井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

ゲンノショウコの仲間ミツバフウロ2

2023年09月25日 | 日記

ミツバフウロの花後。フウロソウ科フウロソウ属。
ミツバフウロの花、受粉後花弁、雄しべは落とす。5裂した柱頭はそのまま残っている。
ミツバフウロの幼果実。
ここから萼は子房を覆うように閉じて子房を保護する。子房は完熟に向けて縦長に伸び出して、ゲンノショウコに似た果実になっていく。
ミツバフウロの果実。
ミツバフウロの果実は蒴果、次第にゲンノショウコの果実に似た形になり、完熟すると果皮が縦に裂け、急激に巻きあげ、その力で基部についた種子をはじき飛ばす。
フウロソウ属の多くは「○○フウロ」の名を持つが、「○○」のつかない、ただの「フウロソウ」と言う種は
検索表にない。ただし、ゲンノショウコの別名が「フウロソウ」となっている。
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ゲンノショウコの仲間ミツバフウロ1

2023年09月22日 | 日記

ミツバフウロ。フウロソウ科フウロソウ属。
山地の道端~草原に生育する多年草、ゲンノショウコ代わりに薬用として栽培されたこともあり、そこから逸出・野生化したもの。ゲンノショウコは自生するものがどこにでもあるが、栽培しようとすると意外に難しいのだという。
ミツバフウロの葉。
ミツバフウロの葉は殆どが3深裂で、そこから「三つ葉フウロ」と呼ばれる。
裂片には大きな鋸歯がつく。下部の葉には5裂するものも混じるが多くはない。
ミツバフウロの花。
花はゲンノショウコに似る。ゲンノショウコは普通、2花の花期をずらすが、ミツバフウロは2花を同時に開花させている。ゲンノショウコと同じ雌雄異熟(雄しべと雌しべの熟す時期、機能する時期をずらして自家受粉を回避する)で、雄しべが先に機能する「雄性先熟(ゆうせいせんじゅく)」の花である。
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ゲンノショウコの仲間イチゲフウロ

2023年09月20日 | 日記

イチゲフウロ。フウロソウ科フウロソウ属。
ゲンノショウコの近縁だが、ゲンノショウコと違って1花柄に1花しかつけない。
1花しか付けないことから「一花(いちげ)フウロ」と呼ばれる。
「一花」の名を持つ花、イチゲフウロの他に「イチゲイチヤクソウ」「イチゲサクラソウ」「イチゲキスミレ」などがある。
イチゲフウロの葉。
原野の草むらなどに生える多年草。茎は良く分枝して基部は倒れ伏すことが多い。
下部の葉は5深裂し、上部の葉は3深裂。裂片には数個の大きな深い鋸歯がある。
イチゲフウロの花。
フウロソウ属には花が小型(径が12mm前後)のものと大型(径が30mm前後)のものとがあって、イチゲづウロはゲンノショウコと同じ小型のグループ。
花弁は5個、先はサクラの花のように凹み、基部は細くなって隙間から萼が見えている。
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頑張るゲンノショウコ4

2023年09月16日 | 日記

ゲンノショウコの花後。フウロソウ科フウロソウ属。
受粉の済んだ花は雄しべと花弁が枯れ落ち、5枚の萼片は子房(幼果実)を保護するように閉じる。
子房は成熟するにつれ筒状に上へと伸び、ロケット状になっていく。図鑑ではその形を「嘴(くちばし)」と呼んでいる。
ゲンノショウコの果実1。
受粉後にロケット状に伸び出した子房、成熟度を深めてロケットの下部に5個の種を膨らませる。
一度閉じた萼片もこの段階でまた開く。
ゲンノショウコの果実2。
種子が熟すと乾燥した果皮が5個に裂けて急激に巻き上がり、その勢いで下部に付いた種子をはじき飛ばす。
種子散布の多くは風とか鳥など他力を利用するものだが、ゲンノショウコは自力で種子散布を行う。「自動散布」「機械的散布」という。
種子をはじき飛ばした後、くるりと巻き上げた果皮の形がお神輿の飾りに似ているところから「みこし草」の別名でも呼ばれる。
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頑張るゲンノショウコ3

2023年09月14日 | 日記
ゲンノショウコ、両性期の花。フウロソウ科フウロソウ属。
やがて雌しべの柱頭が開き活性化する(受粉OK)。雄しべは花粉を残していて両性期と言われる。
自家受粉の可能性もあって、折角の雌雄異熟が「台なし」になるようにも見えるが、他家受粉に失敗して子孫を残せないリスクを回避する、と考えられる。「保険をかける」という言い方もされる。
ゲンノショウコ、雌性期の花。
雄しべは枯れ落ち、雌しべは柱頭を5裂させて受粉OKの態勢に入る。雌花の働きをする「雌性期の花。となる。
5裂した柱頭、夜間や雨天時には閉じ、陽が照ると開く。昆虫の訪花がないときには柱頭を保護する。
ゲンノショウコの赤花。
ゲンノショウコの花。北海道では白花が圧倒的に多い。日本全土では、東日本には白花が多く、西日本では赤花が多いとされる。北海道でも赤花は見られるが稀である。
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