事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

結婚前夜PART2

2014-09-12 | 事務職員部報

Shizukachanimg01 PART1はこちら

少年マンガの王道を歩んだ「ドカベン」「スラムダンク」(※)の(少女コミックにも「ガラスの仮面」のような“異様な”王道作品があることは承知しています)最大の美点は、明訓の連中はとにかくいつも野球をしているし、桜木や流川はのべつまくなしにバスケットボール(とほんの少し女の子)のことしか考えていないところにあったように思う。

※「スラムダンク」井上雄彦著 集英社
最盛期の少年ジャンプを支え、男子バスケ部員の数を増やした強力作品。コミックスの第一巻は手にとってはいけない。最終巻まで絶対にやめられなくなるから。
連載は6年続いたが、ドラマの上では4ヶ月しか経過していなかった。井上は今、吉川英治の「宮本武蔵」を原作にした「バガボンド」を連載しているが、一年以上経っているのに、まだ宝蔵院の槍勝負なんかやっている。巌流島まで、あと百年ぐらいかかるのであろう。

この幸福な物語を、知るかぎりもっとも上手に語り続けたのは「サザエさん」と「ドラえもん」だと思う。

「サザエさん」はすでに【歴史】だから別格としても、ドラえもんの場合、この三十年間、のび太はあの不格好な猫型ロボットに甘え続け、ロボットは(多少いやみは言うが)惜しみなく、この不器用で出来の悪い少年にすべてを与え続けている。この変化のなさ、意地悪く言えば成長しないところこそ、マンガにおける幸福感というものではないか。

この幸福感は本来不可侵のものであるはずで、下手に主人公を大人にしてしまうと、読者は戸惑い、悪くするとその作品から離れていってしまう恐れすらある。三谷幸喜(※)が無名時代、サザエさんの脚本を依頼され、タラちゃんが大人になった挿話を書いて、プロデューサーに「お前はサザエさんの“心”がわかっていない!」と一喝されたのは有名な話だ。以下次号

※三谷幸喜
ご存じ「王様のレストラン」(あれ?山口智子がやった役もしずかじゃなかったっけ)「古畑任三郎」の脚本家。

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