井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

北海道の樹木ウォッチング・ツルマサキ4

2021年10月31日 | 日記

ツルマサキの果実。ニシキギ科ニシキギ属。
ツルマサキの果実は球形の蒴果、熟すと4裂し橙赤色の仮種皮に包まれた種子を見せる。
成り年、不成り年があるようで、一帯のツルマサキに1個の果実もつけないこともある。
ツルマサキの栄養繁殖。
ツルマサキの種子繁殖は鳥による種子散布を期待するが、林床に匍匐枝(ランナー)を盛んに伸ばし栄養繁殖も行う。ランナーを伸ばして隣の樹にも攀じ登ろうとする。
鳥散布による種子散布とランナーを伸ばしての栄養繁殖の2面作戦で日本全土の分布を確保している。
ツルマサキの黄葉。
ツルマサキの葉は常緑で「冬を前に一斉落葉」というようなことはしない。ただ、常緑とはいえ葉には2~3年ほどの寿命があり、寿命がくると黄葉して落葉する。
北海道の気候では一般に落葉した方が年間の生産効率は高くなる筈だが、ツルマサキは常緑を守っている。 
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北海道の樹木ウォッチング・ツルマサキ3

2021年10月30日 | 日記

ツルマサキの蕾。ニシキギ科ニシキギ属。
ツルマサキは葉腋から集散花序をだす。
ツルマサキの花。
ツルマサキの花は淡緑色で径は5mmほど。
4数性の花で花弁が4個、雄しべは4本。花盤は発達し、雄しべは花盤の縁につき、雌しべの下半部は花盤に埋もれる。
ツルマサキの幼果実。
ツルマサキの子房は普通4室(4心皮)からなり、幼果実には縦に4本の筋がはいる。花柱は宿存する。
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北海道の樹木ウォッチング・ツルマサキ2

2021年10月29日 | 日記

ツルマサキの冬芽。ニシキギ科ニシキギ属。
ツルマサキの冬芽は卵形で多数の芽鱗に包まれる。側芽は対生する。
常緑樹の芽吹きは一般に落葉樹の芽吹きより遅くなり、葉をつけたままの芽吹きで見逃しやすい。
1~2年生枝や葉柄にはこぶ状の細かい突起がつく。(マサキにはない)。
ツルマサキの小枝。
越冬する葉は普通、主脈を中心にして丸まり下垂する。
ハクサンシャクナゲも似た形で下垂するが、これは気温が下がるほど湿度も下がり、その乾燥に耐えるのに表面積を少なくするためで、「気温が低くなる程、葉の巻き方は細くなる」と言われる。
ツルマサキも似た動き方をする。
ツルマサキの葉。
ツルマサキの葉は楕円形~長楕円形、葉身の長さは2~6cmと条件により大きさを変える。
縁には浅い鋸歯がつき、常緑で一斉落葉はしない。
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北海道の樹木ウォッチング・ツルマサキ1

2021年10月28日 | 日記

ツルマサキの樹形。ニシキギ科ニシキギ属。
山野の林内でよく見られる常緑つる植物。他の樹木などに絡みついて成長する。
ニシキギ属の4グループの一つ「マサキ節」に属し、北海道のつる植物では唯一の常緑種。
ツルマサキの付着根。
つる植物の他の樹木への絡みつき方には3種ある。 
 ①、巻きヒゲで絡みつく(ブドウの仲間)。
 ②、付着痕を他の樹の幹の差し込んで絡みつく(ツルアジサイなど)。
 ③、枝自体で絡みついていく(サルナシなそ)。
ツルマサキは②の付着根が絡みついていくタイプ。
ツルマサキの樹皮。
ツルマサキの樹皮は灰褐色の平滑型。
白っぽい皮目(呼吸孔)が縦につながる。
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北海道の樹木ウォッチング・マサキ2

2021年10月27日 | 日記

マサキの蕾。ニシキギ科ニシキギ属。
マサキは今年枝上部の葉腋から集散花序をだす。
マサキの花。
マサキの花は黄緑色~緑白色で、7~15個つける。
4数性の花で、花弁、雄しべは4個ずつ。花盤が発達し、雄しべは花盤の縁につく。
マサキの果実。
果実は蒴果で直径7mmほどの球形。熟すと4裂して橙赤色の仮種皮に包まれた種子をぶら下げる。
実生で容易に増え、変種も多い。日本の原産で、学名(種名)はJaponicusとなる。
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