事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

深夜の人たち 第4夜~朝の5時まで

2007-05-12 | 芸能ネタ

前号「谷村新司」篇はこちら。

Hako_best 前回、歌よりもMCの方が達者なアーティストが起用されたと書いた。でもなかにはとんでもない例外もある。山崎ハコはそのひとり。それはそれはくら~いフォークを歌っていた彼女も、なんとオールナイトニッポンでパーソナリティをやっていたのである。「オレはハコを聴いてたぞ」というレスが来たときはくやしかった。ちょっとした隠し玉のつもりだったのに。

セイ!ヤングが0:30~3:00。オールナイトニッポンとパックインミュージックが1:00~3:00の放送。文化放送とTBSは、3時からはトラック運転手向けの「走れ!歌謡曲」や「歌うヘッドライト」がスタート。高校生や大学生の多くは、だからニッポン放送のオールナイトニッポン2部を聴くことになるわけだが、ここにはたくさんのマイナーな連中が登場した。ハコもそのひとり。

Chikadaharuo 他にも、結果的に映画コーナーのおすぎをメジャーにした稲川淳二(友人の披露宴で司会をしていたら、あまりの面白さにスカウトされたらしい。すごい時代)や、今はTokyoFMの歌謡ベストテン(まだこんなタイトルなのか不明)で、白々しく明るいMCをやっているが、当時は徹底して暗かった深野義和、NSPの天野滋(追悼)、何者なのか最後までわからなかったコッペ、意外にもスティーヴィー・ワンダーの大ファンであることを広言していた尾崎亜美……しかしいちばん過激にして熱狂させられたのは近田春夫だ。この、ハルヲフォンなどのミュージシャンである以上に、当時、雑誌「ポパイ」誌上で「気分は歌謡曲」という名物コラムを書き、現在は週刊文春に「考えるヒット」という、もっともまっとうな音楽評論を連載している彼の放送には、目を見開かされることが多かった。

 評価の対象となることなどありえなかった歌謡曲を、とりあえず好き嫌いを基準にとりあげ、筒美京平の楽曲の素晴らしさや、日本の作曲家たちがどれだけ洋楽をパクっているか(来生たかおの「夢の途中」なんぞ、ひねりも何にもないパクリだった)を検証するなど、われわれの世代に与えた影響ははかりしれない。翌日の学校では、仲間内のほとんどが聴いていて「すごいけのー」とか言っていたのだけれど、朝の5時までラジオを聴いていてそれでも元気に高校に通っていたのだから、思えばあの頃は元気だったなあ。

第5夜~浜田省吾篇につづく。

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