井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

北海道の花・トチバニンジン1

2018年09月30日 | 日記


トチバニンジンの葉。ウコギ科トチバニンジン属。
トチバニンジンの葉は掌状複葉で小葉は普通5枚。トチノキの葉も掌状複葉で、小葉は成木では普通7枚、幼木では5枚、トチバニンジンの葉はトチノキの幼木の葉に似ている。



トチバニンジンの芽出し。
小葉を縦に巻いているものを、外側から拡げるようにして開く。
葉を完全に開き切る前に、蕾を見せる。



トチバニンジンの花。
花は茎頂部に散形花序をつける。
花柄は長く、小花柄も1~2cmほどある。花そのものは小さい。
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北海道の花・○○ニンジンと呼ばれる花

2018年09月29日 | 日記


トチバニンジン。ウコギ科トチバニンジン属。
人参と同じセリ科にはニンジンに似た葉を持つものが多い、「ノラニンジン」「ヤブニンジン」「シラネニンイン」「ドクニンジン」など。
キキョウ科には、根が朝鮮人参に似たものが「ツルニンジン」「ツリガネニンジン」と呼ばれる。
「○○ニンジン」の名を持つ植物、ニンジンに似た葉を持つ「ノラニンジン」タイプと、根が朝鮮人参に似ている「ツルニンジン」タイプに分けられる。

トチバニンジンは葉がトチノキに似ていることからすると、根が朝鮮人参に似ている「ツルニンジン」タイプなのかとなるが、そうはならない。
葉もニンジンに似ていない、根も朝鮮人参に似ていないとすると、何故「ニンジン」の名がつくのか。
トチバニンジンは、「○○ニンジン」の名を持つ植物の中では一寸した異端児、特別な存在である。
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北海道の花・ツリガネニンジン3

2018年09月28日 | 日記


ツリガネニンジンの花序。キキョウ科ツリガネニンジン属。
花序の中の花、開花時期が少しずつずれる。
左上に蕾状態のもの2個が見えている。直ぐその下に、雄性期の花(花粉をつけた棍棒状の柱頭をもつ)が2個あり、蕾の右には、雌性期の花(柱頭を開いている)が2個見える。
右下には受粉が済み、花冠が枯れしぼんだものがある。



ツリガネニンジンの果実と種子。
果実は蒴果、熟すと側壁の肋間が裂開して種子をこぼす。
風の強い時に種子が振り出されるタイプの風散布だが、種子には特別の仕掛けもなく、散布距離はあまり期待できない。



ツリガネニンジンの葉。
茎葉は3~4枚輪生する。長楕円形で鋸歯縁、柄は短い。
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北海道の花・ツリガネニンジン2

2018年09月27日 | 日記


ツリガネニンジン開花直前の花。キキョウ科ツリガネニンジン属。
ツリガネニンジンの花は、蕾状態のときから受粉活動を始める。
開花の前に、雄しべは花粉をだし雌しべの柱頭につける。このとき柱頭は開いておらず受粉しない。



ツリガネニンジン雄性期の花。
開花したばかりの花は、柱頭に花粉をつけ、他の花に花粉を渡す「雄花の働き」をする「雄性期の花」である。雄蕊自体は枯れしぼんでいる。



ツリガネニンジン雌性期の花。
柱頭についた花粉は昆虫によって運び去られ、その後に柱頭は開く(3~4裂)。他の花からの花粉を受取る、雌花の働きをする「雌性期の花」である。
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北海道の花・ツリガネニンジン1

2018年09月26日 | 日記


ツリガネニンジン。キキョウ科ツリガネニンジン属。
「○○ニンジン」と呼ばれる花、人参と同じセリ科のものは、葉がニンジンに似るということでの命名。
キキョウ科のツリガネニンジン、ツルニンジンの場合は、根が朝鮮人参に似るところから「ニンジン」の名がつく。
ツリガネニンジンの根を乾燥させたものは「沙参(しゃじん)」と呼び、咳、痰の効く生薬となる。



ツリガネニンジンの芽出し。
ツリガネニンジンの葉は4~5枚が輪生する。
長楕円形で鋸歯縁だが、芽出し時には若干寸詰まりで粗い鋸歯が目立つ。
ツリガネニンジンの若芽は「ととき」と呼ばれる山菜。「山で旨いはオケラにトトキ」という言葉があるように、東北では人気の高い山菜である。札幌周辺では山菜にできるほど多くはない。



ツリガネニンジンの蕾。
茎頂に輪生する小枝の先に1~数個つけ、全体で円錐形となる。
その花のつき方が、蕾のときには良く分る。
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