保健福祉の現場から

感じるままに

医療計画の評価指標は組織横断で

2016年12月08日 | Weblog
M3「第7次医療計画の基本方針、「意見とりまとめ」告示等は今年度内、残る課題は「医師確保と療養病床」」(https://www.m3.com/news/iryoishin/483933)。<以下引用>
<厚生労働省の「医療計画の見直し等に関する検討会」(座長:遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)は12月7日の第8回会議で、2018年度から始まる第7次医療計画の基本方針に関する「意見のとりまとめ」(案)を議論、了承した。一部文言等の修正の上、社会保障審議会医療部会に諮る。「意見のとりまとめ」の内容は、厚生労働大臣告示(「医療提供体制の確保に関する基本方針」)と、その関係通知に反映される。いずれも今年度内に発出される予定。「意見のとりまとめ」(案)は、前回会議でほぼ了承を得ていた。「意見のとりまとめ」(案)のうち、他の会議の意見を待って反映させる部分がある。その一つが、「医療従事者の確保等について」。厚労省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」等で議論している。療養病床についても、社保審「療養病床の在り方等に関する特別部会」で議論しており、これらの結論を踏まえ、本検討会でも年明けに議論をする予定。「意見のとりまとめ」(案)には幾つか質問も 7日の会議では、「意見のとりまとめ」(案)に対し、構成員から幾つか質問や意見が出たが、基本的内容に変更はない。奈良県立医科大学教授の今村知明氏は、医療計画に記載すべき5疾病には追加しないものの、「ロコモディブシンドローム、フレイル、肺炎、大腿骨頸部骨折」の4疾患を今後対策が必要な疾患として挙げたものの、「各論としてどう対応するかが、抜けている」と指摘。厚労省医政局地域医療計画課は、今後通知で示す方針であると説明。日本医療法人協会会長の加納繁照氏は、「限られた医療資源を有効活用することが重要であることから、今後も、医療機器等の配置のあり方等については、研究を行うことが必要」とある点について、「放射線治療装置等の高額な医療機器」を想定していると記載するよう求めた。しかし、厚労省は、MRIやCTなども研究対象になるとしている。日本精神科病院協会理事の桜木章司氏は、精神疾患について、障害福祉計画との整合性を質した。同計画については現在、社保審障害者部会で議論されていることから、医療に関係する部分を反映させるよう求めた。医療計画では、5疾病の対策の進捗を把握するための「指標」も定める。今村氏は、5疾病の一つ、糖尿病の指標について、「合併症(歯周病などの発症率)」とあるため、「医科、歯科連携がないと、指標としては難しい。新たな調査を行うのか」などと指摘。指標は、比較的容易に入手できる既存のデータを用いるのが望ましいが、「歯周病合併例」は、医科、歯科のレセプトの突合などがないと、分からない。そのほか、指標の関係では、「在宅医療」について、東京大学政策ビジョン研究センター特任教授の尾形裕也氏は「ストラクチャーやプロセスの指標だけでなく、アウトカム指標も入れるべき」と指摘。日本看護協会常任理事の斎藤訓子氏は、「入院医療機関と、かかりつけの医療機関や居宅介護支援事業所等との入退院時における情報共有」の指標として、「退院時共同指導料」を活用できると提案した。>
 
医療計画の見直し等に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=127276)の「意見のとりまとめ(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000145044.pdf)では、5疾病・5事業・在宅医療の指標の見直し案が示されているが、もう少し充実すべきと感じる。例えば、NDBオープンデータ(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139390.html)で、特定健診結果が都道府県別に性・年齢階級別に出ており、血糖コントロール不良者の割合は「糖尿病」の評価指標として期待される。「保険者データヘルス全数調査」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/dhcs28/)の結果について、日本健康会議データポータル(http://kenkokaigi-data.jp/)に出ており、データマッピング(http://kenkokaigi-data.jp/datamap/)の都道府県地図をクリックし、「詳細」をみれば、それぞれの都道府県内の取り組み状況(市町村、保険者)が詳細にわかることから、「かかりつけ医等と連携して生活習慣病の重症化予防に取り組む自治体割合」も評価指標にすべきであろう。地域包括ケア「見える化」システム(http://mieruka.mhlw.go.jp/)では、「在宅医療・介護連携推進事業の実施状況」が市町村ごとに出ていることを踏まえ、「在宅医療・介護連携推進事業の実施市町村割合」は「在宅医療」の指標とすべきである。「意見のとりまとめ(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000145044.pdf)p18「退院支援加算を算定している病院、診療所数」がある。病床機能報告(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)では一般病床、療養病床を有する全ての医療機関について、介護支援連携指導料、退院調整加算、退院時共同指導料の算定件数が出ているだけでなく、1ヵ月間の退院先別患者数(居宅復帰率、施設も含めた在宅復帰率)、退院後の在宅医療必要量と提供、在宅復帰支援状況等が出ていることを踏まえたい。特に介護支援連携指導料は医療介護連携の評価指標として欠かせず、医療計画作成支援データブック(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000115654.pdf)の分析データを評価指標とすべきである。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000124788.pdf)p158の「がんの医療体制構築に係る現状把握のための指標例」に「がん検診受診率【地域保健・健康増進事業報告】【国民生活基礎調査】」があるが、国立がん研究センター「がん登録・統計」(http://ganjoho.jp/reg_stat/)では「都道府県別がん検診プロセス指標データ」(http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/dl/index.html#a27)が公表されていることを踏まえ、がん検診の精度管理指標(要精検率、精検受診率、陽性反応適中度)を評価指標にすべきであろう。NDBオープンデータ(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139390.html)に出ている「精神科専門療法(都道府県別算定回数)」は「精神疾患」の評価指標にすべきであり、実際には、医療計画作成支援データブック(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000115654.pdf)の分析データが活用できるであろう。ところで、「意見のとりまとめ(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000145044.pdf)p3「既設の二次医療圏が、入院に係る医療を提供する一体の圏域として成り立っていない場合は、その見直しについて検討することとする。」とあるが、医療計画作成支援データブック(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000115654.pdf)による、主傷病(がん、脳卒中、糖尿病)の入院について、二次医療圏のカバー率を評価指標にすべきと感じる。
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