井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

北海道の花・モミジガサ1

2020年09月25日 | 日記

モミジガサの群落。キク科コウモリソウ属。

山地の林縁~林内や沢筋などやや湿った所に生える多年草。

茎は分枝せず、草丈は30~80cmになる。地下茎を伸ばして群生することも多い。

モミジガサの芽出し。

モミジガサの若芽は山菜名を「シドケ」といい、独特の香り、ほろ苦さ、しゃきっとした歯ざわりなどから東北では「山菜の王様」とも言われる。

多少ともクセがあって好みが分かれ、好まない人もいる。この株は葉を展開しているが、山菜としては葉を展開する前の伸び出したばかりの茎が食べごろという。

モミジガサの葉。

葉は掌状に裂け、モミジの葉に似る。葉の開く様子が傘に似るというので「モミジ傘」の名がついたとされる。

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北海道の花・ミミコウモリ2

2020年09月24日 | 日記

ミミコウモリの蕾。キク科コウモリソウ属。

頭花は総状円錐花序に多数つける。蕾状態から開花に向けて花序軸を伸ばしていく。

ミミコウモリの頭花。

総苞は狭筒形で、ルーペでないと確認しにくいが総苞片は5個。小花(筒状花のみ)は3~5個であまり目立たない。

コモチミミコウモリ。キク科コウモリソウ属。

ミミコウモリの1変種で、葉腋にムカゴ(珠芽)をつけ「子持ちミミコウモリ」と呼ばれる。

ミミコウモリより高山性があるようで、この株は大雪山・黒岳産。

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北海道の花・ミミコウモリ1

2020年09月23日 | 日記

ミミコウモリの群落。キク科コウモリソウ属。

寒地(東北~北海道)の林縁~林内に生える多年草、草丈は60~100cm。

属を代表するコウモリソウは、葉がコウモリ(蝙蝠)の羽根に似るところからの命名とされる。

ミミコウモリの芽出し。

芽出しの第1段階は葉を折り畳んで棒状に伸び出す。次の段階で独特な腎形の葉を広げる。

コウモリソウ属の仲間には、モミジガサやヨブスマソウのように山菜として人気の高いものも多い。

ミミコウモリの若葉も食べられるというが、両種ほどの人気はない。

ミミコウモリの葉。

茎は節毎に稲妻形に折れ曲がるとされる。「節毎」は多少オーバーだが確かに折れ曲がる。

葉はコウモリの羽根形で、葉柄には多少翼がつき、基部は耳形に茎を抱く。「耳コウモリ」の名前はそこから。

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北海道の花・コメナモミ

2020年09月22日 | 日記

コメナモミの花序。キク科メナモミ属。

山野の道端や荒地に生える1年草、メナモミに良く似るが、全体に小型でほっそりした印象がある。

コメナモミの葉。

葉は卵状三角形でメナモミの葉によく似る。葉の形で両者を見分けるのは難しく、葉裏の軟毛の有無で見分けることになる。(メナモミの葉裏には白い毛が密生する)。

コメナモミの頭花。

頭花もメナモミに良く似るが、総苞片は5個で開出し、柄のある腺が多数つく。

花序柄には開出毛がつかない。(メナモミとの相違点)。

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北海道の花・メナモミ

2020年09月21日 | 日記

メナモミの群落。キク科メナモミ属。

道端や荒地などに生える1年草。「雌なもみ」と書き、オナモミと対になる名前。

同じキク科ながら全くの別種、共通点は「ひっつき虫」になる点で、「なもみ」はくっつくという意味で「ひっつき虫」に与えられる名前。鋭い刺で荒々しい印象の方に「雄なもみ」の名がつき、優しい感じのする方に「雌なもみ」の名がつけられた。

メナモミの茎と葉。

葉は三角状卵形でコメナモミに良く似るが、コメナモミと比べると若干大きく、裏面の脈に沿って軟毛が密生する。茎は赤紫色を帯び、白い毛が密生する。

メナモミの頭花。

周辺部に先が3裂した舌状花がつき、中心部に筒状花がつく。総苞片に腺毛が密生し、花床には小花を抱く形で鱗片がつき、ここには柄のある腺がつく。花序柄には白い毛が密生する。

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