20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
毎日更新。児童文学情報・日々の暮らし・超高層からの眺望などニュース満載。

電解還元水整水器

2009年07月31日 | Weblog
 先日、日本トリムという整水器の会社の男のひとから電話が入りました。
「お宅の整水器は、すでに14年使っていらっしゃいます。機械ですから古くなるとそれなりに性能も落ちるし、効能も落ちます。いまなら下取りをいたしますので、買い換えませんか?」
 物持ちのいい私にしてみれば、14年なんてまだほんの序の口です。
 でもその男のひとは、なおも勧誘を続けました。
「いいですか。機械なんです。ですから消耗するんです」
 そしてさらにすごく確信に満ちた声を出すと、なおもこういいました。
「14年前より性能もバツグンにアップしているし、それにいまなら・・・カートリッジのおまけつきです」
 
 べつにカートリッジのおまけつき、という言葉にころりと騙されたわけではなく、その夜、夫からの電話にその話をすると、お水好きの彼は即座にこう言ったのです。
「たしかに、近頃、水の味が落ちているような気がする。いい機会だ、買い換えよう」
 夫のお水好きは、ハンパではありません。
 来る日も来る日も、一日最低でも2リットル以上のお水は飲んでいるのですから。
 お茶でも珈琲でもなくて、シンプルなお水を。いえいえ無論、珈琲だって紅茶だって飲みますよ。でも基本はお水。
 もっとも、我が家のお水を飲むのは家にいるときだけで、通常はペットボトルを買って飲んでいるのですが。
 そう言われて飲んでみると、たしかに・・・。
 かつてのようなクリア感がなくなっているような気がします。

 とうとう今日の午後、14年間使っていた電極還元水整水器が外されます。
 14年前買った当初、薬液を一滴垂らすとたちまち水中が真っ赤に染まり「あ、アルカリ性だ」とすごく感激したことを、ふいに思い出しました。
 新しいトリムの整水器がきたら、まっさきにやってみたいのが、このお水のphチェック。
 そして次にやるのが、お水を冷蔵庫でキンキンに冷やしておくこと。
 それを、昨晩遅くに仕事のために帰宅した夫に、今夜帰ってきたら、まずはご賞味いただくつもりです。
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上弦の月

2009年07月30日 | Weblog
 蒸し暑い日が続きます。
 一日中エアコンの中で生活していると、夜になるとさすがに疲れてきます。
 そんなわけで昨晩は、ベランダに出て夜風に吹かれ、しばし空を眺めていました。
 雲間には上弦の月が、見え隠れしています。
 どうやら強い風に、雲が流されているようです。
 
 昨日は、夕方からずっと本を読んでいました。
 今朝は飯田橋に出かけていたので、まだその続きにとりかかっていませんが。
 ですからまだ、未読です。
『群像』8月号に掲載されていた、川上未映子の「ヘヴン」です。なんと一挙掲載400枚。
 芥川賞を受賞した『乳と卵』の、彼女特有の読みにくさ(感性でぎりぎりと書き込んだ文体)から解放され、とにかく、すっきりと読みやすくなっています。
 そして、うまい。
 続きに取りかかっていないのは、なんとなくもったいないから。
 一気に読むのがもったいない気持ちがしたのです。
 ちょっと、線でもひきたくなるような・・・。
 こういった本を読むのは、久しぶりです。

『乳と卵』で、あんなにもてはやされた彼女が、こうした作品を発表し、作家として地に足がついている姿を見ると、すごいなぁと思います。
 どんなことにも流されない、精神力に。
 なぁんて、ぐたぐた言ってないで、そろそろ続きにとりかかるとします。
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『飛ぶ教室18号 2009年夏』(光村図書出版刊)

2009年07月29日 | Weblog
『飛ぶ教室』の夏号が出ました。
 こんどの特集は「童話って何?」
「童話にしかできないこと」
 これを作家52人にアンケート。
 阿川佐和子 /安東みきえ/江國香織/岡田淳/あまんきみこ/角野栄子/神沢利子/那須正幹、他(「飛ぶ教室」表紙より)
 
 創作
 いしいしんじ、柏葉幸子、小路幸也、柴田元幸、バリー・ユアグロー、椰月美智子、三木卓

 私は、この夏号とこれから出る冬号の「児童書」の書評を担当させていただいております。
 同じく夏号・冬号の「絵本」の書評担当はイラストレーターの及川賢治さん。
 同じく「YA」の書評担当は翻訳家の金原瑞人さん。
 同じく「大人の本」の書評担当は歌人の穂村弘さんです。
 
 ちなみに、春号と秋号の「児童書」の書評担当は作家の野中柊さんです。
 冬号ではまた、とびきりの児童文学を探してご紹介したいと思っております。

「飛ぶ教室」はバラエティに富んだ創作満載です。
 いまをときめく作家や翻訳家や絵本作家たちの、冒険的な新作が発表されています。
 ページを繰っているとどこからか、この時代の「童話」をとりまくやわらかな空気が漂ってくるようです。
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「雨上がりの夜空に」

2009年07月28日 | Weblog
 忌野清志郎(RCサクセション)の歌に「雨上がりの夜空に」というのがあります。
 その歌ではありませんが、写真は昨日の、雨上がりの夜空の、ほんの寸前。

 このところのおかしなお天気。
 そんなものを、この写真を見ながら、清志郎でも歌って吹き飛ばしちゃおうじゃありませんか。
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新刊のご紹介(7冊まとめて)

2009年07月27日 | Weblog
 新刊のご紹介をいくつか。
 ご本の写真がトップに一枚しか載せられないので、写真なしでごめんなさい。

★『すみれちゃんのあついなつ』(石井睦美著・偕成社刊)
 なかよしの作家、石井睦美さんの、「すみれちゃん」シリーズ第三弾。
 とにかく、おしゃまで、おしゃれなすみれちゃんがとってもかわいいです。妹のかりんちゃんなんか、食べてしまいたくらいかわいい。
 そんなすみれちゃんのとっておきのお話、6編が入っています。
 黒井健さんの絵も、飾っていおきたいくらいステキです。

★『あんなになかよしだったのに・・・』(かさいまり著 ひさかたチャイルド刊)
 句会のお友だち「満月」さんこと、絵本作家のかさいまりさんの「ひさかたハートフル絵本」の9作目のご本です。
 いま、友だちに向かって吐く「もう遊ばない」。こういった言葉を「ちくちくことば」というのだそうです。それに反して「いっしょに遊ぼう」これは「ふわふわことば」。
 そのちくちくことばに傷つけられている、あるいは傷つけている子どもたちがたくさんいるのだそうです。そういった子どもたちへあたたかな眼差しで送るメッセージ絵本です。

★「大ドロボウ五十五えもんの一日けいさつ署長」(吉田純子著 ポプラ社刊)
 季節風の作家・吉田純子さんの「大ドロボウ」シリーズの第三巻目。
 吉田さんは、どうしてこんなにユーモアがあって、発想がユニークなんでしょう。これは才能です。
 毎回毎回、呆れるくらい新たな発想を思いつかれ、奇抜でおもしろい発想のストーリーが展開されています。今回サイコーだったのは、「ガリコ署長」のキャラ。こういったキャラだてにも驚かされてしまいます。

★『夢見るアイドル』(牧野節子著・角川つばさ文庫刊)
 作家・牧野節子さんの新シリーズの第一巻です。牧野さんはお笑いや音楽の世界に精通していらっしゃること、児童文学界一。
 ですから、このお話でもアイドルを目指すための大切なポイントが的確に書かれています。そこにさまざまな人間関係が展開され・・・。いま大人たちが直面している問題からも目をそらさず書ききっています。ストーリーテラーの牧野さんらしいとっても楽しいシリーズのはじまりです。

★『時空忍者おとめ組2』(越水利江子著・講談社青い鳥文庫刊)
 作家・越水利江子さんの人気シリーズ『時空おとめ組』の第二巻です。なにしろ史実をよく調べていらっしゃるので、読みながら歴史の勉強にもなります。
 信長の時代に現代の女の子3人組がタイムスリップして・・・。
 信長の時代の武将たちの姿も魅力的ですが、知恵や体を使って、互角に生き抜く少女たちの姿も魅力的です。
 更に筆が絶好調です。

★『星空のした、君と手をつなぎ』(光丘真理著・ジャイブピュアフル文庫刊)
 友人の作家・光丘真理さんの「コスモス」シリーズの第三巻、完結編です。
 新しい母とその連れ子「瞬」と主人公「みかげ」の関係を、さまざまな人間を配しながら描いてきた、このシリーズ。最終刊は、義兄妹でありながら恋人同士という、高校生であるふたりが避けては通れない『性」の問題を直視して書いています。
 高校生の友人の妊娠。「生むか生まないか」
 そういった問題を光丘さんらしい視点から切りとっています。

★『ホタルがすきになった日』(国松俊英著・佼成出版社刊)
 ご存知、ノンフィクション作家として第一人者である国松俊英さんの新刊です。
 ユニークな発想と努力の積み重ねで、板橋区に日本一のホタルの飼育施設を作った阿部宣男さんが、なぜ「ホタル」の研究者になっていったのか、そのあたりの足跡と、最初はホタル嫌いだった阿部さんがなぜホタルに夢中になっていったのか。 子どものころから「観察力はすごい」と言われた阿部さんの姿と、ホタルの魅力などが語られています。これを読んでいると、すぐにでもホタルを見に行きたくなってしまいます。

上記のご本、いずれもお薦めです。
皆さま、ぜひこの夏にお読みになってください。 
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隅田川の花火

2009年07月26日 | Weblog
 この土日も、夫は単身赴任先ステイでした。
 忙しそうで、なかなか帰京できません。
 あいまに、仕事で一泊くらいは帰って来られればいいのですが・・・。
 ほんとうに大変です。

 昨晩は、隅田川の花火大会でした。
 花火の音で気づいてベランダに出ると、うつくしい花火が夜空を焦がしていました。(写真がうまく撮れませんでした)
 八月の東京湾の花火のときには、みんなでわいわい言いながら花火見物といきたいものです。
 夏の花火は、そうでなくちゃ。

 来月には法事がいくつもあったりするので、夫はもちろん、大学が夏休みになる息子夫婦も帰京します。
 それまでにと、仕事やなにやら、いろいろを片づけています。

 そうそう、今朝の朝日新聞の朝刊に、「子ども創作コンクール」の宣伝告知が掲載されていました。
 たくさんのご応募お待ちしております。
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戻り梅雨

2009年07月25日 | Weblog
 戻り梅雨のようなお天気が続いていたと思ったら、今朝は晴れています。
 
 全国的には、ここしばらく荒れた天候が続いています。
 児文協のN会長のご自宅が防府市なので、作家の友人たちが心配してお電話を下さったりしたのでメールで伺ってみました。
 すぐに返信で、ご自宅が土砂崩れの現場からは離れているので大丈夫。ただ、近くの田んぼが冠水して駐車場に水が流れ込んできたが車には異常はなかった、ということで安堵いたしました。
 被害に遭われた皆さまには、心よりお見舞い申し上げます。
 
 昨日は東京でも東南アジアのスコールのような雨が降り、近所にお買い物に出かけていた私は、傘をさしていたのに、まるでシャワーを浴びたようにずぶぬれになって帰ってきました。

 今日は午後から池袋で、「子どもの本・九条の会」の会報の発送作業と、終了後、運営委員会があります。
 けれどいろいろに追われていて、今回は欠席をお許しいただきました。
 
 夏空とはとうてい思えない外からは、それでも蝉の鳴き声がみんみん聞こえてきます。
「あ~、夏休み♪」
 思わずチューブでも口ずさんでみたくなる、そんな土曜日です。
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「9ゾウくん げんきかるた」(子どもの本・九条の会編 ポプラ社刊)

2009年07月24日 | Weblog
「子どもの本・九条の会」の制作委員会(後路好章さん・西山利佳さん・田部智子さん、小森紗綾香さん)のみなさんが作り上げてくださった「9ゾウくん げんきかるた」が発売されています。
 先日、担当者のおひとりである評論家の西山さんに見せていただきました。

 そのかるたに関する記事が、数日前、毎日新聞に掲載されたそうです。
 2~3日前にその情報をメールでうかがっていたのですが、昨日やっと図書館へ行く時間が出来たので毎日新聞を見てきました。
 ありました。ありました。
 大学講師である後路さんと、評論家の西山さん、作家の田部さんが、かるたを囲んでにこにこ笑っています。カラーで、三人ともとってもよく写っています。
 
 読み札は「子どもの本・九条の会」の会員であるたくさんの作家たちが書き、絵札も同じく会員である、たとえば太田大八さん、加古里子さん、荒井良二さんなど45名の絵本作家の方々が(毎日新聞より)限られた期日のなかを描いて下さっています。(私は、読み札を募集しているとき超ばたばたで、申し訳なかったのですが応募をパスしてしまいました。残念!)
 そんな、「絵札を書いた人が一枚一枚違うかるたは、あまり例がない」(後路好章さん談・毎日新聞より)という、貴重で、とっても贅沢なかるたです。
 
 実は、このblogをご覧下さっている品川にお住いの方が、一年前「子どもの本・九条の会」の「はじめの一歩集会」のことを書いたとき、メールを下さいました。
「こういう子どもに関わる人たちで作っている九条の会を探していました。お仲間に入れてください」と。
 その方が、今回もまたメールを下さったのです。
「毎日新聞で見ました。友人たちも欲しがっています。10箱送ってください」と。
 うれしくなって、どこにコンタクトして10箱送っていただいたらいいのかわからず、うろうろ・・・。
 困ったときの後路さん頼みで、「どうしたらいいですか?」と後路さんにご相談。ところがアドレスを間違えて(旧いアドレスへ送ってしまったようです)またうろうろ・・・。
 結局、ポプラ社のサイトに行っていただき、そこから10箱注文していただくことにしました。
 品川のOさま、無事入手できましたでしょうか?

 皆さま、八月、「平和」を考えながら、ぜひご家族のみなさんと「9ゾウくん げんきかるた」で遊んでください。
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『星空★案内人になろう!』(柴田晋平著・技術評論社刊)

2009年07月23日 | Weblog
 昨日は、46年ぶりの皆既日食でした。
 日本全国、まるでお祭りのようでした。
 けれど夕刊でみた皆既日食の写真の美しいこと!
 ダイヤモンドリングは、本物のダイヤモンドより瞬いていました。

 マスメディアのあまりの加熱ぶりに、先日『星空★案内人になろう』という、「知りたいサイエンス」シリーズの一冊を図書館で借りてきました。
 
「豊富な知識と知恵と経験から、おいしいワインを選んでくれるソムリエのように、星空や宇宙の楽しみ方を教えてくれる「星空案内人」になりたい人のに向けられた星と宇宙の入門書」
 
 やまがた天文台で講義している星好きの人たちが書いた本のようです。
 宇宙って、すごい。
 星って、きれい。
 天文学って、ロマン。
 あいにく天文学には、まったく造詣がないので、それ以上深くはその世界に入りこめません。
 しかし、たまにはこんなふうに星や宇宙を眺めながら、ロマンに浸る時間もステキです。
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『メン! 出会いの剣』(開隆人著・そうえん社刊)

2009年07月22日 | Weblog
 作家・開隆人さんのデビュー作のご紹介です。
 
 まずは、書き出しのシーンから衝撃的に物語は展開します。
 剣道の防具を洗う?
 夏のまぶしい太陽のひかりをたらいに受けながら、防具を洗っているシーンに、まずは読者の胸はぎゅっと鷲づかみされます。水しぶきが飛んでくるようです。
「おお、なんと活きのいい作品だこと!」
 その印象は、読み進めていく中で、なお確信に変わります。

 快活で、正義感に富み、潔く清潔な少女ミク。
 イケメンで、瞳は野性的。知能派でスポーツ万能、サッカー部エースで、一学年年下のケンヤ。
 ふたりの出会いからはじまるこの物語は、表紙の絵のように、実にシャープです。
 
 ケンヤがなぜ、サッカー部をやめて剣道部に入部しようと思ったのか。
 友人であり、同じくサッカー部を退部してきたヨウジ。ハル。ヒロ。
 第一巻では、これらの少年たちがモノローグで、おのおのの物語を語ります。
 その語りの内実が、もしかしたら作家・開隆人の特徴になるかもしれないと予感させて。
 そこには彼らのキャラクターが丁寧に描かれていきます。

 真夏の太陽の下、しぶきを上げ、剣道の防具を洗うミクとケンヤは、この剣道部で、はたしてどんな事件を起こしていくのか。
 また意地っ張りなふたりの関係は、今後どうなっていくのか。
 剣道部はどうなっていくのか。
 さまざまな興味を残しながら、次作へと繋がっていきます。
 
 皆さま、ぜひ、この活きのいい人間模様をお読みになってください。
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