20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
毎日更新。児童文学情報・日々の暮らし・超高層からの眺望などニュース満載。

新刊3冊ご紹介

2013年04月30日 | Weblog

 新刊を3冊ご紹介いたします。

      

『いい子じゃないもん』(田部智子作・岡田千晶絵・福音館書店)

『ユーレイ通り商店街』シリーズの第5巻です。

 すっかり、さびれてしまった通称「ユウレイ通り」。そこで暮らす子どもたちや大人たちのさまざまなすがたを、生き生きと描きながら作り上げられたシリーズです。

 第5巻は、ユウレイ通り商店街を通りすぎたところにあるアパートに、お母さんとふたりで暮らしている「都」が主人公。

 いつも「いい子」「いい子」と言われている都は、折り折りに自分のアイデンティティについて、考えてしまいます。またクラスメートたちはそんな都を改造しようと、「都改造計画」なるものを立て始めます。

 そんな都の、自らへ問いかけがひたむきで魅力的です。

 そんな都が、5巻では和菓子屋さんのおばあさんと繋がり合いを持つなかで、大きく成長していくすがたが描かれています。

「由緒ただしきいい子がするべきことは何か、まわりの大人たちを困らせることだ。そのことで大人は成長するのだから」

 このメッセージが、都だけではなく読者の胸もゆさぶります。

      

         

『スノードームにさ・し・す・せ・そ』(童話工房ふろむ編・かわのむつみ絵・国土社)

 同人誌「ふろむ」の皆さんのアンソロジー、第二段です。

 第一弾は『キッチンくまかか』〔国土社〕でした。このときのテーマは動物。すでに増刷になっているそうです。

 そして、今回のアンソロジーのテーマは「おもちゃ」です。

 このテーマに沿って、同人の皆さんがバラエティに富んだ楽しい短編を書いていらっしゃいます。

 個々にご紹介するスペースがないので、タイトルと作者名だけ。

 ぜひ皆さん、お読みになってください。

『子犬のミルクとスーパーボール』(田沢五月)

『スノードームにさ・し・す・せ・そ』(おおぬまいくこ)

『いいもの見いつけた』(田中良子)

『うーちゃんのスコップ』(にしかわとよこ)

『こんもり山のおもちゃ屋』(かわのむつみ)

『赤いようちえんバス』(山崎玲子)

『たこを追いかけろ!』(ますだ文)

『ちよさんとお手玉』(鳥野美知子)

『まいごになったオルゴール』(みうらなお)

『万華鏡の中の守り神』(千葉留里子)

          

『ゾウの森とポテトチップス』(横塚眞己人・写真と文・そうえん社)

 今年度の課題図書です。

 そうえん社では昨年の『チョコレートと青い空』(堀米薫作・小泉るみ子絵)に続き、二年連続の課題図書です。編集者のKさん、がんばっています!

『ゾウの森とポテトチップス』は、インドネシアのボルネオ島に暮らす、ゾウたちのすがたを、写真家である作者が取材しながら作り上げていった写真絵本です。

 人間たちが、自分の都合だけで変えていった自然の中で、ゾウたちの暮らしはどんどん追い詰められていきます。ゾウたちが暮らしていた森が、いまやアブラヤシの果実の森になっています。

 アブラヤシから「バーム油」というのをとるためにです。「バーム油」というのは世界中に輸出され、ポテトチップスや、カップ麺や、洗剤などを作るために使われているものです。

 なにげなく食べているポテトチップス。けれどそれは、ゾウたちの暮らしの犠牲の上に成り立っていたのです。

 ボルネオのすばらしい写真の数々や、図鑑のように解説された部分。小さな子どもにもとてもわかりやすく、簡潔でゆったりとした文章で描かれています。

 横塚さんは、追い詰められたゾウたちの暮らしについて、こう綴ります。

「ぼくは、手だてをうつための一歩をふみだしました。そのさいしょの一歩は、

 <知る>ことからはじまるのです。

 すばらしい写真絵本です。たくさんの子どもたちに読んでほしいです。

 

 皆さま、どうぞお読みになってください。

 

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子どものためのGW

2013年04月29日 | Weblog

        

 ゴールデンウイークです。

 今日はGWに親子でお出かけするのに、お薦めのスポットをご紹介します。

 一つ目は、毎年恒例の上野で行われている「上野の森親子フェスタ」

 各出版社のテントが出ています。

 児童書や、絵本を見つけるいい機会です。

 

 もうひとつが、銀座三越の9階にある「銀座テラス」

 お昼どきにここにいくと、お弁当を持ち込んで親子で食べている人。お友だち同士、地下でお弁当を買ってペットボトルのお茶も買ってここで昼食中の人。

 さながらピクニックのような光景がひろがっています。

 私たち書き手にとっては、人間観察にはもってこいの場所です。

 GWには子どものための、楽しそうなセレモニーが目白押しです。

 まだ、ご予定の入っていない方は、ぜひ予定にいれてみたらいかがでしょう。

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青楓(あおかえで)

2013年04月28日 | Weblog

            

 ゴールデンウイークの今日は、娘夫婦の家に、ランチに招かれています。

 そのあと○くんたちと、みんなで銀座へ。

 

 この期間中、夫と奈良へ行こうかと話しておりましたが、どうも日程があわず、日帰りで仙台に行くことになりました。

 仙台博物館ではいま、東日本大震災復興支援「プライスコレクション・江戸絵画展」をやっています。

 江戸の絵師、若沖や、芦雪を見るために行ってきます。

 アメリカ人のプライスさんは、ほんとうに優れた絵画審美眼を持っていらっしゃいます。

 日曜美術館をみて、本物に触れたくなりました。

 日帰りなので、ワンポイントです。

  

 夫はずいぶん高いときにユーロを買って持っています。その後ユーロ安になりそのままフリーズしています。

 ですから秋にはスペインに行って、そのユーロを使う予定でいましたが、スペインの経済情勢を考えるとちょっと怖いので、もう少し落ち着いたらと,ユーロはフリーズのまま・・・。

 奈良への旅が、仙台への旅になったように、スペインへの旅は、どうやら2泊か3泊くらいの新羅王国の都・金城・・・、慶州で仏国寺などの世界遺産を巡る旅になりそうです。

 これくらいの日程の旅行でしたら、お互い忙しい夫も私も予定を合わせられそうです。

 いままさに、青葉薫風のころ。

 青楓がまぶしいほどに、うつくしい季節です。

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『飛ぶ教室 2013春』(光村図書)

2013年04月27日 | Weblog

           

 『飛ぶ教室』の春号が発売されました。

 今月号の特集は「だから,絵本はおもしろい!」

 若手絵本作家特集です。贅沢な競作絵本が並んでします。

 また「絵本のこと、話そう」と題した、若手絵本作家の石井聖岳さん、高畠邦生さん、亀山達也(tupera tupera)さん,3人の鼎談がおもしろいです。

 絵本の、新しい風を感じます。

 

 私は、児童書の書評を担当しています。

 今回は、メインの書評では『いつもいつまでもいっしょに』(フース・コイヤー作・野坂悦子訳・福音館書店)を取り上げております。それからキャプションでは、今年度の日本児童文学者協会賞を受賞された『チャーシューの月』(村中李衣作・佐藤真紀子絵・小峰書店)などをご紹介しております。

(ちなみに、以前同じくキャプションでご紹介した『糸子の体重計』(いとうみく作・佐藤真紀子絵・童心社)が今年度の新人賞でした。おふたりとも、おめでとうございます!)

 他に、絵本は及川賢治(100%ORANGE)さん。

 YAは金原瑞人さん。

 大人の本は穂村弘さんです。

 おしゃれでとてもおもしろい雑誌です。ぜひお読みになってください。

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新刊3冊ご紹介

2013年04月26日 | Weblog

 友人の皆さんの新刊を3冊、ご紹介いたします。

      

『恋する和パティシエール』(工藤純子作・うっけ絵・ポプラ社)

『恋する和パティシエール』シリーズの第3巻です。

 今回は「キラリ!海のゼリーパフェ大作戦」

 毎回オリジナリティに富んだ、おいしそうなスイーツを、子どもたちが完成させていきます。

 そのプロセスを、ストーリーと絡めながら、どきどきしながら読んでいく楽しみのあるシリーズです。

 子どもたち自らが作り出すスイーツの楽しさ。

 そして主人公の「杏」、ボーイフレンドの「倫也」、スイーツ作りのライバルである「マリエ」との関係。

 さて、今回はどんな事件が「杏」たちを待ちかまえているのでしょうか。

 いつも、いい味をだしているのが、『杏」のおばあちゃん。

 今回のシリーズでは、『マリエ」の兄がフランスにパティシエの勉強に行ってしまうところから、お話が始まります。

「杏」たちが作り上げた夏らしい涼やかなスイーツ。「海のゼリーパフェ」

 ほんとうにおいしそうです☆

 

        

『命のバトン』(堀米薫・佼成出版社)

 副題に、「津波を生きぬいた奇跡の牛の物語」と、記されています。

 宮城にお住まいの堀米薫さんは、津波被害を受けた宮城農業高校の牛と先生と生徒たちのことをニュースで知ります。

 そこから、堀米さんと宮城農業高校の生徒さんや先生たちとの交流、取材がはじまります。

 読みながら、農業高校の生徒たちが最初はどきどきしながら向き合っていた牛たちと、いつの間にか限りない信頼関係を結び、家族のような関係を結んでいくことになるプロセスを、胸を打たれながら知ることになります。

 そんなところに襲いかかってきた3・11の大地震と津波。

 牛舎や学校が津波に襲われる瞬間の、臨場感を、宮城にお住まいでご自身も牛飼い農家をやっていらっしゃる堀米さんは、目をそらすことなく書き上げています。

 東日本大震災での、津波の被害、放射能の被害に襲われた家畜たちへ鎮魂の思いをこめ、堀米さんが書き上げた大切な記録です。

 そして牛を大切に守り抜いた高校生たちのすがたを描いた、感動のノンフィクションです。

 

         

『もうすぐ飛べる!』(越水利江子作・津田真帆絵・大日本図書)

 このお話は、クラスでいじめにあった、実際の少女をもとにしたお話だそうです。

 滋賀のいじめ問題など、またいじめが社会問題になっています。そんな状況のなか、2000年に発売されたこの本がこのたび復刊されました。うれしいことです。

 作者の越水利江子さんは言います。

「友だちを救うのは、スーパーマンみたいな勇気じゃない」と。

 いじめを受けている子どもたちへの、大きな愛と、メッセージの込められた一冊です。

「子どもが死においつめられないように。そんな思いをこめて」と。

 作中で、いじめられてひとりぼっちの「春海」が、「青木くん」とつながりあう瞬間。

 その空気が、ざわっとかわる瞬間が鮮やかです。

 ひとりでもたくさんの子どもたちに、春海が感じたその瞬間と同じ思いを体験してほしいと思います。

 

 皆さま、この3冊、ぜひお読みになってください。

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さざ波

2013年04月25日 | Weblog

         

 水面に、さざ波がゆれています。

 しずかな湖水をながめていると、日本画モダンの、福田平八郎の「漣」を思いうかべます。

 さざ波をデフォルメし、デザイン的に描いているその日本画は、ただ、さざ波だけの世界なのにアバンギャルドです。

 児童文学も今、それくらいの冒険が求められている時代なのかもしれません。

 

 ご恵贈いただいているご本が、とうとう13冊に・・。

 ご紹介が遅れていて、ほんとうに申し訳ございません。

 早く早くと自分を急かせているのですが、賞の選考をひとつ終えましたが、連休明けまでに終わらせないといけない『ぞくぞく☆びっくり箱』のアンソロジーの一次選考も、すきまの時間を見つけてやっています。他にも締め切りのある仕事が、いくつかあって・・。

 明日から、飛び飛びではありますが、少しづつご紹介させていただきす。

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国際子ども図書館

2013年04月24日 | Weblog

       

 今日は午後から、神楽坂の出版クラブで「国際子ども図書館を考える全国連絡会」の運営委員会です。

 

 上野の国際子ども図書館では、子どものための こどもの日おたのしみ会が行われます。

日時 2013年5月5日(日・祝)
(1)13:30~ (2)15:00~
場所 国際子ども図書館 おはなしのへや(1階)
対象

4歳以上 ※お子さんが対象です

定員 各回30名程度
申込 不要(当日先着順)
※時間までに1階「子どものへや」にお集まりください
※途中参加はご遠慮ください
内容

おはなし(ストーリーテリング)や大型絵本の読み聞かせなど

 

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芍薬の花

2013年04月23日 | Weblog

         

 芍薬(しゃくやく)というのは脂質抑制作用、抗酸化作用などの漢方薬に、たくさん使われる花です。

 もっとも芍薬の根ですが・・・。

 また、立てば芍薬・・など、美人の代名詞に使われ、とても艶やかなお花です。

 

 今日は某賞の最終選考委員会。

 そのあと夜からは、常任理事会です。

 もうひとつの賞はすでに、決定したようです。

 贈呈式や総会のご案内と一緒に、会員の皆さまにはそのご報告もできるようです。

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旧大石家住宅

2013年04月22日 | Weblog

          

 お隣の公園に移築されている、江戸時代に建てられた最古の民家だそうです。

「安政の大地震」(安政2年、1855)でも倒れなかったという言い伝えがあります。

 

 この「旧大石家住宅」では四季折り折りに「お雛さま」や「鯉のぼり」などが飾られ、土日は公開されています。

 そばをとおりかかると、囲炉裏の焦げ臭いような、黴くさいような、昔特有のの匂いがします。

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落合恵子講演会

2013年04月21日 | Weblog

        

 今日は上野の国際子ども図書館で、国際子ども図書館と、日本ペンクラブ「子どもの本」委員会共催の、落合恵子さんの講演会が行われます。

 それにしても、日本ペンクラブ「子どもの本」委員会は精力的です。

 先日は広島で「子どもの本と核を考える」というテーマでフォーラムをひらきました。

 また盛岡でも「子どもと「命」を考える」というフォーラムをひらいています。

 広島でのパネラーは,アーサー・ビナードさん、那須正幹さん、朽木祥さん、令丈ヒロ子さん。司会は野上暁さんでした。

 岩手でのパネラーは、気仙沼在住の畠山重篤さん、柏葉幸子さん、森絵都さん、司会は野上暁さんでした。

 

 私も日本ペンクラブ「子どもの本」委員会のメンバーに加えていただいておりますが、地方でのフォーラムにはなかなか参加できず、ほんとうに申し訳ないと思っておりました。

 今日の講演会・講師の落合恵子さんも「子どもの本」委員会のメンバーでいらっしゃいます。

 せめて東京開催のときはお手伝いにうかがわなくてはと、今日は上野にうかがってきます。

 国際子ども図書館の雰囲気のある建物での講演会はとてもステキです。

 事前申し込みなので、もう締め切られてしまっていますので、申し訳ございませんが、今日これからのお申し込みは無理かもしれません。

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