20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
毎日更新。児童文学情報・日々の暮らし・超高層からの眺望などニュース満載。

飛行船、ぷかり。

2008年12月31日 | Weblog
 大晦日の空に、飛行船が浮かんでいます。
 新しい年を迎えるために大忙しの地上の様子や、100年に一度と言われる不況でたいへんな日本を眺めながら。
 それをみていたら、たいへんなときだからこそ、人間もあんなふうに自己を俯瞰して見つめる視線が必要なのかもしれない、などなど一年を振り返っていました。

 
 さて、今年のお元日からはじめた、このblog。
 気がついたら、毎日たくさんの皆さまにお越しいただいておりました。
 こんなに大勢の皆さんに見ていただいていると思うと、元来の単純さである「純」の血が騒ぎ、結局、毎日更新するはめに・・・。

 皆さま毎日ほんとうにありがとうございました。
 来る年も変わらずおつきあい下さいますよう、お待ち申し上げております。
 どうぞ、よいお年をお迎え下さいませ。
コメント (6)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『はなよめさん』(楠章子著・ポプラ社刊)

2008年12月30日 | Weblog
 関西にお住いでいらっしゃる作家の楠章子さんが新刊を出版されました。
 低学年向けのご本、『はなよめさん』です。
 花嫁さんに着眼されたところが、とても新鮮でした。

 さくらの花びら色の背景に白無垢の花嫁さん。
 手にしたとたん、ぽっと、そこに春が灯ったような美しいご本です。

 パパの妹である「まいねえちゃん」が、お嫁にいくことになりました。まいねえちゃんは、一緒に暮らしている家族です。
 そのおねえちゃんは、亡くなった自分のお母さんがこの家にお嫁にくるときに着てきた白無垢を着て、この家からお嫁にいくと決意しているのです。
 それを着ることで、亡くなったお母さんを感じることが出来、またすこし前に倒れた体の不自由なお父さんに花嫁姿を見せてあげられるからです・・・。

 読んでいると、この美しくてやさしいお姉さんが、楠章子さんのように思えてくるから不思議です。
 そして、いよいよ楠章子さんらしい美しいファンタジーの登場です。
 そこには、はたしてどんなファンタジーが用意されているのでしょう。
 それは読んでのお楽しみ。
 ラスト、心地いい余韻を残し、お話は閉じます。
 このやわらかなお話に、関西弁での語りがとてもあっています。
 皆さま、どうぞお読みになってください。
 
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

仏像を見て歩く。

2008年12月29日 | Weblog
 今年は喪中なので、おせち料理作りから解放されています。
 そんなわけで、年末、ぶらりと、上野の国立博物館に仏像を見にいってきました。
「仏像の道ーインドから日本へ」
 仏像を見ていると気持ちが安らぎます。仏像はほんとうに美しいです。
 その後、同じ敷地内にある法隆寺宝物館で、やはり仏像を。
(上の写真は、法隆寺宝物館。きーんとした冬の空気に、冷たい噴水の水が溶けこんでいました)
 まさに仏像、仏像、仏像と、仏像三昧の、大満足の半日でした。

 ふと見上げると、敷地内にある樹齢何百年というユリの木の花が、すっかりドライフラワーになり、そのまま木についています。
 遠くから見ると、数年前、列車でパリ郊外へ行ったとき車窓から見た「ヤドカリの木」のように見えます。
 
 国立博物館の敷地にある建物は、どれもとてもステキです。
 敷地を隔てた向こうには洋画家・黒田清輝の遺産で建てられた煉瓦作りの「黒田記念館」。そのはす向かいは東京芸大の「旧泰楽堂」。「黒田記念館」のおとなりは「国立国際子ども図書館」と、どこかの国の、どこかの時代に迷い込んでしまったような気分にさせてくれます。
 時間があるときに、ぶらりと歩くのにもってこいの場所です。
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ちょっと遅れて、バースディ

2008年12月28日 | Weblog
 このところ連夜、夫が仕事の忘年会、忘年会で、クリスマスも、お誕生日もありませんでした。
 私も夜、仕事などで外出することがたびたびあるので、もちろん文句など言いません。毎日ひたすら感謝、感謝です。
 
 ところが昨日、六本木・東京ミッドタウン4Fにあるイタリアンレストラン「ボタニカ」に夫が予約を入れてくれていて、クリスマスが終わって静けさのもどったミッドタウンでお誕生日のお祝いをしてくれたのです。
 昨年から、もう年は取らないことに決めています。去年から年齢を忘れて生きることにしたのです。
 でもおいしいお料理に舌鼓を打つのは「ウェルカム」です。
 我ながら、なんとゲンキンなこと!
 
 お誕生日である12月25日。西の空を夕日が赤く染めるころ。
 ここ数年の恒例である、モーツアルトの「レイクエムニ短調 ラクリモサ」と「アヴェ・ヴォルム・コルプスK,618番」を、7月に亡くなった母やいろんな人たちに感謝を捧げながら聴きました。
 クリスチャンでもなんでもありませんが、それが私の暮れゆく一年のささやかな儀式になっているのです。
 冬の澄み渡った空が燃えるような赤から群青色に変わっていくのを見つめ、静かな気持ちでモーツアルトのミサ曲を聴く・・・。
 胸に染みいる時間です。
コメント (6)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『シャトルバスにのって』(飯田朋子著・新日本出版社刊)

2008年12月27日 | Weblog
 先日もご紹介した作家・飯田朋子さんのデビュー二作目です。
 
 デビュー作の『だんご鳥』で「障害は個性だ」と書いた飯田さんは、今回の『シャトルバスにのって』で、さらにその個性をきらきら輝かせ、本からはみ出してしまうくらい、きらきら、どきどき、わくわく、描き出しています。
 本を閉じてもなお、胸のこのへんで、子どもたちが飛び跳ねています。
 自分の貧弱な文章でどう書いたらいいか、言葉が見つかりません。
 どんなことを書いても、このぴちぴち、きらきら、生き抜いている子どもたちのパワーは、伝えきれないような気がします。
 障害をもっている姉の「るきちゃん」も、その妹の「咲記ちゃん」も、オーストラリア人のお母さんと日本人のお父さんのハーフの「カオリちゃん」も、マザコンの「真奈ちゃんも」、家出中の「恵子ちゃん」も、「たこ焼き屋のおじさん」も、迷子の「たっちゃん」も、みんなみんな、泣きたいくらいカッコいいです。

 飯田朋子という作家は、いったい何者なのでしょうか。思わずそんなことを思ってしまうくらい、子どもたちがすぐ目の前で、息をしていて、怒っていて、笑っていて、泣いている姿を鮮やかに描きだしています。見事なくらいに。
 ピクニックに出かけるだけの、たったそれだけの物語だというのに、子どもたちをこんなにも豊かに生き生きと描ききるなんて!
 風や川の水の冷たさや、子どもたちの歓声が、まだ耳もとに残っています。
 それもなんの気負いもなく、あたたかな目線でひょいと身軽に掴み取っているのです。
 いやはや、すごいです。

 皆さん、とにかく、お読みになってみてください。
コメント (6)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

 この本だいすきの会「暮れの集会」

2008年12月26日 | Weblog
 12月26日(金)~27日(土)まで、「この本だいすきの会」の暮れの集会が、市川のグランドホテルで行われます。
 今日の金曜日は、14:30~「ズッコケ三人組平和を語る」と題して、作家の那須正幹さんの講演があります。
 その後、17:00~は大広間で、「児童文学作家・画家を囲む交流会」が行われます。
 翌日の土曜日は、「絵本と語りの世界」と題され、代表の小松崎進さんや、大西紀子さんの読みがたりが行われます。

 そんなわけで今日はこれから、作家の友人Iさんと市川の駅で待ち合わせをして、那須さんのお話をうかがい、その後、17:00からの交流会にお邪魔したいと思っております。
 一年の最後にこうして全国からお集まりになる、たくさんの皆さんからパワーをいただけるのは、ほんとうに励みになります。
 
 外は冷たい北風がぴゅーぴゅー吹いています。
 厚着をして、元気に出かけてこようと思っております。
 
コメント (9)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「旅の日記から」(「鬼ヶ島通信」より)

2008年12月25日 | Weblog
 先日、親しい編集者のK社のKさんに「鬼ヶ島通信」をお送りいただきました。
 彼女はこの雑誌の、編集委員のおひとりのようです。
 惹かれたのはそこに掲載されていた、画家・小林豊さんのスケッチと文章でした。
「旅の日記から」には、海外を歩く彼の、目と足と感性で捉えた人びとの暮らしの風景が、見事な描写と重厚で無駄のない簡潔な文体で綴られています。
 
 小林豊さんとは、日ごろからの仲よしです。仕事のお仲間で作っているなかよしグループのメンバーなのです。
 先日も酔いにまかせて彼は、日本のある土地の話を熱く語ってくれました。
 彼の話を聞いていると、見知らぬ土地の漆黒の闇や、極彩色のいかがわしさまでが映像として浮かんできます。
「あそこは日本の恥部だよ。でもそれが面白い」  
 スケッチと文章だけではなく、彼の言葉はいつも、無駄がなく、ずっしり重く、おまけに美しいのです。
 ワイルドで、あたたかい佇まいが、それをあと押ししています。

「旅の日記から」を読んでいると、ロシアの街を歩いてみたくなります。
 見果てぬ土地を歩いてみたくなります。
 機会がありましたら、ぜひお手にとってページを繰ってご覧になってください。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『パパとミッポの夢の五号室』(田部智子著・岩崎書店刊)

2008年12月24日 | Weblog
 昨日もご紹介した、なかよしの作家、田部智子さんが新刊をご上梓されました。
 デビュー作『パパとミッポの星の三号室』(岩崎書店刊)に次ぐ、シリーズ第二作『パパとミッポの夢の五号室』です。
 このシリーズは、登場人物ひとりひとりの(ミッポもパパもクルリンさんも、チェリーちゃんも管理人の家内さんも)それぞれのキャラクターがとっても魅力的です。それから田部智子さんらしいチャーミングでやわらかな語りが・・・。
 これが、まずはこの作品の最大の魅力です。
 
 シリーズ第二作、今回の作品は、夢の五号室に住む住人の正体と、ミッポとパパが住むマンションの「不思議」の謎が解明されます。
 そして今回の作品のキーワードは「夢」です。
 さてミッポちゃんは、この作品で夢をめぐるどんな冒険を私たちに見せてくれるのでしょうか?(いろいろなステキな魔法と共に、これは読んでのお楽しみ!)
 
 田部智子さんの文体は、読んでいると、その不思議さがまるでおいしいお水を飲んだあと、体の細胞がぷちぷちとみなぎってくるような、そんな力があります。
 そしてなにより、とっても、おしゃれです。
 今回、五号室の住人と関わり合いながら(詳細は、これからお読みになる方のために、敢えて明かしません)ミッポたちが体験していく世界を読んでいて、私は不思議な感覚に囚われている自分に気づいていました。
 
 そう、そのむかし。私がまだほんの小さな子どもだったころ、はじめて映画館でウォルト・ディズニーの映画を観た、あのときのわくわくした感覚です。それが蘇ってきたのです。
 田部智子さんという作家は、体内に「子どもの感覚」を内包していらっしゃる、極めて児童文学者らしい作家なのかもしれないと、そのとき思いました。
 皆さまぜひお読みになってください。
コメント (6)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『オリガ学園 仕組まれた愛校歌』(佐藤佳代著 金の星社刊)

2008年12月23日 | Weblog
 若い作家の友人、佐藤佳代さんのデビュー作が出版されました。
『オリガ学園 仕組まれた愛校歌』です。
 福島正美記念SF童話賞に入選経験のある佐藤佳代さんは、ファンタジー作品も数々書かれていて、まさにこれからの児童文学界を背負っていくホープのおひとりです。
 彼女のデビュー作をご紹介する前にちょっと宣伝を。
 数年前、私は日本児童文学者協会の「創作教室」(詳細は児文協HPを)の責任者をしていました。そのころ受講されていた人たちが、この佐藤佳代さんや、いまや縦横無尽の大活躍をしている濱野京子、工藤純子、田部智子(近々二冊目のご本のご紹介をこちらblogでさせていただきます)、飯田朋子(同じく二冊目を近々・・・)、イノウエミホコなどの各氏です。
 来年はここに、さらに新人作家が登場します。
 児文協事務局のGさんに「今度<活躍する創作教室卒業生たち>という特集を組んで」、とお願いしているくらいです。
 あのころはお教室が終わるといつもみんなで、わいわい将来の夢を語ったり、文学について語ったりしたものです。
 あれから3年?4年?・・・。
 こんな短い間に夢を現実のものにしてしまった彼女たちの力には、ただただ敬服するばかりです。
 
 さて『オリガ学園 仕組まれた愛校歌』佐藤佳代ちゃんの新刊です。この作品、舞台設定は実にファンタジックです。いえファンタジーというよりファンタジー的色合いの世界を描出していると申し上げたほうが適切かもしれません。
 ドイツ人の父親と日本人の母親から生まれたふたごの姉弟にしても、シュヴァルツヴァルトと呼ばれるドイツの黒い森での暮らしも、織賀の街にあるオリガ学園の理事長にしても・・・。
 その魅力は、いわゆる文芸少女漫画の世界で好んで描かれる「愛憎劇」です。それを実に端正な文体で書き込んでいます。
 ラスト、魔法が溶けていく瞬間の大団円にさしかかったところでは、思わず手に汗を握りしめました。
 ここまで「少女漫画的世界」を描ききった児童文学を、私は読んだことがありません。それくらいの新鮮さで、この物語は迫ってきました。
 これはもしかしたらすごい冒険作かも知れないと。

 ともあれ、若い作家の誕生に心からの祝福をお送りしたいと思います。
 彼女は今後、さまざまなジャンルの作品を書きこなしていく大きな作家にきっと成長していくでしょう。その予感をこの作品を読んでいて実感しました。

 2月7日(土)には彼女の出版記念パーティが開かれます。
 ご連絡はこれからだと思いますが、ぜひたくさんのみなさまのご出席をお待ちしております。
 みなさま、どうぞお読みになってください。
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

キッチン工事とホームクリーニング

2008年12月22日 | Weblog
 年末が近づいてきました。
 忙しくて、なかなか日にち調整のつかなかった、キッチンの工事とホームクリーニングを、今日いっせいにやっていただくことになりました。
 キッチンを思い切ってIHにしようと思っているのです。
 むかしのIHは、使えるお鍋と使えないお鍋があって、かなり使い勝手が悪かったようです。
 しかし、オールメタル対応IHクッキングヒーターと言って、土鍋以外でしたらすべてのお鍋に対応できるIHが新発売になったらしいのです。
 もともとマンション全体がオール電化ではありますが、IHにするととにかくお掃除が簡単だとか。デコボコのないただのフラットなので面倒な五徳のお掃除も不要で、さっと拭くだけでいいらしいです。それに惹かれたことと安全面を考慮して工事することにしました。
 
 それから、毎年恒例の水回りのクリーニング。
 これをやっていただくと、一年間、日々の簡単なお掃除でどうにか暮らせます。やはりプロのお掃除は違います。
 と、そんなわけで、今日は慌ただしい一日になりそうです。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする