井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

北海道の花・エゾイラクサ1

2020年01月31日 | 日記


エゾイラクサの群落。イラクサ科イラクサ属。
低地~亜高山の湿り気のあるところに生育する多年草、草丈は30~180cm。



エゾイラクサの葉。
葉は狭卵形~卵状長楕円形、近縁のイラクサと比べてやや細長い。葉柄は葉身より短い(イラクサはほぼ同長)。縁部は単鋸歯(イラクサは欠刻状~重鋸歯)。
葉の両面に刺毛があり、触れると刺が刺さり、蟻酸を含んでいて痛痒くなり、痛みは長く続く。(化学物質については、「アセチルコリンとヒスタミン」という説があり、そちらが正解とも言われる。)
「蕁麻(じんま)」はイラクサの漢名で、蕁麻疹(じんましん)はイラクサによる発疹に似るところから、そう呼ばれるようになったという。



エゾイラクサの托葉。
エゾイラクサの托葉、対生する葉に2個ずつ(4個)付き、左右のものが合着して2枚の葉をつなぐ形で2枚になる。このような托葉を「合生托葉(ごうせいたくよう)」という。
近縁のコバノイラクサの托葉は合着せず、各節に4個の托葉がつく。
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北海道の花・ガマ2

2020年01月30日 | 日記


ガマの幼果実。ガマ科ガマ属。
上部の雄花は花粉を出し終えると脱落し、花序軸のみとなる。
蒲鉾、古くは材料を竹の棒に巻きつけたといい、その形が蒲の穂にというのでその名がついたという。
蒲焼も、昔は開かずに串刺しにして焼いたといい、その形を蒲の穂に見立てて「蒲焼」の名がつけられた。



ガマの果実、裂開。
果実は熟すと穂の端からほどけ、長く伸びた糸状体が綿のように拡がって風に乗って飛び散る。
ガマの綿毛を集めたものは「蒲綿」よ呼び、綿の代用にしたという。



ヒメガマ。ガマ科ガマ属。
全体にやや小型で、雄花序と雌花序とが数cm離れてつく(雄花序と雌花序都の間に、花序のつかない)花序軸だけの部分がある)と言うところが一番の特徴。
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北海道の花・ガマ1

2020年01月29日 | 日記


ガマの群落。ガマ科ガマ属。
ガマ科はガマ属の1属。日本には3種あって、北海道には2種が生育する。
沼地や休耕田など水湿地に生える多年草。根茎を横に伸ばして群落をつくる。



ガマの葉と茎。
葉は線形、ラセン状に捻じれる特徴はガマ属に共通で、ガマ属以外では余り見られない。厚手で基部は茎を抱く。
茎は円柱形で中実、分岐せず、頂部に花序をつける。
アイヌの人たちはガマの葉を乾燥させてゴザを編む。ガマの葉は厚手で弾力があり、最も評価が高い。
アイヌ語名の「シ・キナ」は「真の草」の意で、大変尊ばれている。



ガマの花序。
ガマは雌雄異花(雌雄同株)、花序軸の上部に雄花序、下部に雌花序をつけ、ソーセージのような独特な形をつくる。
花粉には止血作用などがあり、「蒲黄(ほおう、ほこう)」よ呼ぶ生薬になる。「因幡の白兎」の昔話は、ガマの花粉の効能を昔の人も知っていたことを物語る。
花粉量は驚くほどで、その時期にゆすると辺りはまっ黄色になる。
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北海道の花・ヘラオモダカ

2020年01月28日 | 日記


ヘラオモダカの群落。オモダカ科サジオモダカ属。
水田、河川、湖沼などに生育する多年草。抽水植物~湿生植物。根茎はサジオモダカ同様、生薬となる。



ヘラオモダカの葉。
サジオモダカの葉は葉身と葉柄の境が明瞭で、その形を「匙」に見立てたが、ヘラオモダカの葉は葉身の基部が次第に細くなり、葉柄との境が不明瞭、その形を「へら」に見立てて「ヘラオモダカ」の名がつけられる。



ヘラオモダカの花。
花茎の枝別れの様子、花の形など、サジオモダカと同じ。
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北海道の花・サジオモダカ

2020年01月27日 | 日記


サジオモダカの群落。オモダカ科サジオモダカ属。
浅い水底から直立して生える多年草、抽水植物~湿生植物。
短い茎から花茎を立ち上げ、大きいものだと120cm程になる。根茎は「沢瀉(たくしゃ)」と呼ぶ生薬、むくみ、胃炎、高血圧に効くという。



サジオモダカの葉。
和名の通り、「匙(さじ)」(スプーン)の形をした葉をつける。
葉身の基部は円形で、葉柄との境が明瞭。これを匙の形に見立てたもの。
サジオモダカの学名(種名)プランタゴ・アクアティカは「水のオオバコ」の意味、水中に生えオオバコの葉に似るところからの命名。



サジオモダカの花。
花茎は3個ずつの枝を輪生し、枝は更に3個ずつの小枝を輪生させ、これを繰り返してその先に花序をつける。花はオモダカ属(単性花)と違って両性花。萼片3個、花弁3個、雄しべ6個、雌しべ(心皮)は多数。
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