医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

押し寄せる波

2012-03-24 07:11:57 | 薬局
気になることがある。

「調剤が好調で」はドラッグストアの決算報告で良く見かけるフレーズである。
もちろん調剤専門の大手も「調剤業務の進展で」となっている。
その他には医薬品卸も「調剤が好調で」となる。
この世の中で好調な事業はと聞かれると迷わず「調剤」となりそうだ。
これを、指をくわえて見ている企業家はいない。

ドラッグストア大手のマツモトキヨシが調剤専門の子会社を設立して、一層の拡大に乗り出すと宣言した。
その名も「マツモトキヨシファーマシーズ」とそのままだ。
今後の展開として全国に向けた調剤薬局の開局・運営を進める。
その他にも薬剤師や登録販売者への専門教育、登録販売者資格取得に向けた支援、薬剤師の派遣・紹介業務などを行うようだ。
既に、ある程度の成熟市場への参入だ。
かなりの荒手を駆使しないと市場からはじき出される。
あえてそれを覚悟のうえだ。

また、総業小売業(GMS)大手のイオンリテールでも「調剤・医療運営部」を新設し、調剤や医療の分野への積極的な進出を図るようだ。
2年前の今頃だったと思うが、その当時のドラッグ・ファマシー事業最高経営責任者が、調剤事業への積極的な進出について経営幹部の了承を得たと話していた。
岡田さんが「うん」と言ったということである。
さらにイオンモールのテナントとして入っている医療機関と連携し、在宅医療へも取り組みたいとも話していた。
これはかなりの脅威となる可能性がある。
私なら具体的な戦略・戦術が画けるが、さてさてお手並み拝見といきたい。

未だ調剤ポイントの行方も定かではない。
既に決着がついたかのように見えるが、このまま静かにドラッグストアなどが諦めるとは思えない。
そうなると処方せんの争奪戦はかなり厳しいものが待ち受けているかもしれない。
今まで来ていた処方せんが、気が付かないうちに来なくなっているって事にならない様に細心の注意を払ってほしい。

もう1つ気になるのは大阪府私立病院協会が今回の診療報酬と薬価改定の影響度についてコメントを出している。
それによると比較的急性期医療を提供している医療機関ではプラスの傾向が見られる。
但し、外来部分を未だに持っている医療機関は薬価のダウン分が大きく影響し、収益性が落ちているとしている。
これはひょっとすると院内調剤から院外調剤になる最後のチャンスになるかもしれない。
門前に場所の確保が無いと諦めるのではなく、もっと薬局周辺の住民に、今からどの様なアプローチが出来るかを考える必要を感じる。
何事も機会と脅威は背中合わせだ。

最後に勝つのは「信頼される薬剤師」がいるかどうかだと思う。
会社全体として「信頼される」とは何かを、話し合ってみてはいかがであろうか。


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コメント (2)
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