事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「北帰行」 佐々木譲著 角川書店

2011-02-27 | ミステリ

Kitakikohimg01 “日本の警察”シリーズで何度もお世話になっている佐々木譲の直木賞受賞後第一作。普通、北帰行と言えば東北か北海道だけど、いきなりロシアなのは北海道在住者らしいシャレがきいている。

復讐のために来日したロシア人ヒットウーマンと、堅気である旅行業者の道行き。

「ベッドで食事なんて、ハリウッド・スターみたいだわ」

「ロシアではしなかった?」

「ママは許してくれなかった」

「大人になってからは?」

「ベッドはそういうことをする場所じゃなくなった」

こんな小粋な会話があるかと思えば、敵役であるやくざの残虐性を強調するためか、わたしでもこれは余計じゃないかと思うようなシーンもあり、その調合の具合がどうも……

「ぴったりしよう」

というプロポーズは確かに素敵。でもそのためにある事情(バレバレです)をヒットウーマンに仕込むのはいかがなものか。さる筋から、抗議はこなかったっすか?
道警シリーズが少し“やわ”になってきたから、ノワール系に軸をうつした事情はわかるんだけど……

コメント
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