井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

北海道の花・イノコズチ1

2019年09月30日 | 日記


イノコズチの群落。ヒユ科イノコズチ属。
やや日陰になる林縁などに生える多年草。日当たりの良い所を好む変種があって「ヒナタイノコズチ」の名がある。
牧野富太郎博士の主張する語源説は「茎の太くなった節を猪の膝頭に見立てて「猪のこ槌」という」。
この語源説によれば、「イノコズチ」ではなく、「イノコヅチ」と呼ぶべきことになる。「日本の野生植物(平凡社)」では「イノコズチ」としている。



イノコズチの葉。
対生する葉は長楕円形、葉先は尖り、基部はくさび形で柄がある。
茎には太い節があり、断面は四角形(長方形)。



イノコズチの花序。
花序じゃ茎頂と対生する葉の葉腋から伸びる。
花は比較的まばらにつけ、下から上へ咲き上がり、花後下向きになる。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北海道の花・カリガネソウ

2019年09月29日 | 日記


カリガネソウの花序。クマツヅラ科カリガネソウ属。
クマツヅラは「熊葛」と書く。北海道には分布していないこともあって馴染みがない。
クマツヅラ科の野草、北海道にはこのカリガネソウのみ。葉腋から長い柄をもつ集散花序をだす。
低山の林縁に生える多年草で、強い臭気がある。クマツヅラ科の木本にはやはり臭気のある「クサギ(臭木)」がある。



カリガネソウの花。
青紫色の花をまばらにつける。
花冠には長さ8~10mmの筒部があり、先は5裂。下側の裂片は特に大きく反曲する。
雄しべは下向きに湾曲し、花柱とともに花外につきでる。
その姿を「雁(がん、かりがね)に見立てて「かりがね草」と名付けられる。



カリガネソウの葉。
長い葉柄があり、広卵形で鋸歯があり、対生する。
各節で十字対生の形を見せるところなど、ハエドクソウにも似る。ハエドクソウをクマツヅラ科に入れる所以もその辺にあるのかもしれない。
コメント (1)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北海道の花・ハエドクソウ2

2019年09月28日 | 日記


ハエドクソウの花。ハエドクソウ科ハエドクソウ属。
花冠は上下2唇に分れ、萼もまた2唇に分れる。萼は上唇の方が長く、先は3裂してフック状になっている。
唇形の花をつけると言う点でゴマノハグサ科似ているが、分類としてはクマツヅラ科に入れるという考え方があるという。何故か、花が左右相称で萼が花後も残る点などが理由かもしれない。



ハエドクソウの果実1。
果実は蒴果、横向きに咲いた花が、受粉後下向きとなり果実になっていく。



ハエドクソウの果実2。
花後、伸び出した萼が果実を包む。
萼の先端は3裂してフック状になり、このフックで動物の毛などにくっついて種子散布がなされる。
「ひっつき虫」のひっつきのメカニズムには6種類あり、ハエドクソウは「堅いフック型」とされる。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北海道の花・ハエドクソウ1

2019年09月27日 | 日記


ハエドクソウの群落。ハエドクソウ科ハエドクソウ属。
平地の林縁~林内に生える多年草。地下茎を伸ばして群落をつくる。
1科1属1種の変わった種で、東アジアと北米の隔離分布する。



ハエドクソウの葉。
葉はほぼ卵形で揃った鈍い鋸歯が並ぶ。短い柄があり十字対生する。
根に有毒成分を持ち、かつて、根をすりつぶし紙に浸して「ハエ取り紙」を作ったところから「ハエ毒草」の名がついたという。全草を刻んで便槽(ポットントイレ)に入れ、「うじ(ハエの幼虫)殺し」に利用したという話もある。



ハエドクソウの花序。
茎の先端に細長い穂状花序をつけ、対生する花をまばらにつける。
花は下から順に咲きあがり、蕾ははじめ上向きにつき、開花時には横向きになり、花後、果時には下向きになる。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北海道の花・ヤグルマソウ

2019年09月26日 | 日記


ヤグルマソウ。ユキノシタ科ヤグルマソウ属。
山地の日陰に生える大型の多年草。しばしば群落をつくる。
園芸種にも「ヤグルマソウ」と呼ばれるものがあって紛らわしいので、植物学的には園芸種の方を「ヤグルマ菊」と呼んで区別する。



ヤグルマソウの葉。
根生葉は長い柄を持つ掌状複葉で、小葉数は5~7枚。その葉の様子が、鯉幟(こいのぼり)の先につける矢車に似るところから、「矢車草」
の名が付けられる。早い時期の葉は赤みを帯びることが多い。
花茎は直立し、その先に円錐花序をつける。



ヤグルマソウの花。
花は小さく(径8mm前後)、花弁はなく、花弁状の萼片は5~7個、雄しべは10本で花柱は2個>
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする