井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

北海道の樹木ウォッチング・ドロノキ3

2022年04月30日 | 日記
ドロノキの3と4の順序を間違えました。失礼しました。

ドロノキの芽吹き。ヤナギ科ヤマナラシ属。
雄花序の開花より若干遅れて雌花序は葉を伴って開花する。雌花序を含む混芽の芽吹き。
ドロノキの雌花序1。
ドロノキの雌花序、形は雄花序と同じ紐状の尾状花序。雄花序の色は葯の色の朱紅色になるが、雌花序は柱頭と子房に色で淡黄緑色になる。
ドロノキの雌花序2。
雌しべの花柱は3個で黄色、子房は緑色。子房をカヴァーするように見えているのは腺体(蜜を分泌する)。
花序を下垂させるドロノキは風媒花だとされるから、腺体は形だけで蜜は分泌しないのかも。
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北海道の樹木ウォッチング・ドロノキ4

2022年04月29日 | 日記

ドロノキの葉。ヤナギ科ヤマナラシ属。
ドロノキの葉は広楕円形でヤマナラシとははっきり見分けられる。
表面は濃緑色で光沢があり。裏面は淡緑色。ドロノキの葉では陽葉と陰葉の違いが極めて明らかに見られる。樹冠上部の直射日光の当たる場所には、大型で幅広、質の厚い陽葉となり、樹冠下部や半陰地では、小型で幅の狭く質の薄い陰葉となる。
ドロノキの果実。
ドロノキの果実は蒴果で、熟すと裂開(4裂)して白い綿毛に包まれた小さな種子を大量に出す。
ドロノキの種子。
種子を包む綿毛が開いて風に乗って飛ばされる。
細い葉のヤナギ属の場合、綿毛の種を「柳絮(りゅうじょ)」と呼ぶ。中国語ではヤナギ属の樹を「柳」と呼び、ヤマナラシ属の樹は「揚(よう、揚子江の揚)」と呼び、区別する。ドロノキの種子を「柳絮」と呼ぶこともあるが、正式には「揚絮(ようじょ)」と呼ぶべきとされる。
ドロノキの揚絮は網戸の目詰まりを起こすことで評判が悪い。
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北海道の樹木ウォッチング・ドロノキ2

2022年04月28日 | 日記

ドロノキの小枝。ヤナギ科ヤマナラシ属。
この写真には見えていないが、ドロノキの小枝には長枝と短枝が混じる。
ドロノキの頂芽はスリムな円錐形で、頂芽を見ることで長卵形のヤマナラシと見分けることが出来る。
ドロノキの雄花序1。
ヤナギ科は全て雌雄異株。ヤナギ類の花序は、始め雄しべ、雌しべを保護する苞に毛が密生していて外側を覆う。その状態の花序を一般に「ネコ」と呼ぶ(英語でもCATKIN)。
ドロノキは開葉に先だって開花する。芽ぶき時の花序は「ネコ」状態となる。
ドロノキの雄花序2。
雄花序は「ネコ」の状態からやがて毛の生えた苞が落ち、朱紅色の葯を見せるようになる。雄花1個につき雄しべは30~40個つき、花序全体はチョコレート色に見える。
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北海道の樹木ウォッチング・ドロノキ1

2022年04月27日 | 日記

ドロノキの樹形。ヤナギ科ヤマナラシ属。
本州中部以北、北海道からカラフト、カムチャツカの分布する落葉高木、樹高は15~30m。
北方の河畔など冷涼で湿り気のあるところを好む。
ドロノキの冬芽。
頂芽は紡錘形で大きく、赤みを帯び樹脂を帯びて艶がある。芽鱗は6~10個。
近縁のヤマナラシと比べるとずっとスリム。
ドロノキの樹皮。
ドロノキの樹皮は平滑系、白っぽくてやや緑色を帯び、菱形に裂ける皮目が散在するなどヤマナラシに似る。
老木に向かうと暗灰色になり縦に裂け目が入る。
ドロノキは、「材が弱くて役立たずドロのようだ」とか「樹皮に白っぽい泥をなすりつけたようだ」というのが
「泥の木」の名の由来とされるが、北海道・松前地方の方言名「デロ」に由来するという語源説もある。
ドロノキには悪口が多いといわれるが、ネズミやウサギの食害に強いところから、造林材「王子ポプラ」の改良の際のベースにされたという。

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北海道の樹木ウォッチング・ヤマナラシ4

2022年04月26日 | 日記

ヤマナラシの葉、蜜腺。ヤナギ科ヤマナラシ属。
ヤマナラシの葉、葉身基部に蜜腺がある。花以外に生じる蜜腺は「花外蜜腺」と呼ばれる。
花の蜜腺は花粉媒介の昆虫を引き寄せるためだが、花外蜜腺はアリを誘って食害する昆虫を撃退して貰うというもの。サクラ類は葉柄の上部が普通、ヤマナラシやウワミズザクラは葉身基部につく。
ヤマナラシの幼果実。
ヤマナラシの果実は蒴果で、果穂は卵形の蒴果を数珠のように付けて下垂する。
やがて裂開して、綿毛のついた種子を風に乗せて飛ばす。風散布のヤナギ類は一般にパイオニア植物となる。
ヤマナラシの種子。
風で運ばれる種子、芽出し適地に着地するとは限らず、道路脇に吹き寄せられることもある。
ヤナギ類の種子は一般に寿命が短く、不適地に着地したものは枯れ死んでしまう。
中国では。細い葉のヤナギ属には「柳」の字を当て、葉の広いヤマナラシ属には「揚(揚子江の揚)」の字を当てる。風に乗って飛ぶヤナギ属の種子は「柳絮(りゅうじょ)」と呼び、ヤマナラシ属の種子は「揚絮(ようじょ)」と呼ぶ。ちなみに「絮」と言う字は「わた」の意味。
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