても大切なことだと思います。

さてさて、まだ他の製品も考えなければいけません。

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プロジェクトスタッフの田辺さんと打ち合わせ。

プロジェクトリーダー来栖さんとも交えて。

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そして、かつて私がお勤めしていた場所での知人が、
お披露目パーティーにいらしていました。

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立派にアーティストとしてご活躍の横須賀義幸さんに対して、
この写真のような、
先生と生徒みたいな図はなんでしょう(笑)。

(働いている当時は、
職員とアルバイトさんみたいな関係ではありましたが・・・。)

改めます・・・。


この日、象の鼻オリジナルビールをオーダー(の増賀さん 笑)。

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このバッグもかわいいよね~。

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生地を「風のバード」の障害者の方が織っていって、
デザイナーの矢内原充志さんが縫製したもの。

写真を撮る私。

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この日の風船ですが、
娘の好きなピンクの紐のものを
持ち帰らさせていただきました。

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風船すきよね~。



そしてこちらの製品がいよいよ展示販売になります。
場所は横浜タカシマヤさん。


「スローレーベル」ショップin横浜高島屋

販売期間
10/ 5~10/18 7階生活雑貨ショップ「マ ピエス」
10/12~10/18 1階正面特設会場「I  LOVE  THE  EARTH」

そして、製作実演もあります。
作業所の方がどういった形で制作しているか披露して下さいます。

10/14 14:00 とつかわかば
10/15 11:00 風のバード /14:00 リワーク神奈川
10/16 14:00 わくわくわーく

ぜひぜひいらして下さいねー。
手づくりなので、商品の数はあまりありませんのでご了承下さい。

さてさて、休日はもっぱら娘と遊びまくります。

代々木へ~。

明治神宮、気持ちいい~。

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あんな都会のど真ん中に、信じられない空間です~。

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加藤清正の井戸。

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きれいね~。
本当に青いのが不思議です~。

そして、この日の目的地、代々木公園のインドフェス!

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大賑わいで、立ち食い。
娘が寝ていたのでベビーカーの屋根をテーブルに(笑)。

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かなり終盤の食べかけ図ですみません(笑)。

ごはんがおいしかったです!!
「ナン」って美味しいですよねー。

辛くないものも多くて、娘も食べれたはずなのですが、
明治神宮ではしゃぎすぎて長い睡眠に・・・。

辛かったらと思って、
おにぎり持ってきてあったのでそちらを食べました。

サンドアート

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象さんもいたよ。

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随時作ってました。

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ライブも古典舞踏あり、ボリウッド的なダンスあり、
タブラやシタールの音楽演奏ありでとてもよかったです。

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私はナンも食べたかったのですが、
ライブが目的でした。

タブラとかシタールとか、あの独特の歌声とか
気持ちいいですよね~。

大満足の休日でした。