ラブコメキャラにどうしても入り込めない。内容が「Stand Alone Complex」「精霊の守り人」の神山健治らしく周到でハードなので、中和するためにやっているのかもしれないけれど、中年にはきついですわ。
ノーブリス・オブリージュのフレーズに、ある種の皮肉をこめているのだろうが……
で、今回は原作である神山の小説の方を。
小説としての完成度は(本職ではないのだから仕方がないとはいえ)低い。しかし神山がめざしたものが、「なんで若い連中はこんな現状なのに唯々諾々と過ごしているのか」という叱咤激励なのは十分に伝わる。なぜ、革命を起こさないのかと。
奇想天外な発想で“日本を立て直す”9番には感服する。しかしそれすらも権力者(首相に国会答弁で「ぎゃふん」と言わせることができる)の金を使ってなのはどうだろう。しょせん観音の手のひらの上での所業だととるか、誰の金だろうがタクティクスを弄して使い切ってやるという気合いだととるか。
それにしてもタイトルは最高。実写化希望。