「椿会展 2010」 資生堂ギャラリー

資生堂ギャラリー中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階)
「椿会展 2010 Trans-Figurative」
4/10-6/13



資生堂ギャラリーで開催中の「椿会展 2010 Trans-Figurative」へ行ってきました。

出品作家は以下の通りです。

伊庭靖子 塩田千春 祐成政徳 袴田京太郎 丸山直文 やなぎみわ

相互の関係性如何はともかくも、このメンバーをすれば楽しめないはずもありませんが、私として一番惹かれたのは、自身としては数年ぶりでもあるというやなぎみわのオブジェ、「XXXS~XXXXL」(2010)でした。その謎めいたタイトル由来については会場で確かめていただきたいところですが、いわゆる平均ではないサイズの『何か』が並ぶ様子は、彼女が終始テーマとする女性性の問題を改めて浮き彫りにしています。映像、写真以外でも、やや毒もあるメッセージは全く揺らぐことがありませんでした。

目黒区美の個展も印象深い丸山直文の他、αMでのインスタレーションも鮮やかだった袴田の作品にも見入るところですが、失礼ながらも今回、思いの外に魅力を感じたのは一昨年のアーティストファイルにも出品のあった祐成政徳の「Bridge Over Falt Water」(2010)でした。ここで彼はそのBridgeの名の通り、青銅ギャラリーの大小二つの空間の橋渡しを成し遂げています。鋼からブロンズへ続き、その先の暗室に塩田千春の例えれば血みどろの映像作品が続く姿は、一つの展示方法としても見事でした。



お馴染みのクッションを描く伊庭靖子も、ここに来てやや変化見せているかもしれません。とは言え、ホワイトキューブの光を吸収して一番美しく輝いているのは彼女の作品でした。

なお今回で椿会の「第6次」が終了します。本展は昭和22年よりはじまり、それこそかつては大観や土牛らも参加してきた伝統あるグループ展です。またメンバーを入れ替えての「第7次」にも期待したいと思いました。

参考:椿会メンバーの変遷

6月13日まで開催されています。

追記:第4回「資生堂art egg賞」に村山悟郎氏が選ばれました。
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